平和と聖フランチェスコの町、アッシジ

イタリア好き、あるいはカトリック教徒の方でなくとも、「アッシジ」の名は聞いたことがあるのではないでしょうか?
イタリア中部ウンブリア州の中都市アッシジは、サン・フランチェスコ聖堂とサンタ・キアーラ聖堂が2000年にユネスコ世界文化遺産にしてされた「聖フランチェスコの町」。清貧と平和を訴えた聖人フランチェスコの故郷でフランチェスコ会発祥の地、またその聖堂があるゆえに、カトリックの世界的イベントが行われたり、巡礼者も後を絶ちません。カトリック教徒でなくとも、2つの聖堂の素晴らしい芸術作品やドゥオモなどのその他の教会、町の高みにある要塞、ピンクがかった石造りの美しい町並みなど、観光も十分に楽しめます。アップダウンが多く東西に長いので、効率よく回りましょう!

アッシジ駅からのバスが着くターミナルは旧市街西の下。旧市街へはターミナルに面したサン・ピエトロ門や

門に入る手前の車道を左側に上ってたどり着く、サン・フラチェスコ門から入りましょう。

そこから西に向かうと、サン・フランチェスコ聖堂下にある大きな広場にたどり着きます。聖堂は上下2つの教会に分かれており、入り口は1階。広場に面したところに入口があるので、あとは順路に沿って聖堂を見学しましょう。
聖堂は聖フランチェスコが亡くなった1226年の2年後に、教皇グレゴリオ9世の命によって建設が開始。下部はロマネスク様式で豪華絢爛な装飾がなされていますが、いっぽう上部はゴシック様式でジョットによる「聖フランチェスコの生涯」のフレスコ画があります。有名な「小鳥に説教する聖フランチェスコ」は上階出口の脇にあります。

そこから次のスポットへはたくさん行き方がありますが、一気に東端まで行ってもう1つの大きな見どころであるサンタ・キアーラ聖堂を見学するか、いったん北側の坂を上って要塞まで行くか。開いている時間なども考慮して回ってください。

サンタ・キアーラ聖堂は、旧市街の東の端に位置する女子修道院。聖フランチェスコに師事したサンタ・キアーラを祀った教会です。薄いピンクを合わせた縞のファサードと左側のアーチが目印。

ここは元々、1226年に亡くなった聖フランチェスコ、1253年に亡くなった聖女キアーラの遺体が祀られていたサン・ジョルジョ教会の脇に建設されました。見どころはやはり、地下礼拝堂。聖女キアーラの遺体と遺品が収められており、祈りをささげる人が後を絶ちません。下りていく階段も進行方向が決められ、列に並んで聖女キアーラの遺体を拝みに進みます。またサン・フランチェスコ聖堂とともにこちらも内部の写真撮影は禁止ですので、注意してくださいね。

続いてはサンタ・キアーラ聖堂の左脇から出ている路地を上り、ドゥオモ(サン・ルフィーノ聖堂)へ。

2つの聖堂が有名すぎて訪れる人もまばらですが、1140年に建設のドゥオモもとても見ごたえがあります。特に地下は美術品や祭服、聖具などが展示された美術館。また夏季限定になりますが、鐘楼に上り、その内部や美しいパノラマを堪能することができます。

そこからはいくつかある北西の路地を上り、大要塞へ!
町中もそこそこ上りですが、ここに行くにはまさに上り坂&階段ですので、心して向かってください:TOP写真は大要塞の入口から撮影したパノラマ、私が行った日は快晴だったので、この景色と一面に咲く野生の花々に癒されました。

実はアッシジには数回行ったことはあれど、要塞オタクなのに昨年に初めて、やっと行くことができました!(ペルージャ出張を後泊してこの要塞のためにアッシジに来たくらい!)。

ローマ時代に起源をもつ要塞ですが、現在は見られるのは14世紀に建設されたもの。内部は薄暗い廊下でつながっており、観光客も少ない中で、一人そこを歩きながら「迷ったらどうなるのかな」とちょっと心配になったほど。もちろん表示もあるので迷うことはなく、西の端にある塔に上ればアッシジの町、周辺の大自然を360度見渡すことができます。

そのほかの見どころとしては、コムーネ広場にあるサンタ・マリア・ソプラ・ディ・アッシジ教会。ギリシャ神殿のような外観なので、今まで教会だとは思っていませんでした。広場には大きな噴水あり、また飲食店も何軒もあります。私も到着した晩は、この広場を眺められる Trattoria degli Umbri で夕食を取りました。

