トスカーナのシンボル的な田園風景が果てしなく広がり、2004年に世界文化遺産にも指定されたトスカーナ南部のオルチャ渓谷。私はダンナのばーちゃん村があることで20年以上通っていますが、何度行っても、何度見ても、最初に訪れた時の感動がよみがえるほど特別な場所。コロナ後に戻って来たお問い合わせも、半数以上がオルチャ渓谷という人気ぶりです。そして、コロナ後の初の同行通訳のお客様も・・・今まではほとんどがハイヤーを使って村やワイナリー、要塞などを周っていますが、今回は、「E-Bike」つまり、電動アシスト付きマウンテンバイクという自転車ツアーのリクエスト~数年前に友人が会長を務める協同組合の新サービスとして始まったこのツアーに、待望のお客様をご案内することができました!
単なるE-Bikeのレンタルもできますが、このツアーはガイド付き。土地勘のある方でイタリア語ができる方、アプリなどで自分で動ける(何かトラブルがあっても自分で対処できる)方はレンタルだけで自力で周られても良いですが、日本人の方にはやはり環境ガイド資格を持つ地元のガイド付きをおススメします。時間、レベル、行きたいスポット、途中で入れるアクティビティなど希望を伝えながら、一緒にツアーの内容をカスタマイズ。有名スポットはもちろん、地元民しか知らないようなとっておきのパノラマポイントにも行け、この地の自然や歴史などを教えてもらいながら、楽しく、そして安全に周れるからです。
今回のお客様は、トレイランやロードバイク、そしてラフティングやカヤックなど、超アクティビティな50代の女性。5時間という短い時間の中、途中でワイナリーも見てみたい、というご希望を叶えるため、シーズンオフで1人でも自由にワイナリーの見学ができるモンテプルチャーノに行くことをまず決め、糸杉の有名スポットやオフロード中心というご希望を伝えてガイドさんが提案してくれたツアーでした。それでは、写真とともに大まかな行程を見て行きましょう!
E-Bikeレンタルの本部はバーニョ・ヴィニョ―ニにありますが、そこから15キロ圏内であれば出発地にE-Bikeを運び、到着地に回収しに来てくれるので便利です。私たちのスタートは協同組合本部と宿泊先があるモンティキエッロ村。そしてガイドは、宿泊のB&Bオーナーでもあるフランチェスコ。幼い娘さんが2人いる30代後半の男性ですが、B&Bの建物1階左側は彼の筋トレと自転車車庫、右側は水彩のアトリエ、そしてワイン醸造家の学位も持つ何とも多趣味でパワフルなお兄ちゃんです(笑)。
まずはここから、隣の村の世界遺産の村・ピエンツァへ。ハイヤーで周らなくても、ピエンツァなら20分ほど。城壁に入り、メインストリートから城壁の道へ、ドゥオモに入ったり観光もできます。
それからピエンツァ下にあるコルシニャーノ教会も通りましたが、残念ながら修復中。それからはピエンツァを北に、映画「グラディエイター」の撮影場所として有名になり、「グラディエイターの道」と呼ばれるようになったスポットへ。休憩と写真撮影した後は、実際にその道も走りますよー!
