この1か月と何も変わらない、家族だけの自宅でのパスクア。それでもランチは伝統に従って、定番のメニューを食べるのだ!と、前日にラグー(ミートソース)を仕込み、前日に忘れたパンを焼くために早く起きて仕込み、そのままタリアテッレを打って、ラムとアンティチョークを揚げる。いつものおらが村ワインも残り少ないし、と、我が家の小さなカンティーナから、奮発してアンペレイアのワインを開ける。デザートは市からもらったコロンバと、やっと買えた卵チョコ。
ラム肉を揚げている時に、朝に聞いていた「乾杯タイム」になったので、裏庭のテラスに出る。うちは長屋で、それぞれの家が家の幅だけ後ろにながーい斜面の庭を持っていて、大体の人が2階部分をテラスにしている。階段から、声掛けをした隣人のエウロおじさんの音頭で「Buona Pasqua!」と全部で5家族で乾杯をした。「何か祝辞でも言いたいところだけど、感極まっちゃったからまた来年ね、あ、来年はこんな風にイースター迎えたくはないけどね」なんだか私も感動しちゃって、キッチンに戻ってまたラム肉を揚げながらちょっとうるっときてしまった。
タリアテッレも美味しくできた。嬉しい。
ラム肉はこれの倍量があったんだけど、やはりこの写真分だけで皆おなか一杯。イタリアに来たばかりの頃、クリスマスや復活祭の家族ランチでマンマはすごい量の食事の準備をしていて「なんでこんな量するんやろ!?」と思っていたけど、今日はなんとなくそれが分かった気がした(笑)。
19時からは、前から楽しみにしていたアンドレア・ボチェッリのミラノ・ドゥオモでの無観客コンサートをYoutubeで視聴。きっと後からでも見られたのかもしれないけど、この復活祭の日に、ぜひライブで聞きたかった。見逃した方は、ぜひ。
家族が健康で、一緒にパスクアを迎えられたことに感謝。いつもだと、特に私はカトリック教徒でないから余計気にしないのだけど、復活祭とは金曜日に十字架刑で死んだキリストが復活する日。TOP写真は、このピエロ・デッラ・フランチェスカの(アレッツォ県の彼の故郷・サンセポルクロの市立博物館蔵)「Rissurezione(キリストの復活)」。力強く立ち上がる、前を見据えるキリストに、イタリアを重ねて見てみたい。うん、立ち上がれるはず、きっと立ち上がれるはず。希望を持たずにはいられない。