アレッツォ県東部の町・サンセポルクロは、端正なスタイルで日本でもファンが多い15世紀の画家、ピエロ・デッラ・フランチェスカの故郷としても有名です。旧市街の小さな広場には、こんな風にピエロの像もありますよ。旧市街は小さく、メインストリートに見所が並ぶ観光もしやすい町で、アレッツォからバスで1本なので比較的アクセスも簡単なので、1日~半日観光にもおススメの小さな村です。
伝説では、巡礼者である2人の聖人が聖遺物を祭るための小さな礼拝堂を建設したことから、サント・セポルクロ=聖なる埋葬地、と呼んだことが名前の由来になっています。その伝説の記述は1266年、この地の書記官によって書かれています。丘に囲まれた立地、現在でも各州の交わるところという立地から重要地とされ、中世でがミラノ支配下にありましたが、その後リミニ、教皇庁、そして1441年にメディチ家のフィレンツェに統治され、その頃に建設されたものが今に残ります。
まずは村一番の見所である市立博物館へ、ここではピエロの作品が4つ=ミーゼリコルディアの祭壇画、キリストの復活、聖ジュリア―ノ、トロ―ザの聖ロドヴィーコ、があります。
キリストの復活は、私が2017年3月に行った時は修復中でしたが、こんな風に見られるようになっていました(現在は周布rく完了しています)。さすが博物館の看板的な作品ですね。時間によっては、まさに修復最中の様子が見られたかもしれないので、お昼の時間帯で作業はやっておらず残念でした!ピエロの作品の他にも、アンドレア・デッラ・ロッビアの色彩テラコッタや、ポントルモの作品など、小さいながらも充実した展示内容となっています。
ピエロファンが絶対はずせないのが、ピエロの家=ピエロ・デッラ・フランチェスカ財団です。財団と言ってもピエロを紹介するパネルや動画の投影などが一般公開されている建物で、事務所の一角にはピエロのフレスコ画も残っています。スタッフの方は親切で、いろいろ教えてくれますよ。そして見逃してはいけないのが、最上階にあるパノラマポイント。窓が額縁のようになり、そこに現れる旧市街はまさに絵画のような美しさです。
その他に、サンセポルクロに本社を置くハーブ製薬会社ABOCAの、見ごたえたっぷりの薬草ミュージアムがあります。観光客は少なくとても落ち着いたしっとりした町なので、喧騒に疲れた方にもぴったですよ。
ギャラリー(クリックすると拡大します)
基本情報
【観光協会】
Associazione Vivere a Borgo Sansepolcro
【行き方】
SI381番のバスでアレッツォバスターミナルより約50分、同じ路線で、 モンテルキやアンギアーリなどにも行けます。
バスSI381番の時刻表や路線図はこちら
「Download line timetable and map」をクリックすると時刻表がダウンロードできます。
バスの乗り方などは、こちらの記事を参照ください。
ハイヤーご希望の方は、こちら をご覧ください。ピエロのもう1つの傑作「出産の聖母」があるモンテルキとセットになった1日ハイヤーツアープログラムもあります。
電車とバスで行くアテンド付きツアーもありますので、自分たちだけで行くのが不安な方は、ぜひどちらかにご参加下さい。
愛すべき、美しい30の村
飾らない、ありのままのイタリアへ!人口や景観など、「イタリアの最も美しい村」協会が設けた厳しい基準を満たした村だけが加盟を認められる「イタリアの最も美しい村」。その中から、イタリア在住20年以上、トスカーナ州の田舎町に暮らす著者が、“忘れられない”30の村をセレクト。古きよきものが息づく小さな村の魅力を、旅先での出会いやエピソードをちりばめながら綴る。
本の詳細はこちら
「フィレンツェから日帰りで行ける!トスカーナの小さな村10選」
「トスカーナのおうちごはん春夏編20レシピ」
「コロナ・ロックダウン緩和直後のイタリア・フィレンツェ記録写真集(モノクロ版)」
「コロナ・ロックダウン緩和直後のイタリア・フィレンツェ記録写真集(カラー版)」
「トスカーナのおうちごはん秋冬編20レシピ」
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