アブルッツォで遭遇していた「トランスマンツァ」の人たち~自分らしい生き方を模索する人たち

日本で上映会に参加した「トランスマンツァ・ツアー」は、ジェノヴァに本拠地を置くフォークバンドの3人が、農業体験の交流団体・WWOOFを通じて、イタリアの6カ所の農家に滞在して作業を手伝い、農業、働き方、そして生き方などを考えていくストーリーです。映画で訪れる農家は、州もバラバラで、野菜からハーブ、チーズなど生産品も様々。秘境のような厳しい環境下でも自らのポリシーや生き方を貫く姿勢に、フォークバンドの3人も、また彼らと同様にボランティアで来ている人たちも影響を受け、そのままそこに羊飼いとして残るミラノ人など、いろんな人の姿を映し出していきます。

そんな姿とダブって見えたのが、2010年のアブルッツォ・バカンスで宿泊した、アルベルゴ・ディフーゾ型のアグリツーリズモ「La Canestra」で会った、マルコとそのドイツ人の彼女(「アルベルゴ・ディフーゾ」と「トランスマンツァ・ツアー」を8年前に、しかも同時に体験していたという!)。確か彼はイタリア南部の出身で、WWOOFだったかは忘れましたが、同様の団体を通じてヨーロッパの農家を渡り歩き、その途中で彼女とも知り合ったそう。そして彼女と共にボランティア滞在を続け、当時は確かこの La Canestra に2か月くらいたった頃だったと言っていました。雑談している中で、「これからどうするの?」と聞くと、「ジュゼッペはとてもいい人で尊敬しているし、毎日とても楽しいのでしばらく残るかも。また時期がきたらどこかへ移るかもしれないけれど」。確か30才前後だったマリオ、日本だったらヤレ定職だ、ヤレ結婚だ、とうるさく言われる年齢でだろうけど(28でイタリア留学した私がまさにそんな感じだった)、時間をかけてゆっくりと、自分に合う、自分が納得できる生き方を探しているようで、ちょっと衝撃的で、ちょっとうらやましいとも思えました。

同じ農業という分野では、2年前に視察通訳で行ったローマの農家2軒、そしてそこを訪問した日本の有機農園・けのひの北原さんご夫婦、最近では移民に有機農業を教えながら活動を続けるおらが村の農家、おじいちゃんの家を自分でコツコツリフォームして山に戻ったフランチェスコなど、そういう姿を身近に見てきました。農業だけに限らず、私自身も、まだまだ自分らしい生き方を模索し続けていくのなーと、これまた自分を見つめ直すきっかけにもなったのでした。

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