トスカーナ群島は、トスカーナ州西側~コルシカ島のティレニア海に点在する島々で、そのうち7つの島のエリアが「トスカーナ群島国立公園」に指定されています。その中でも一番大きな島が、このエルバ島。面積は224㎢と日本でいうと石垣島程度の大きさですが、シチリア島、サルデニア島に続く、イタリア第3の島なのです。人口は3万人、現在の主要な経済は観光業。魚の形をした島は標高1000m級の山ありクリスタルブルーの海ありと、自然の宝庫です。
そんなエルバ島、主要な町や見所とともに全体を紹介した動画をご覧ください(ナレーションのイタリア語はゆっくりで分かりやすいです)
歴史
エルバ島には昔から、現在のリグーリア州と同じ人種のリグレ人が住んでいました。そこにエトルリア人、更にローマ帝国の支配が続きますが、ローマ帝国解体後はビザンチン、ロンゴバルド、そしてピサ共和国の支配へ。ピオンビーノ、フィレンツェ(現在のポルトフェッライオ)、スペイン(現在のポルトアッズッロ周辺)と3国からの支配をうけますが、それぞれの町につながる道がなかったため、それそれが交わることなく統治していたそう。1500年代にはトスカーナ大公でメディチ家のコジモ1世が今のポルトフェッライオに要塞などを建設し、「コズモ―ポリ」と呼ばれ発展します。下の写真は、ポルトフェッライオに残るメディチ家の要塞。
そして1802年にはフランス領に。そしてエルバ島と聞くと誰もが想像する、ナポレオンの時代へ・・・1814年、ナポレオンはフランス本国から追放されつつも、「エルバ公国」の王として、たった10か月の滞在の間に道路の整備、ヴィラの建設、鉱物産業の改革など、精力的に活動します。ポルトフェッライオの旧市街には住居であるヴィラ・ムリーノが、郊外にはヴィラ・サン・マルティーノが残っています。
ナポレオン逃亡後は、トスカーナ公国へ併合され、その後イタリア王国に組み込まれ、今に至ります。
見どころ
エルバ島には下記の7つの市=古の山間の村、中世以降にできてきた海沿いの村があります。海沿いの村は
- ポルトフェッライオ
- マルチャーナ・マリーナ
- ポルト・アッズッロ
- リオ・マリーナ(2018年にリオ・ネッレルバと統合)
山間の町は
- カポリーヴェリ
- カンポ・ネッレルバ
- マルチャーナ
- リオ・ネッレルバ(2018年にリオ・マリーナと統合)
それぞれ、町として大きいのは大きな港のあるポルトフェッライオ、かつて鉱物でも栄えたカポリーヴェリ。小さな村好きに人気があるのは、カポリーヴェリやマルチャーナ、そしてマルチャーナ近くのポッジョ、サンイラーリオです。
そして何よりも、数々の美しい、バラエティに富んだビーチではシースポーツも楽しめ
数々のトレッキングコース、またマウンテンバイクやロードサイクル、
中世に建てられた要塞や、最高峰のカパンネ山からの絶景を堪能したり、
かつての採掘場の見学ツアー&ミュージアムなども。
こんな風に、海だけでない様々な楽しみ方がありますよ。
行き方
エルバ島への本土の玄関口は、ピオンビーノ。鉄道は港近くのPiombino Marittima 駅まで行くことができ、そこからフェリー搭乗口は目の前です。フィレンツェからはピサ中央駅やカンピリア・マリッティマ乗り換えで約3時間、リヴォルノ・ピサからは直通で1時間~1時間半。電車の乘り方などについては、こちらを参照下さい。
エルバ島の到着地は3つあります。
- ポルトフェッライオ(所要時間1時間)
- カーヴォ(所要時間1時間15分)
- リオ・マリーナ(所要時間45分)
ポルトフェッライオが大半ですが、一番近い北東のカーヴォ、カーヴォから少し南のリオ・マリーナの便も少しありますので、滞在地や観光ルートなどによって到着港を決めましょう。ただし、カーヴォは車の積載はありません。
そしてフェリー会社は以下の4つ
- Toremar
- MOBY
- BluNavy
- Corsica Ferries
上の2社が本数が多く、今は同じグループ傘下のようです。下2つは本数少ないですが、よくプロモーションをやっています。それぞれの会社のサイトを見ても良いのですが、希望日や人数を入れるだけで一覧が出てくるINFOELBAのこのページ(英語)から検索するのがおススメ。我が家は今回、滞在先が提携していて割引があったのでBluNavyにしましたが、サービスはどこもあまり変わらないと思います(サルデニア島でMOBY、ジリオ島でTormarを使用しましたが、どれも快適でした)。時期やプロモのタイミングによって変動あり、大人1人(車なし)で15ユーロ前後。ちなみに所要時間がだいぶん違っても、料金は到着地によってさほど変わりません。
島内の動き方
一番便利なのは、やはり車かバイクになります。島内には鉄道はなく、バスのみで大きく3路線。
Line 116: Portoferraio – Procchio – Marciana M.na – Marciana – Pomonte – Marina di Campo – La Pila
Line 117: Portoferraio – Capoliveri – Porto azzurro – Rio Elba – Rio Marina – Cavo
Line 118: Portoferraio – Bagnaia – Lacona
ご覧のようにポルトフェッライオ発着になってますので、公共交通機関だけで行く方はポルトフェッライオまたは上記の町をベースにするのがベターでしょう。時刻表はまたまたINFOELBAのこのページ(英語)にリンクがありますので、参考にしてみて下さい。バス会社は2021年秋よりトスカーナ州全域がAUTOLINEE TOSCANEに統一され、サイト、検索アプリ、切符購入も全て統一されました。切符購入アプリで調べたところ、現在エルバ島のバス切符は
1日パス:10ユーロ、3日パス・15ユーロ、6日パス・25ユーロの3種類のみ。
バスの切符の買い方などの詳細はこちらにまとめています(もちろん、エルバ島以外のトスカーナ全域に使えます!)
愛すべき、美しい30の村
飾らない、ありのままのイタリアへ!人口や景観など、「イタリアの最も美しい村」協会が設けた厳しい基準を満たした村だけが加盟を認められる「イタリアの最も美しい村」。その中から、イタリア在住20年以上、トスカーナ州の田舎町に暮らす著者が、“忘れられない”30の村をセレクト。古きよきものが息づく小さな村の魅力を、旅先での出会いやエピソードをちりばめながら綴る。
本の詳細はこちら
「フィレンツェから日帰りで行ける!トスカーナの小さな村10選」
「トスカーナのおうちごはん春夏編20レシピ」
「コロナ・ロックダウン緩和直後のイタリア・フィレンツェ記録写真集(モノクロ版)」
「コロナ・ロックダウン緩和直後のイタリア・フィレンツェ記録写真集(カラー版)」
「トスカーナのおうちごはん秋冬編20レシピ」
いずれも読み放題に入っています!、