アレッツォ県北部、ロマネスク様式の傑作「サン・ピエトロ・ア・ロメーナ教会」

時代、そして地域によって、教会の建築様式も変わってきますが、皆さんが好きな建築様式は何ですか?

トスカーナで1000年~1200年代にかけて、特に地方に残っているのが、ロマネスク様式の教会。それらを巡るトスカーナ旅をリクエストされるお客様も、過去に複数いたほど人気が高く、私も大好きな建築様式です。

【テーマのある旅】ロマネスク様式の教会を巡る、トスカーナの旅

どれもキンキラの装飾はなく、清貧という言葉が似あう素朴な石造りの教会ばかり。アレッツォ県で有名なのはローロ・チュッフェンナ近郊のグロピナ教会ですが、もう1つ有名なのが、アレッツォ県北のカゼンティーノ地方ではこの「サン・ピエトロ・ア・ロメーナ教会」。プラートヴェッキオから車で5分くらい、山道を通ってたどり着きます。教会そのものの写真しか見てなかったので、プラートヴェッキオから到着した時にパーッと広大な空間が開けた時は大きな驚きと感動でした。このエリア全体が教会を中心に整備されていて、ちゃんと駐車場エリアも設けてあります。

駐車場から来た道を戻ると、右側が教会、左側にはコミュニティの各施設、バールと飲食スペース、ブックショップなどが並んでいます。もちろん、まずは教会へ。この教会が建立される前、エトルリア時代、ローマ時代から教会が存在していたと言われていますが、現在の教会が建造されたのは1152年。ここよりも北にあるラ・ヴェルナ、カマルドリの修道院を訪れた巡礼者の休憩所として使われていたそう。その後、フィレンツェを追われて近郊のポッピに隠居中のダンテや、詩人のダヌンツィオなど、文化人も多く訪れています。

中は三身廊で、それぞれに半円型の後陣が。

入ってすぐは薄暗い空間も、三連窓からもれる光で少しづつ浮かび上がって見えてきます。

ロマネスク様式の教会での楽しみは、柱頭の彫刻。人間や動物、自然のモチーフなど、どれもちょっとアニメっぽくて可愛らしいのです。全て建築当時のまま残っていますが、ある部分を除いては・・・1678年、なんと土砂崩れにてファサードと身廊の2アーチ分が破壊され、28mだった全長が21mと短くなってしまったのだとか。現在のファサードはその後に立て直されたものですが、オリジナルの装飾とは違い簡素なものになっています。

そして外は、広い、広い、緑の空間・・・果樹がたくさん植えられ、ところどころに鋳造のアートが飾られています。ここで寝転ぶ人、写真を撮る人、ヨガをする人・・・この平和と調和の空間で、皆が思い思いにゆったりと時を過ごしています。

教会の後陣に寄り添う3本の糸杉、そして前には整列したラベンダー。列の間にはベンチも設けられ、座ってこの景色を堪能することができるようになっています。まだまだ咲き始めだったのですが、あまりにもこの風景が美しくて美しくて、満開であろう2~3週間後にまた再訪することを誓ったほど。写真では分かりにくいので、少し動画も撮ってみました。

その後、バールの外で一休み・・・偶然ですが、ここにも鋳造アートを発見!隣の看板を見ると、「復活への道」として8つのアートを巡るようになっており、これは1つ目の「謙虚さ」。2つ目以降は信頼、自由、軽さ、許し、誠実さ、優しさ、そして’最後が「愛」=2つ上の写真の、草原にある作品。もう車に乗る前だったので今回は周りませんでしたが、次回は全てのアートを見て周りたいです。

そして遠方には、見覚えのある村が・・・

くっきりと浮かび上がる輪郭は、グイード家の城、そう、「イタリアの美しい村」にも加盟しているポッピです。ここからは車でたった15分の距離なので、昨日ご紹介したスティア、このロメーナ教会、ポッピと、車で1日周遊しても良いですね。

ギャラリー(クリックすると拡大します)
基本情報

公式サイト・Fraternita’ di Romena

フィレンツェからは車で1時間10分ほど。最寄り駅からは徒歩30分はかかるので、車で行くしかありません。せっかくなので、スティアポッピなど、近隣の小さな村と一緒に周ってみて下さい。

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