いったい何の仕事してるか不明、と言われることが多いのですが・・・現在は数年前から行っていたライターのお仕事がメインとなっています。昔から書くことは嫌いでなかったし、このサイトの記事も1000件を超え、報酬を頂いて定期的に書いている媒体も数件あるのですが、とある案件で同じ分野での記事をたくさん書いていて行き詰ってしまいました。自分のサイト向けならガーっと勢いで書いてしまうこともあれば、ぶっちゃけ納得いかなくてもとりあえず更新しちゃうこともありますが、今回たくさん寄稿記事を書き続けていて「なんとつまらない文章なんやっ!!」と気づいてしまい・・・手を止めて、いろいろ考えている中で、ある新聞記者さんとの話を思い出していました。それもなんと16年前のこと。
その時のテーマは1400年代の画家「ピエロ・デッラ・フランチェスカ」。彼の作品が残るフィレンツェ、アレッツォ、サンセポルクロ、モンテルキだけでなく、トスカーナ州を超えてペルージャやウルビーノまでも行きました。取材の主な相手は学芸員さんや財団の方だったのですが、リミニだけは特別。教会の中にあるフレスコ画だったのでまず教会にコンタクトをとったももの、お話を聞ける方はその教会の神父さんだけだったのです。面白そうですね、とおっしゃったのでアポをとり、「神父さんとはいえ、何かしらの知識やエピソードはあるだろう」と予想していたのですが・・・出てきたのは足元もおぼつかず目線も定まっていないようなご高齢の方。何を聞いても「・・・知らない」がほとんどで、「マラテスタの後ろの犬はなぜ描かれたのでしょうね?」の問いかけに「・・・犬が好きだったんじゃないの。知らんけど」(関西人か!!)
私が響いた話は、リミニからフィレンツェへ帰る電車内でのこと。神父さんはやっぱり何も知らなかったですねー、ちょっと無駄足でしたかねー、と話ていたのですが、
でも記事で光る良い言葉というのは、こういう取材でしか聞けないのですよ。学芸員さんには作品の解説は礼儀上お聞きしますけど、ぶっちゃけそれは日本でも調べられるのでイタリアに来なくても書けることなんです。取材に来るのは、学芸員さんの個人的な思いとか、今回みたいに直接関係なさそうな神父さんがこの絵をずっと見てきて感じたこととか、会って話さないと出てこないネタのためと言っても過言ではないです。
そ、それやっ!!
私が今書いているのは、私が実体験したことやその時の感情、人との会話など、生きた内容をなおざりにしている。読者の方に役に立つ情報を!という気持ちばかりが先に立ってしまい、なんだか解説のような、教科書のような文章になっている。誰でも書ける。だからつまらない。ただ前者を先行しすぎると、個人ブログか!みたいになる可能性もあるので、その塩梅が難しい。あとは書き出しなど構成を変えるとか?でもテクニックに走るより本能に任せる部分も大事?・・・とにかく文章というのは本当に難しいなーー!!と改めて思わされ・・・いったん書いているものから離れ、この気づきをベースにゼロから考え直してみます。
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