鬼門の1月17日と、「生ききる」ということ

1月17日というと、何を思い出しますか?その地域の方でなくとも、日本の方なら「阪神大震災」を思い出す方も多いと思います。もうあれから26年。私は当時、東京で大学生活中なので直接体験はしていないのですが、実家の家族の消息を知るために、新宿駅の公衆電話からつながらない電話を泣きながら何度もかけていたことを思い出します。幸い大きな被害はなかったこともあるのですが、私にとっては1月17日はそれ以上に悲しい出来事が起こる日なのです。もう1つは、それから3年後、実家に帰って社会人生活を送っていた時、母が瀕死の大交通事故。4か月入院し、まともに生活できるまでは1年近くかかりました(今ではそれも嘘のように元気ですが)。そして月日は過ぎ、イタリア移住してから3年後、祖父の他界。それから毎年、1月17日は何も起きてくれるなよ~と思ってしまうのですが・・・今年も、また起こってしまいました。何故か1月17日に。今年は、姉家族の愛犬チョビちゃんが天国へ旅立ったのです。

姉家族の犬ですが、日本帰省では姉家族宅によくお世話になることもあり、私たちの日本の写真には必ずチョビちゃんがいます。昔からうちの息子らがちょっかいかけたり、しつこく強引に抱っこしたりしても、我慢づよく穏やかだったチョビちゃん。庭でおっちゃん(チョビちゃんにとっては愛するパパ♥)で遊ぶ息子たちに焼きもちを焼き、周りを走り回ってアピールしたり。13歳になってからも川で泳いだり元気だったのに、9月にガンが発覚し、抗ガン剤が効かなくなってからは弱る一方・・・なんと今年に入ってからは一切食べものを口にすることができず、何とか水を飲むだけで17日間。最後は痙攣して苦しそうで安楽死を考えたそうですが、まさにその夜に、家族に見守られながら息を引き取ったそうです。

(上の写真は、2019年最後に会った時のチョビちゃん)私以上にそばにいた姉家族は本当につらかったと思いますが、「もう覚悟はできたから、楽に逝かせてやりたい」と姉が言っていたのが印象的。17日も水だけで耐えていたのは、家族の覚悟が決まるのを待っていてあげたのかな・・・最初のほうは当然、家族はみな「逝ってほしくない」と願うし、逝ってしまったら悲しみの底に突き落とされると思う。でも弱りながらも生き抜く姿を見せることで、「もう逝かせてあげたいな」という思いが悲しみよりも大きくなるまで、身を張って頑張ってくれてたのだと思います。彼女の心うちは分からないけれど、きっと幸せな充実した14年だったはず。そして最後の最後まで生ききった姿は、なんだか「みんなもしっかり生きてね!」と言われているような気もして。コロナでいろいろあるけれど、2020年から今、そして収束までの数年にフォーカスするのではなく、今をしっかり生きること、悔いのない人生を送るためは何ができるのか?チョビちゃんが身をもって感じさせてくれたこと、大事にしたいと思います。

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