この日は曇り時々晴れの予報でしたが、暑すぎず寒すぎず。青空が見える時もあれば、こんな風にドラマチックなグレーの雲がかかった空も、それはそれで美しく、ときどき自転車を下りて昔ながらの石造りの建物を見たり、景色を撮影したり。
黄色に染まるブドウ畑も・・・菜の花、ひなげし、ヒマワリ、紅葉など、季節ごとに違った風景が楽しめますね。
モンテプルチャーノに近づくにつれ、少しづつ霧が濃くなってきたのですが、「もしかしたら貴重なアレが見られるかもよ~♪」とフランチェスコが期待を煽ります。そして、そのスポットに着いたら「よし、見える!」とガッツポーズしたのがこの風景。
霧の上に浮かび上がるモンテプルチャーノの村。遠くて写真では分かりにくいかもしれませんが、肉眼でもしっかりと見られました。か、感動・・・✨
まずは村の下にあるサン・ビアージョ教会へ。ここから坂道を一気にのぼって村の中心であるグランデ広場に行くか、周りの車道を周って村の下の門から入り、旧市街を見ながらグランデ広場に向かうか?をフランチェスコが提案してくれ、お客様は後者を希望。これも簡単なようですが、イタリアでは自転車=車と同じ扱いなので、車道で一方通行があるところは逆行できなかったりも。それを知らないとうまく回れないので、ガイドさんがいてくれると効率よく提案してくれるので本当に助かります。
パノラマポイントの城壁上へ。さっきまでいた、サン・ビアージョ教会が霧の中に浮かんで見えます。
グランデ広場では11月半ばから始まっていたクリスマス市の屋台も。この日は平日の昼で見られませんでしたが、夜や週末はにぎわうはず・・・私たちはお客様の希望でもあった、歴史的ワイナリー見学へ。モンテプルチャーノのワイナリーは旧市街の建物にセラーがあるのが特徴で、多くのところで無料見学をさせてくれます。試飲も可能ですが、自転車であったこと、お客様がバックパッカーでワインを荷物に入れるのが怖いとのことで購入はやめ、ツアー後の食事でここのノービレワインを味わうことにしました。
そしてモンティキエッロ村に帰る前のマストは、やっぱりここ!モンティキエッロの糸杉並木です。ピエンツァとモンテプルチャーノの村観光も含めた5時間、約40キロのツアーは、とにかく楽しい!!今までのオルチャ渓谷観光とは一味も二味も違う楽しみ方です。
ちなみに今回のコースはこちら。ストラバというサイクリング愛好家には欠かせないアプリでフランチェスコが作ってくれました。休みなしにひたすら走るだけだと2時間弱ですが、休憩したり写真撮影したり、村で散策したりワイナリー見学したりしてちょうど5時間、フランチェスコ、さすがです!
そして今回はサイクリング慣れしている方でしたが、普通に自転車に乗れる方なら誰でもツアーに参加できます。なんたって電動アシストはエコからターボまで4段階+ギアチェンジで坂道も石畳も砂利道も楽々!お客様の興味や体力に合うコースを提案しますので、楽しく、唯一無二の体験ができること間違いなしです★
動画はこちらから
ギャラリー(クリックすると拡大します)
基本情報
【E-bikeツアーと料理教室、1泊2日のモデルプラン】
1日目
キウージーキアンチャーノ駅にお迎え、モンティキエッロへ。到着後、電動アシスト付きMTB(E-Bike)にてガイド付きオルチャ渓谷ツアー・フルデイ
2日目
村のレストランで料理教室、終了後、モンティキエッロからキウージーキアンチャーノ駅へ送迎
2名の場合の1名料金:700ユーロ
4名の場合の1名料金:470ユーロ
含まれるもの
✅ モンティキエッロ ⇆ キウージーキアンチャーノ駅間の車送迎
✅ B&Bのダブルルーム1泊(朝食付き)
✅ 電動MTB・ヘルメットレンタル、サイクリングガイド、保険
✅ 料理教室(ランチ&レシピ付き)
✅ 全行程の日本語通訳アテンド
含まれないもの
✅ 1日目の昼食と夕食(通訳分も実費ご負担頂きます)
✅ 宿泊先で支払う滞在税1人1ユーロ
あくまでモデルプランですので、人数、宿泊数やその他のアクティビティのアレンジ、電動MTBのコースもご希望に応じてアレンジします。リクエストを頂いてから、ご希望日程で空きのある宿泊施設(アグリツーリズモ、アパート、B&B、各種、ご希望を優先しますがB&B以外は原則的に3泊以上)を協会員の施設で検索して提案しますので、上記よりも料金が上下する可能性があることをご了承ください。
少人数での料理教室は、モンティキエッロのレストラン経営の施設で行います。
愛すべき、美しい30の村
飾らない、ありのままのイタリアへ!人口や景観など、「イタリアの最も美しい村」協会が設けた厳しい基準を満たした村だけが加盟を認められる「イタリアの最も美しい村」。その中から、イタリア在住20年以上、トスカーナ州の田舎町に暮らす著者が、“忘れられない”30の村をセレクト。古きよきものが息づく小さな村の魅力を、旅先での出会いやエピソードをちりばめながら綴る。
本の詳細はこちら
「フィレンツェから日帰りで行ける!トスカーナの小さな村10選」
「トスカーナのおうちごはん春夏編20レシピ」
「コロナ・ロックダウン緩和直後のイタリア・フィレンツェ記録写真集(モノクロ版)」
「コロナ・ロックダウン緩和直後のイタリア・フィレンツェ記録写真集(カラー版)」
「トスカーナのおうちごはん秋冬編20レシピ」
いずれも読み放題に入っています!