トスカーナ北部ロンダで「自然農法」農家視察研修プログラム

フィレンツェから北東に35キロ、直通電車で50分の村・ロンダ。私の住むこの村で、休暇の家宿泊マンマの料理教室オリーブオイルの搾油所見学などのプログラムにたくさんの方にきて頂いています。一方、今回の新しいプログラムは観光客の方でなく、日本のオーガニック、またはそれを目指している農家の方、農家の在り方や売り方などのヒントを得たい方など向けの視察プログラム。内容は畑や販売所などの見学、料理レッスン、宿泊など。時期によってはオリーブオイルの収穫や各種作業の見学、搾油所や粉ひき所に一緒に行って見学することも可能です。

今回ご依頼をくださったのは、福岡県糸島の卯(うさぎ)農園さん。個人や飲食店に、オーガニックの野菜や加工品を届けていらっしゃいます。1泊2日の日程で、まずはフィレンツェで市場やオーガニック専門店などを見学した後、電車で1時間弱+送迎車で15時半頃に農家に到着。お荷物を置いた後、早速、施設や畑の見学に向かいました。

今年は5月の長雨の影響で、夏野菜が遅れて種まき&収穫なので、トマトやトウモロコシもまだ畑にありました。そして先月に植え始めた秋冬野菜も成長してきています。トスカーナらしく、豆の種類も数多く。オーナーのファビオが目指しているのは「イタリアの1960年代の農業」。つまり、少ない品目を大量に作り大量に量販店に卸すのでなく、多くの品目を自然農法で少量生産し、土壌を豊かにしながら、個人商店や消費者に直接販売するやり方です。

農地としてはあまり適していない標高650mの傾斜した土地ですが、池から水をひき、ほぼ全てを手作業で行っています。元々は測量士のファビオですが、2009年頃から土地を借りて農業を始め、2015年に今の場所を借り、県の移民政策を活用して農業組合としてスタート。現在、県の政策活動は終了しましたが、受け入れた移民の中で優秀はナイジェリアの若者4人と中国人1人はそのまま残り、他イタリア人の労働者数名で運営しています。

畑の端には、50羽の鶏が。リヴォルネーゼと呼ばれる品種は、やせ型で卵も毎日産まない為、一般的には余り好まれない(肉としてもダメ、産卵用としてもダメ)のですが、卵の味は格別だそう。もちろん放し飼いで、飼料もオーガニックのものを購入していますが、現在は徐々に自社製のトウモロコシや穀物に移行中~「オーガニックと書かれていても、市販品より自分の作ったものが信頼できるから」。

生産性は低くても、質と「在来種」にこだわるファビオの選択は、小麦にも。この土地の半分は、これから植える昔ながらの古代小麦「ラ・ヴェルナ」用の土地です。夏に収穫して脱穀した麦は、母屋の2階にある保存庫に置かれ、徐々に粉ひき所へ持っていきます。

かつては精製度の低い2番(イタリアでは精製段階で番号が付いており、一番精製されている粉から00、0、1、2、そして全粒粉と別れています)だけでしたが、リクエストにより現在は0番も。これをそのまま使ったり、ブレンドしながらパン、ピッツァ、パスタを作っています(前者2つは週末の食事会に使用、パスタは食事会以外でも乾燥させて袋に入れて販売しています)。

写真左が2番、右が0番。色や粗さが違うのが分かりますね。

見学が一通り終わると、料理教室へ。メニューはリクエストに対応できますが、卯(うさぎ)農園さんはピッツァと旬の野菜を使ったお料理という事で、まずはピッツァの生地を仕込みます。見学前に捏ねて1次発酵の終わった生地を、1枚分に丸めて2次発酵へ。料理教室のメインは奥さんのアンナさんです。

とはいえ、おしゃべりで料理好きなファビオも一緒に。入れ代わり立ち代わり、話があちこちに飛ぶ(笑)、楽しいレッスンです。

粉はもちろん、トマトピューレ、オリーブオイル、トッピングの野菜も自社製。先に火をおこしておいた、石窯で約ピッツァは最高!その他、固くなったパンとトマトで作るトスカーナ郷土料理、パッパ・アル・ポモドーロと、パスタ入りひよこ豆のミネストローネを作りました。

そして何よりのご馳走は、インターナショナルな従業員たち、ソーシャルワーカーさん、ファビオの家族と、わいわいおしゃべりしながら長ーいテーブルで過ごす時間です。普段は食習慣の違うナイジェリアの青年たちは同席することが少ないそうなのですが、この日は一緒にテーブルを囲んでくれました。そして、翌日は一緒に豆をさやから分ける作業も一緒に~移民とその労働問題はイタリアでも日本でも今いろいろと論争になっていますが、こうした平和の中で作業するシーンを見ていると、その問題が嘘のようにさえ思えます。

お別れ前に、記念の1枚!

最後に、お部屋の紹介を。建物は石に刻まれている跡を見る限り、1700年代に造られた石造りの建物だそう。コツコツとリフォームを行い、現在1階は夕食会が行われるホールと厨房、直売エリア、また住み込みで働いている作業員とソーシャルワーカーさんのアパート。視察に来られた方は、今年リフォームし終わった2階の部屋とシャワートイレを使用して頂きます。

梁が残る高い天井、そして昔ながらのトスカーナらしい家具。タオルやアメニティ、水などは、娘さんのヴィルジニアがしっかり準備してくれています。外から見える風景も美しいですよ。

野菜は日本に持って帰ることはできませんが、加工品はもちろん購入・日本への送付もできます。加工品は、ロンダ特産のレジーナ桃のジャムとジュース、オリーブオイル、各種ジャム、ハチミツ、乾燥の豆、古代小麦の粉、ポレンタ(トウモロコシの粉)、トマトピューレなど。加工から瓶詰、ラベル張りまで全てがここで行われています。

今回はお2人で視察・料理レッスン・宿泊でしたが、ご希望の内容や人数、日帰りから宿泊日数も全てカスタマイズできます。また、週末のランチ・夕食会の参加や、近郊のオーガニックワイナリーなどと組み合わせることも可能ですので、ご興味のあることを丸ごと相談して頂ければコーディネイトさせて頂きます。オーガニック農業は、まだまだ日本では少数で大変なことも多いですが、意識の高いイタリアへぜひ同志の様子をぜひ見に来てください。

お問合せ&お申し込みは、こちら

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愛すべき、美しい30の村
飾らない、ありのままのイタリアへ!

人口や景観など、「イタリアの最も美しい村」協会が設けた厳しい基準を満たした村だけが加盟を認められる「イタリアの最も美しい村」。その中から、イタリア在住20年以上、トスカーナ州の田舎町に暮らす著者が、“忘れられない”30の村をセレクト。古きよきものが息づく小さな村の魅力を、旅先での出会いやエピソードをちりばめながら綴る。

本の詳細はこちら

 

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