フィレンツェ・ストロッツィ宮殿で2026年1月25日まで「ベアート・アンジェリコ展」

本名はグイード・ディ・ピエトロ、フィレンツェ北部ヴィッキオに1395年ごろ生まれ。フィレンツェ北のフィエーゾレに入ってからはジョヴァンニ・ディ・フィエーゾレと呼ばれますが、ヴァザーリの「芸術家列伝」でアンジェリコと称されました。かつてはフラ・アンジェリコ(フラ=修道士)と呼ばれていましたが、1982年にヨハネ・パオロ2世より公式にベアート(福者、聖人の次に次ぐ地位)を授けられたので、ベアート・アンジェリコが正しい名称になります。

アンジェリコは1395年生まれ、同じヴィッキオ出身のジョットとともに「ルネサンスの父」と呼ばれ、遠近法や光の表現、人物と背景との空間表現に長けていました。荘厳さだけではない、柔らかな表情の聖母の透明感のある顔はアンジェリコ独特の美しさ。私は絵画の中で一番好きなのがまさにこのアンジェリコ作、サン・マルコ博物館の「受胎告知」なのですが、展覧会では初期から市の間際までの彼の作品が年代順に並んでいるので、聖母の表情だけでなく上記に書いた遠近法などの絵画技術の変遷もわかりやすかったです。関連ある作家や作品も合わせ、展示点数はなんと140点以上!

私が個人的に印象に残ったのは、サンマルコの祭壇画です。というのも、10年近く前にイタリア取材コーディネイトと通訳をずっとさせていただいている日経新聞社・文化部さんの取材で、イタリア有数のフィレンツェの修復センターを訪問した際にこの作品がgちょうど修復中だったのです。女性の修復士さんが特殊メガネをつけて細かい作業を行っており、正確な数字は忘れましたが1㎝四方の作業を行うのに何日も行うようなことを言われてたのがとても印象に残っています。

サン・マルコの祭壇画は近年に修復されましたが、ほかにもいくつか、この展示会のために修復が行われた作品もありました。

もう一つが、受胎告知。前述のサンマルコ博物館にある同名のフレスコ画があまりにも有名ですが、他にもアンジェリコはたくさんの受胎告知を残しています。そのうち、アレッツォ近郊のサン・ジョヴァンニ・ヴァルダルノという小さな町にあるものがこの展示会で展示されていました。この作品の面白いのは、登場人物がいる建物の柱廊の手前のアーチが額縁になっているところと、壁パネルや床がパステル調の大理石のようなタッチで描かれているところ。

トスカーナにあるもう一つの受胎告知はコルトーナ、そんなアンジェリコの同テーマの作品をめぐる旅などはいかがでしょうか?

この展示会は、2026年1月25日まで。私は平日の昼間に行ったからかもしれませんが、少なくともウフィッツィ美術館のように予約がないと入れないとか、何時間も並ぶようなことはありません。おそらく週末や祝日、そして終了間際は混むかもしれません。アンジェリコファンの方は必須!そうでない方でも、興味を持たれた方はぜひストロッツィ宮殿に足を運んでみてくださいね。

ギャラリー

基本情報

BEATO ANGELICO(公式サイト・英語
~2026年1月25日まで、毎日10時から20時(木曜のみ23時まで)、入場は閉館の1時間前まで
チケット:15ユーロ
フィレンツェ・ストロッツィ宮殿

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