フィレンツェ北部・1500年代の邸宅で、宿泊・料理教室・見学&アフタヌーンティ!

フィレンツェ県北部のムジェッロ地方。IGP(保護指定地域表示)認証を持つ名産の栗や、「ムジェッロ」風とその名のついたトルテッリ、またバイク好きにはサーキットで有名ですが、中世から近世までフィレンツェいやイタリアの歴史に大きな足跡を残した、メディチ家の発祥の地でもあります。フィレンツェ共和国北部の重要地の1つが、栗祭りで有名なマッラーディ。山深く敵が入り込みにくい環境であり、山のてっぺんに据えた塔から監視も可能でした。そのため、政治闘争などで逃げ場を求めた貴族なども移り住むように・・・その1つがトッリアーニ家。その1500年代建築の邸宅が、今はレジデンスとなり、宿泊はもちろん、食事や料理教室なども提供しています。

こちらがオーナーのアンナマリアさん。見るからに上品、でもとてもチャーミングで気さくな方で、すぐに打ち解けてしまいました。事の始まりは2003年、使わない部屋が多く維持にも悩む彼女に邸宅レジデンスのアイディアが浮かびます。というのも、彼女は旅好きで世界各国を訪問しましたが、いつも早く家に帰りたい!とホームシックにかかっていました。だからここは、旅人が自分の実家に帰ってきたような場所になれば・・・しかし、「こんな山奥に、マッラーディに誰が泊りに来るんだ?」と半信半疑だったのはご主人。ともあれやってみよう!とスタートして数年、インドや南米からの問い合わせにはアンナマリアさん当人も信じられなかったと言います。2011年には営業日全てが満室になったそうですが、残念ながら、その頃にご主人も亡き人となってしまいました。

最初に通していただいたのは、朝食ルーム。ここでお手製のお菓子を頂きましたが、どれもとっても美味。なによりもこの大きな暖炉やアンティークな調度品に囲まれ、ここに座っているだけでもう夢心地です。そして面白いのが昔の暖炉、なぜこんなに大きいのかというと、暖炉の中が一種のリビングなんです。火を囲むようにベンチが設置され、それぞれにワインを置く穴が壁に開いているの、分かりますか?

そしてまず、お客様がチェックインする前にとお部屋を見せてもらうことに。お部屋はアパートタイプが2つ、スイートルーム1つ、ジュニアスイート3つの合計6つ。2人用~4人用ですが、スペースが広いのでエキストラベッドを入れられる部屋も多いです。

こちらは天井のフレスコ画が見事は広々としたスイートの寝室。もう1室には、外観は大きなクローゼットは扉を開けるとキッチンもあるので、自炊もできます。

こちらはジュニアスイート。ブルーを基調にした爽やかなインテリアで、階段の上には狭いですが2つのシングルベッドがあり、4人まで宿泊可能です。

そして今度は、宿泊しなくともビジターでも受け入れてもらえる「邸宅見学ツアーへ。1500年代の邸宅そのもの、また歴史の中で残されてきた数々の貴重な調度品、また当時の生活を知るための面白い器具など、アンナマリアさんの解説もとても面白く、あっという間に時間が過ぎてしまいます。ここは国の重要文化財管理局に登録されているので、まさに一種の美術館ですね。写真はブドウを絞る器具や大樽は、昔ワイン製造をしていた時に実際に使用していたもの。

ありとあらゆる部屋には、トッリアーニ家の歴史や逸話が隅々にまで・・・昔から美人だったアンナマリアさんのお写真も見つけちゃいました。ホント、女優さん並みに美しい✨。今はこの写真に写っている娘さんと一緒にここを経営しています。

その後はなんと! ご家族のダイニングでランチを一緒に頂くことに・・・! ほかのいくつかの部屋と同じように、ムジェッロ地方の芸術家、ガリレオ・キーニ(キーニ工房やその作品についてはこちらの記事を)の天井画、トッリアーニ家の紋章の入ったプレートなど、歴史を感じされるものばかり。お食事を頂きながら、アンナマリアさんとまだまだお話は続きます。

室内のみならず、お皿、カトラリー、水の銀製の容器など、すべてが私にとって非日常で特別な体験です。そしてもちろんお料理も・・・。

「玉ねぎスープ、ちょっと変わってるのだけど食べてみる?」
「そ、それはもしかして、カトリーヌ・デ・メディチのですか!?」

そう、それは1500年代にカトリーヌ・ディ・メディチが自らと共に嫁ぎ先のフランス宮廷にもちこんだフィレンツェ文化の1つ。ムジェッロ風にアレンジしてるのは、アーモンドの粉でなく名産品の栗の粉。栗と玉ねぎの甘さ、シナモンの風味、なんとも言えないコクがある上品で珍しい一品です。この玉ねぎスープ「カラバッチャ」のように、ここでは1800年代のこの家のお抱えコック・マルティーノのレシピが口承で伝えられ、今に受け継がれているのです!

