世界遺産の大パノラマを960mから見渡す!ラディコーファニの要塞

昔からフランチェジーナ街道が通る要所だったこともあり、世界遺産・オルチャ渓谷内にはたくさんの要塞があります。その中で、個人的におススメなのがラディコーファニの要塞。その理由は、何よりその中で一番高い所にあり、見渡せる範囲が半端なくスゴイ、要塞の周りの雄大な自然が気持ち良い、他と比べて要塞も真下にある旧市街も観光客が少なくのんびりできる、からです。

旧市街から少し坂を上って行き止まりまで行くと、そこが要塞。まさに丘のてっぺんに立っています。門から入ると、この姿・・・要塞や石造建築好きの方は、もうここでノックアウトです(笑)。チケット売り場ですが、ハイシーズンは駐車場の入口付近の小屋、ローシーズンだと中に入ってからすぐ右手のバール(休憩カフェ)になります。ここのポールさん(イギリス生まれだけどイタリア人)がめちゃいい人で、以前7人グループの方をアテンドする時に開いてるか問い合わせたら、ホントは休みの日なのに開けてくれました!ちなみにトイレはここにはなく、いったん外へ出て要塞とは反対側に下った小屋にあります。トイレはここ1つしかなく、要塞の中に行ってからは戻るの大変なので、必要な方は先に行っておきましょう。

塔の方へ行くには、城塞の中を抜けていきます。5つある堡塁は全て中に入ることができ、こんな風に積み上げられた石を間近に見ることもできます。

要塞の建設は9世紀頃、カロリング王朝によるもの。その後、978年にアッバディア・サン・サルヴァトーレ修道院が購入しますが、1153年、フランチジェーナ街道が通る要所として教皇庁の管理下に入ります。1297年から3年間は「紳士」と呼ばれた山賊、ギーノ・ディ・タッコに占拠されますが、1300年からは再度教皇領に。それからシエナ、最後はトスカーナ公国のものとなりますが、ローマへの道沿い、そして国境沿いという戦略的重要地として扱われてきました。しかし、1735年から放置され荒廃がすすみます。その約250年後の1989年、財政補助を得て修復が行われ、かつての輝きを取り戻したのです。

入場時に通った堡塁から出ると、このように緑一面の大地が広がっています。そのまま地面に座って、また少しですがベンチやテーブルもあるので、ピクニックにも最高!そのまま寝っ転がって風の音を聞いているだけで癒されますよ。

西にはトスカーナ第二の山・アミアータ山の雄大な姿、そして南にはラディコーファニの旧市街を真下に観ることができます。

しかし、ここからだけで満足してはいけません~ホントの絶景は、この塔てっぺん・960mの高さに上ってから見られるのです!

塔の地上階は、かつて牢獄だった様子がそのままに残っており、そこから各階はこの地のエトルリア時代の出土品が展示されたミニ博物館となっています。中はとても整備さえていて、近代的な階段が設置されていますが、隙間があいているので高所恐怖症の方はやや怖いかもしれません。でも、最後の最後まで頑張って登ってください・・・このパノラマを見るために!

これは南側、ラディコーファニの村のレンガ色の屋根と、オルチャの緑のコントラストが最高です。そして永遠に続くように連なる緑のなだらかな丘・・・美しすぎてため息が出ます。

そして南東方向にはまっすぐ伸びる壁、各方向には5つある堡塁を見下ろすこともでき、要塞全体の作りがよく分かります。

塔から下りた後も、周りを散策して、いろんな角度から見る要塞、塔、景色を堪能して下さいね。入口にあるバールでは、ハイシーズンは食事もできるので、ランチを含めて1日ゆったりすることもできますよ。

最後に、空から見た美しい要塞の様子を堪能下さい♪

ギャラリー(クリックすると拡大します)
基本情報

Fortezza di Radicofani
Via della citta’ fortificata, 10 RADICOFANI
Tel:+39-339 8283 953
営業時間:10:00 – 20:00
4月~10月は毎日営業、11月~3月は土日のみ、
祝日は年間通して全てオープン

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