イタリアといえば、交通機関のトラブルも少なくなくつい敬遠しがちですが、それはさておき、使えるとやはり便利で節約になります。イタリアは地域の少数私鉄を除いては、ほとんどが Trenitalia(イタリア鉄道) なので、その分、乗りこなす、というほど大変なものではなく、 ポイントさえ押さえれば難しいことはない と思います。
私も郊外の田舎に住んでるのでフィレンツェに出てくる時は鈍行電車ですし、仕事などで他地方の都市へ行くのもAV=Alta Velocita’(高速列車)のFreccia などを利用していますが、慣れるとやっぱり便利です ・・・あくまでもストや遅延がない場合ですが(苦笑)。
それでは、電車の時刻を調べて、切符を購入し、そして実際に乗るまで、注意点を踏まえて書き出していきたいと思います。
時刻などの調べ方
1)サイト
日本語で調べられて便利なのは、 Trenitalia の 日本語サイト!トップページから発車駅・到着駅・年月日時間を入れると 簡単に電車の検索 ができ、購入ページ に進めます(ただし、代表者の個人データ入力が必要+海外からだから私はアクセスできなくなっていますが、割高だと聞きました)。もちろん、オリジナルのホームページ(イタリア語、英語)でも検索&購入ができます。
2)駅の時刻表
現地の駅に張ってある時刻表でチェックもできます。時刻表は2種類あり、Partenzaが発車時刻表、Arrivi が到着時刻表。ほとんどの場合が発車時刻表をご覧になると思いますが、左から順に、出発時刻、列車番号、終着駅とその到着時刻、停車駅とその到着時刻、予定到着ホームとなっています。同じく、駅にある切符の自動販売機でも時刻表検索ができます。
切符の買い方
1)サイト
前項で挙げたように、Trenitalia のホームページで買う場合は、 カード決済、事前に窓口で支払い、電車内で支払い が選べます。いずれの場合も、購入後に自動的に送られてくる 購入確認メールをプリントアウト するか、 メールをスマホで見せる 必要がありますのでお忘れなく(あるいは 予約番号、変更のときに必要な番号などを控えておく )。
2)自動券売機
今はどんな小さな駅でも、1台は自動販売機があります。大きな駅ではズラ―――っと並んでるほど、現地で買うなら一番便利で買いやすいと思います。6ヶ国語対応で、支払いも現金・カード決済も両方可能ですが、どちらかだけの販売機もあるので、販売機の上にあるマークをチェックしてから並ぶようにして下さい。最初に希望言語を押し、あとは発車駅、到着駅、希望年月日・時刻などを押し、挙げられた候補の中から1つを選ぶと、購入に進みます。便利ですが、日本の自動券売機と比べるとスロ~なので、ある程度時間の余裕がないとイライラします(笑)。そこでタッチパネルを何回も押すとフリーズするので要注意。
3)タバッキ
写真はフィレンツェSMNのタバッキ。鈍行列車の場合、駅構内にあるタバッキなどで買える場合も多いです。今は乗車日を指定して購入するので、乗る日を間違えないように注意。事前購入は何があっても必ず行くと分かってる場合のみ、それ以外は面倒ですが当日購入をおススメします。小さな町の無人駅などでは、駅前、あるいは町中にあるバールやタバッキ、新聞売店などで切符が買える場合が多いです。
4)駅の切符購入窓口
あまりおススメしませんが、大きめの駅には切符販売カウンターがあります。しかしフィレンツェSMN駅など大都市の駅は、写真のように並ぶことが多いので時間のロスになります。また英語かイタリア語の語学力がないと難しいので、苦手な方はあらかじめ調べた購入したいチケットを紙に書いて渡す方法もあります。
乗車
1)乗車前
切符をあらかじめ買っている人・発車ホームを下調べしている人も、 時間に余裕をもって駅に到着 することをおススメします!突然発車ホームが変更 になったり、ローマ・テルミニ駅の空港直行列車専用ホームのように ホームの向こうに、継ぎ足したようなホーム=かなり歩かないといけないホームの可能性もあります。
