レオナルド、は特にフィレンツェでは超ポピュラーな男性の名前ですが、レオナルド、と言えばやはり!レオナルド・ダ・ヴィンチですね。説明も不要の、ルネサンスを代表する芸術家、発明家・・・天才と呼ばれた人物です。ダ・ヴィンチ、という苗字はヴィンチ村の、という意味で、その村は今もフィレンツェ県の郊外にあり、レオナルド博物館(本人の作品はありません)や生家などのミュージアムがあります。
ドラマはレオナルドの半生を描いたものですが、カテリーナ・ダ・クレモ―ナ殺害の容疑で投獄中の尋問をベースに、過去を振り返る形で構成されています。フィレンツェのヴェロッキオ工房で働いていた時、そこで見いだされて一部を描いた「キリストの洗礼」、その後に独立して制作を中断した「マギの礼拝」、ミラノのフランチェスコ・スフォルツォの銅像計画、フィレンツェ帰還後のイーモラ派遣、そしてまたフィレンツェでカテリーナの元へ・・・それまでが先週までのストーリーです。
SNSなどのコメントには、「偉大な歴史的人物をこのような形で描くなんて」「史実を膨らませている」「しょせんアメリカナイズされたドラマ」などの批判もありますが、私個人的には、一般的には天才、偉大、ともてはやされるレオナルドの、暗く複雑な部分にスポットを当てたのは逆に興味深かったです(この映画よりは今回のドラマの方が断然好き)。レオナルドは同性愛者で、サライ、という彼のアシスタント兼恋人もしっかり出てくるし・・・しかしそう思うのはやはり、2019年のレオナルド没500周年イベントの取材通訳の時、ミラノのレオナルド科学博物館の研究員の方が
「レオナルドは天才だと言われていますが、ルネサンス人は多かれ少なかれ、みな多才な活動をしており、彼だけが特別なわけではなかった」
「レオナルドの名声は近年、特にダ・ヴィンチコードなど商業的なものによって盛り上げられた側面もある」
ようなことを話されていたのが、今も頭に残っているからです。それは「天才に隠れた男」というサブタイトルのように、本当はレオナルドってどんな人物だったんだろう?ともっと知りたくなりました。とはいえ、気になって調べてみたら、このドラマでは準主役級、レオナルドの「女神」であるカテリーナ・ダ・クレモ―ナは、架空の人物だそうで・・・なので、ストーリーの軸となる殺害容疑で投獄されたことの事実もなければ、尋問するミラノ大尉も架空の人物・・・うーむ、でもさすがにちょっとやりすぎ感はあるな~💦
ともあれ!もちろん、RaiPlay にて見ることができますので、日本の方も、ぜひ!
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