幼稚園だけでなく、高校も ~ イタリアのインクルーシブ教育から見る社会の在り方

「大事なことを1つお伝えしておきます・・・わが校ではウロウロ徘徊している生徒もいますが・・・あ、言葉選びが悪かったですね、すいません、何が言いたかったかというと、障害のある生徒も積極的に受け入れています。障害がある生徒、ない生徒、それぞれが関わり助け合うことで、双方にプラスになると考えているからです」これは先日、長男の高校見学に行った時に聞いた、校長先生の言葉。そう、イタリアでは高校でも「インクルーシブ教育」なのです。

幼児教育視察のコーディネイトや通訳をさせていただいて、私も初めて知った「インクルーシブ(イタリア語ではインクルジーヴァ)教育=包括的教育」。つまり、身体的・精神的に障害がある人も、区別なく一緒に行うこと。今の日本ではどうなのか分からないけれど、私が学生だった頃は、小学校なら「障害児クラス」が別にあった記憶があります。今、息子たちが帰省時にお世話になっている日本の学校でも、長男の小学校のクラスでは発達障害と思われる児童がいて、半分は専任の先生がついて通常クラスに、半分は「〇〇(障害児クラス、とは言わない)」という障害のある児童のみのクラスで過ごしていました。だけど、中学校以降はそういう児童もおらず、特別クラスもなかった・・・きっと、自宅学習だったり、別な施設や学校に行っていたのかな?やはり、小さい頃なら何とかなっても、成長するにれ、大人になっていくにつれ、いろいろと難しくなっていくのでしょう。

それでは、イタリアは?長男のクラスには、2人、障がいを持った子がいます。こちらでは専門医の診察後、必要と認められた児童に対しサポートの先生がつき、もちろん周りの子が行く普通の国立学校に通い、クラス分けもなく、全て同じクラスで同じように行われる。そして、それは小学校から中学にも引き継がれていきます(同じ先生でなく、中学の教師資格を持つ先生)。そして今、長男の高校選びのために高校見学選びをしていますが、障がいを持つ生徒の保護者も見学に来られた高校学校側も当たり前のように面談を行うし、中学のサポートの先生が高校見学に同行したり、学校が決まれば中学と高校のサポートの先生が引き継ぎを行います。それが義務教育が終わる16歳以降でも、あるいは大学でも行われるのか?は分からないけれど、少なくとも高校までは完全なインクルージブ教育が行われているようです。

インクルーシブという言葉は、障がいのあるなしにかかわらず、国籍や性別、社会的弱者など、いろんなことでも適応される言葉でしょう。イタリアではインクルーシブ教育が行われている、と言っても、イタリアで人種差別や男女差別がゼロかと言うとそんな訳ではないし、インフラのバリアフリーを例に挙げれば、全然進んでないというのが私の印象である(ただし学校にはエレベーターの設置が義務付けられているようで、車いす使用の生徒がいないにもかかわらず、おらが村の学校にもエレベーターが設置されました)。先日も、フィレンツェ旧市街の石畳の穴に車いすが挟まって転倒し、頭を強く打って男子大学生が亡くなったばかり・・・。

だけど、幼少からのインクルーシブ教育のおかげなのか?国民性なのか?多様性に対する態度や弱者に対する態度は、イタリアでは非常に自然に感じるし、日本では人と違うと批判される、赤ちゃんや妊婦さんに冷たい、と、そんなニュースや体験をあちらこちらから見聞きする。インフラのバリアフリーはなくても、ベビーカーで電車に乗ろうとしているお母さんがいたら、わらわらと寄ってきて皆で手伝ってあげる。それは相手がムスリムの人でも、肌の色が違う人でも同じ。妊婦さんやお年寄りがいたら、さっと席を譲る。赤ちゃんが泣いていても、みな当たり前だから気にかけないか、あやしたり声をかける人がいる(うるさいと怒る人は誰もいない)。倒れてる人がいたら、がっつり助けに行く。イタリア人全員がそういう訳でもないし、日本人全員がそういうことをしないという訳でもないでしょうが、今回の校長先生の言葉を聞いて、やっぱり幼少から、そして思春期に入ってもインクルーシブ教育が徹底しているから、そういう社会になってるのかな、と思ったのでした。

タイムリーに出会ったこの記事、

やっぱり日本はあまり変わってないんやな、と悲しくなりつつ。そう、イタリアでは校則ないので、幼稚園からピアスとか、小学校で髪染めてたりとか、先生タトゥーしてたりとか、いろいろあります(笑)。

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