駅に着いたら、まず大型電光掲示板で自分の乗る電車の詳細、 特に発車ホーム(binarioあるいはbinと表示)と遅延(riatardoあるいはritと表示)がないか が重要です。
近年、フィレンツェSMN駅など都市の主要駅ではホームに自由に入れないようにゲートが設置されました。フィレンツェSMN駅ではホーム向かって左端(ピサやルッカ、シエナ方面行きホーム)、中央(フレッチャやイタロなど高速列車)、右端(アレッツォやムジェッロ方面行きホーム)の3か所に緑の ➡ がありますので、ここからホームに入りましょう。切符を係員に見せるだけでOKです(刻印ではありませんので、予約不要の紙の切符をお持ちの方はホームに入ってから刻印を忘れずに!)。ホームから出る時も緑の ➡ から出ることができます。
更に念には念をで、 ホームの電光掲示板も再度チェック しましょう。
発車ホームに移動する時、ホーム端にある刻印機で、必ず刻印 を(ユーロスターなど席予約のある切符に刻印は必要ありません)。刻印機がつぶれている場合、ギリギリ乗車して刻印できなかった場合は、検札が周ってくる時でなく乗車してすぐに車掌さんを探してその旨を伝え、手書きで乗車駅・時間を書いてもらいます。検察が周って来た時に申請しても、罰金の対象になります!
4)車内で
席予約のある列車では席を探して座ります。間違えて座ってる人もいるので、誰か自分の席に座っていてたら切符を見せて移動してもらうか、同乗者がいて近くに座りたい人であれば席を交換しましょう。あとで検札がくれば、切符を見せるだけでOK。ネット予約した人は、プリントアウトした紙を見せ、支払いのある人は支払いを済ませてください。少しの時間でもトイレなどで席を立つ際は、 貴重品は必ずもって行きましょう 。鈍行列車の場合は、 次の駅などのアナウンスがない場合も多い ので、あらかじめ停車駅や降車駅の到着時刻などを控えて、降り遅れないようにして下さいね。
5)その他注意点
1日で数カ所周る時などは、 時間に余裕を持って。あまりキツキツにスケジュールを組んでしまってると、遅延や切符自動販売機がつぶれているなど、ちょっとしたハプニングで1日がダメになってしまう可能性もあります。それをプラス思考で考えて、それもイタリア旅行の良い思い出、何事もスローできっちりいかないのがイタリア流、と思ってやり過ごすのも、イタリア滞在を楽しくするコツかもしれません(やや無理やり・苦笑)。
トスカーナは、 フィレンツェを中心にピサ、ルッカ、アレッツォ、シエナ(の場合は電車より バス が便利)、などは簡単に電車でいくことができます 。あるいは知られていない小さな町にぶらりと出かけるもよし、トスカーナは大きな町から少し出ると、 美しい自然に出会えるチャンスにも恵まれていますよ。
郊外の中都市や小さな村に行きたいけど、やはり自分たちだけで電車やバスに乗るのは不安・・・という方は、フィレンツェ発着のアテンド付きツアーをご利用ください。行きたい場所はアレンジできます!
愛すべき、美しい30の村
飾らない、ありのままのイタリアへ!人口や景観など、「イタリアの最も美しい村」協会が設けた厳しい基準を満たした村だけが加盟を認められる「イタリアの最も美しい村」。その中から、イタリア在住20年以上、トスカーナ州の田舎町に暮らす著者が、“忘れられない”30の村をセレクト。古きよきものが息づく小さな村の魅力を、旅先での出会いやエピソードをちりばめながら綴る。
本の詳細はこちら
「フィレンツェから日帰りで行ける!トスカーナの小さな村10選」
「トスカーナのおうちごはん春夏編20レシピ」
「コロナ・ロックダウン緩和直後のイタリア・フィレンツェ記録写真集(モノクロ版)」
「コロナ・ロックダウン緩和直後のイタリア・フィレンツェ記録写真集(カラー版)」
「トスカーナのおうちごはん秋冬編20レシピ」
いずれも読み放題に入っています!