地方に来たらやはりその土地のものを・・・ということで、がっつりと猪の煮込みにウンブリアのパン、トルタ・アル・テスト添え。ワインももちろん、ウンブリアを代表するワインの1つ、モンファルコの赤を。

私は観光自体は翌日の朝から初めて、15時には終了、そこからバスと電車を乗り継いで家路につきました。つまり上記で紹介しているスポットを全部回っても6時間で観光ができます。

フィレンツェからは直通でも3時間弱かかるので、日帰りはかなりハードですが不可能ではありません。でも可能であれば サイトでおススメしているアレッツォに滞在中や、ペルージャ(バレーボール観戦で来てる方!)滞在中に行くのをおススメします。アレッツォやペルージャならもちろん日帰りで良いですが、1泊するのと夜の街並みなど、アッシジをより満喫することができますよ。

おススメの宿泊先

私が宿泊したのは Dila’ Assisi Rooms。駅からのバスが着くS.Francesco Assisiバス停のある広場から徒歩7分。上りが多いので荷物が多い方はB番のバスで1分。旧市街のほぼ真ん中に位置しているので観光にも便利ですし、私が泊まった時は1泊51.50€でした。窓から見える田園風景の遠景、下の通りも素敵。バスタブはありませんが、シャワールーム自体はとても広く、何よりもご覧のように清潔で快適。大満足でした!朝食はついていませんがコーヒーや紅茶などの飲み物、水などは共有スペースにあり、宿泊客が利用できるようになっています。
部屋は2階より上でエレベーターはありませんので注意!
下のギャラリーにも写真を入れておきますね。

ご予約はこちら

ギャラリー(クリックすると拡大します)
基本情報

Visit Assisi (アッシジ観光公式サイト・英語)

【行き方】
フィレンツェ駅から直通電車または乗り換えで2時間45分~、アレッツォからは直通または乗り換えで1時間40分~、ペルージャからは直通電車で20~30分。アッシジ駅前から市バスC( アッシジ市内バス時刻表は、このリンク からAssisiをクリック)で旧市街下のS.Francesco Assisiバスターミナルまで約10分(終点ではないので注意)。

電車の乗り方などは こちら 、バスの乗り方などは こちら (トスカーナ編ですが、ほぼ同じです)。

愛すべき、美しい30の村
飾らない、ありのままのイタリアへ!

人口や景観など、「イタリアの最も美しい村」協会が設けた厳しい基準を満たした村だけが加盟を認められる「イタリアの最も美しい村」。その中から、イタリア在住20年以上、トスカーナ州の田舎町に暮らす著者が、“忘れられない”30の村をセレクト。古きよきものが息づく小さな村の魅力を、旅先での出会いやエピソードをちりばめながら綴る。

本の詳細はこちら

 

 AMAZON や 楽天ブックス 、各書店でも販売中!

関連記事

  1. アミアータ山の中心的な村、アッバディア・サン・サルヴァトーレ

  2. パラッツォーロ・スル・セニオ、昔話に出てきそうなトスカーナ北部の「美しい村」

  3. フィレンツェ北部・サンターガタ、古き良き時代を懐かしむ

  4. マルケ州トッレ・ディ・パルメ、海岸線を見下ろす「イタリアの美しい村」

  5. カポリーヴェリで過ごす、エルバ島・最後の夜

  6. 夜のオルヴィエートと修道院の宿

  1. 新刊「イタリア流。: 世界一、人生を楽しそうに生きている人たちの…

    2025.02.14

  2. 暮らすようにアレッツォ滞在!グランデ広場近くのアパート

    2025.02.12

  3. 平和と聖フランチェスコの町、アッシジ

    2025.02.05

  4. キアンティの「美しい村」にあるキッチン付きアパート2軒

    2025.01.08

  5. 2024年をふりかえる大晦日

    2024.12.31

  1. 食材ほとんどが自家製!フィレンツェ北部の田舎でマンマの料理レッ…

    2018.02.01

  2. トスカーナ北部ロンダで「自然農法」農家視察研修プログラム

    2019.10.17

  3. イタリアでの視察・取材&写真・記事作成を代行します

    2019.11.07

  4. 世界遺産の大パノラマを960mから見渡す!ラディコーファニの要塞

    2018.04.01

  5. 電子書籍「トスカーナのおうちごはん秋冬編20レシピ」発売

    2020.12.12

イタリアの宿泊なら?

このエラーメッセージは WordPress の管理者にだけ表示されます

エラー: フィードが見つかりません。

アカウントを接続するには、Instagram Feed の設定ページに移動してください。

Copyrighted Image