2001年にイタリアに留学に来てすぐはTVがなかったのだけど、今のダンナと同棲し始めてからTVを見ていて・・・なんだこのエネルギッシュなオバちゃんは!!とびっくりした女性がいます。それがラッファエッラ・カッラ。金髪のおかっぱで、前髪は眉毛の上にまっすぐに切りそろえてある。オバちゃんなんだけどなんか体がキレッキレで、足をぴゅーんと挙げて踊っている・・・「彼女はイタリアのTVを作った人だよ」と教えてもらい、それからは懐かしのTV番組紹介のプログラムなんかで、もっと若くて美しいラッファエッラを、そしてそれからも、TV番組の司会やスター誕生系の番組の審査員なんかで見ていたのでしたが
このアイコンは決して消えることはない。スタイル、上品さ、ユーモア・・・私たちのTVの女王よ、さようなら!
(建築家・女優のパオラ・マレッラ)
つい3日前、2階のベッドで転がっていたダンナが下りてきて、「ラッファエッラ・カッラが亡くなったんだって!」そしてTVを付けると、速報でデビュー当時からの映像がずっと流れていました。確かに最近は見なかったけれど、最後のTV出演は2019年、その後は病に伏し、今までのキャライメージを壊さないように身内にしか明かしていなかったらしい・・・なので、その訃報を知るや否や?各分野の芸能人はもちろん、単なる私の友達まで、一斉というほどに彼女の死を惜しむSNSを投稿していたのです。それくらい、イタリアTV界、いや、イタリア人にはもうスター中のスターだった、ということ。
僕が何者でもない時から、僕を1人の人間として、そして90年代に誰もやっていなかった僕のカルチャーをリスペクトしてくれた。そしてかなり時が経ち、TV番組で「同僚」として出演した時に、いかに彼女が何世代にもわたり、イコンとしてイタリア人に慕われてきたのかがよく分かった。彼女の力強さ、言葉が、多くの人の助けになってきたのだ。チャオ、ラッファエッラ、あなたはスター気取りすることのない1つの星でした。
(歌手発掘の番組で一緒に審査員を務めた人気ラッパー、J-Ax)
この動画は、すでに70才を越えていたころ。18才でデビューし、白黒TVの中ではじけんばかりに踊り、歌い、女性としてのタブーや常識を打ち破り続けてきたという。へそ出しルックなどの時代のファッションリーダーであり、セクシーシンボルであり、さらに知性もあり、ユーモアも忘れない・・・イタリア人で嫌いな人はいなかったんじゃないか?と多くの人が書いていました。イタリアに住んで20年、それなりに芸能人も知ってるし、訃報もいろいろ聞いてきたけど、今回はなんだかいつもと違う・・・なんとなく、彼女のようにはつらつと明るく年を重ねたい、と思っていたのかもしれません。今ほかの同じような立場で司会やバラエティに出ている熟練女性タレントを見ても、彼女に匹敵するような女性は誰もいないし、きっとこれからも出てこないでしょう・・・。Ciao Raffaella, sono stata fortunata di averti conosciuta!
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