それは、前とは違う、感動や気づきがあるから
昨日、何年かぶりに読み返していたスザンナ・タマ―ロの「Va’ dove ti porta il tuo cuore」(日本語「心のおもむくままに」)を読み終えました。ストーリーの概略ですが
病気で死期が近づく老婆が、アメリカ滞在中の孫にあてる手紙の形で日記を書き始める。それは彼女自身の人生の振り返りであり、ずっと心に閉まってきた秘密や感情、後悔など・・・彼女が生きている間に孫に再会できるのか?いつこの手紙が読まれるのか?を知らないままに、最後は、迷ったときは自分の声に素直に耳を傾けるよう、愛情あふれるエールを送る。
前回読んだときは、おそらく子供がいなかったか?いたとしてもとても小さかったはず・・・なので、これからのイタリアでの人生とか仕事のこととか?いろいろと考えていた時期だったので、この本を読んだ時の私は「この老婆のメッセージを受け取った孫」の立場だったんです。ところが、今読んでみると・・・老婆のいろんな言葉、特に娘、そして孫に対して自分がとった態度に対しての後悔などが身に染みて・・・つまり「老婆と自分を重ねる」ようになっていました。なんか、自分でも「あれっ!?」ていう感じ(笑)。
自分が母となり、そして息子たちも年頃になってきた今。他にもいろいろ刺さるフレーズや、共感することがたくさんあったのですが、一番刺さったのはこれらのフレーズ(意訳)。
「私は娘になんでも自由に選ばせたかった。しかしそれは、自分はまきこまれたくない、というエゴの裏返しだったかもしれない」
「彼女を守るために、私はもっと強く行動すればよかった。それは権力でもなんでもない、強い愛の賜物なのだから」
私も基本、息子たちの「自由意思を尊重」するようにしているけど、それはただ「メンドクサイ」から?と言いつつ、時に意見を言ったりして「彼らは私じゃないんやから・・・」と凹むときも。彼らの自由に、そして見守る、いざという時に力になる。これって簡単なようで、すっごく難しいな、と身に染みていたので、余計に刺さりますね💦
これは私の例ですが、過去に読んだ本はどれも、読むときの自分の年齢や状況によって違う感動に出会えるはず。私は決して本をたくさん読むほうではないのですが、そう考えると数少ない本棚の本から、何冊か読み返したい本が出てきました。ピン!ときた本があれば、皆さんも読み返してみて下さいね。
※TOP写真はトリエステ。スザンナ・タマ―ロはトリエステ出身、この本の主人公もトリエステに住んでいます。
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