パスタの名前も初めて聞くもの。ムジェッロ地方はロマーニャに隣接しているため、トスカーナ料理とロマーニャ料理どちらとも、あるいは混ざったものが多く、このパスタもその1つ。その形から、ロマーニャの方言で靴紐を意味するクルズゥルという名前がついています。2色なのは、1つは栗粉、もう1つはカカオ入りの生地を使っているから。生クリームとスペックのソースで頂きます。デザートのプリンも栗、と、これだけ近くにいながら、初めて食べたものばかりでした。そしてこれらの料理はビジターでも参加できる料理教室で習うこともできますし、食事付きの邸宅見学ツアーで味わうこともできます。

その後はマッラーディ村の散策。

ここでも教会や市役所などの建物の他、この紋章は老コジモの守兵だったピストイア貴族のもの、これはメディチ家の小麦倉庫だったものなどなど、マッラーディを知り尽くしているアンナマリアさんのお話を聞きながら、電車の時間まで贅沢な時を過ごしました。

マッラーディの一大イベントは、言わずもがな10月の毎週末に行われる栗まつり。臨時の蒸気機関車が出るなど、フィレンツェや外国からも多くの人が訪れますが、その数はなんと1万人。それは4日の合計ではなく1日の数というのですから、その賑わいはすごいものでしょう。

フィレンツェから直通電車が通っているので、実はとても便利なマッラーディ。栗まつりはもちろんですが、それ以外の時期でもここを拠点にして、電車で

世界遺産・ラヴェンナでモザイクに酔いしれる

などにも行くことができます。

ここに宿泊せずフィレンツェやおらが村に宿泊の方は、料理教室や見学ツアーで1日・半日の遠足にももってこい。まだまだ知られていないムジェッロ地方へ、タイムスリップするような邸宅へ遊びに来て下さい。

レポートはこちら

新しいコラボがうまくいく、一番重要な事

【レポート】トスカーナ北部の邸宅で料理教室&邸宅ツアー

フィレンツェの人気ユーチューバーWikiPedroのマッラーディ紹介で、この邸宅の内外も映っています

ギャラリー(クリックすると拡大します)
基本情報

【行き方】
フィレンツェSMN駅よりファエンツァ行きの直通電車で1時間15分。 おらが村・ロンダに宿泊の場合、コンテア・ロンダ駅からボルゴ・サン・ロレンツォ駅で乗り換えて約1時間15分。駅からは徒歩5分。 電車の乗り方についてはこちら を参照ください。

【宿泊料金】
アパートタイプ:1人使用は155ユーロ~、2人使用は190ユーロ~
スイート(ミニキッチン付き):1人使用は235ユーロ、2人使用は300ユーロ
ジュニア・スイート:1人使用は170ユーロ~、2人使用は210ユーロ~
いずれもブッフェ式の朝食付き、部屋にはWIFI、電気ポット、カッフェ・紅茶セットあり

※1人使用の料金は11月~4月+7・8月の場合、5・6月~9・10月は2人使用と同料金となります
※3泊以上の場合は割引あり
※ムジェッロ・サーキットのバイクレース期間、栗祭りの週末は最低2泊より
※10月~月は別途、暖房費で15ユーロになります。
※1人1泊あたり3ユーロの滞在税がかかります
※別料金で昼食・夕食もリクエスト可能。

【料理教室】
1人参加の場合、200ユーロ
(日本語通訳は+80ユーロ)

2人参加の場合、1人140ユーロ
(日本語通訳は2人の場合、1人あたり+60ユーロ)

※食事だけ参加する方は60ユーロ

  • パスタ3種コース
  • プリモ・メイン・デザートのコース
  • 栗を中心としたマッラーディの郷土料理コース

などなど、メニューは相談に応じます。
エプロン付き、昼食でも夕食でも可能、英語対応可能。

お時間がある場合は、邸宅ツアーや村案内も無料でさせて頂きます。

【邸宅見学ツアー】
最低2人より、1人あたり20ユーロ、カッフェ・お菓子付き
日本語通訳は2人の場合、1人あたり+40ユーロ

最低2人より、1人あたり35ユーロ、アフタヌーンティー付き
日本語通訳は2人の場合、1人あたり+40ユーロ

◎ランチ(前菜・プリモ・デザート・水・ワイン)付き、最低2人より、1人あたり60ユーロ
日本語通訳は2人の場合、1人あたり+40ユーロ

見学自体は約1時間、英語対応可能。
日時はリクエストに応じ、それに準じた電車の時間などをお伝えします。

お問合せ&お申し込みは、こちら

愛すべき、美しい30の村
飾らない、ありのままのイタリアへ!

人口や景観など、「イタリアの最も美しい村」協会が設けた厳しい基準を満たした村だけが加盟を認められる「イタリアの最も美しい村」。その中から、イタリア在住20年以上、トスカーナ州の田舎町に暮らす著者が、“忘れられない”30の村をセレクト。古きよきものが息づく小さな村の魅力を、旅先での出会いやエピソードをちりばめながら綴る。

本の詳細はこちら

 

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