トスカーナ群島最大のエルバ島から一番近い島が、このピアノ―ザ島。エルバ島だけでもすごいきれいな海なのに、ここは更に色が明るい水色でまさに異国の雰囲気満載。滞在先のラコーナからも近い、マリーナ・ディ・カンポからフェリーでたった45分ということもあり、行程に組み込みました。2社ある運行フェリーのうち、私たちは毎日運航のAquavision社で予約。予約番号はあるのですが、結構アナログな仕組みで、まずはマリーナ・ディ・カンポのアクアヴィジョン事務所に支払い&チケット引き取りへ。
そこからフェリー乗り場まで徒歩で15分かかるので、早め早めで行動!
ピアノ―ザ島は車乗り入れも禁止なので、当然乗客のみ。この日は木曜日だったので他社の運行もなく、まさにこのフェリーに乗っている人(とピアノ―ザ島ホテル宿泊者)以外の訪問客はいないという・・・
なので、レストランなどの納品も、すべてがこのフェリーを使って行われます。
少し行くと、後方にエルバ島の全景が見えてきます。そしてさらに行くと、前方にピアノ―ザ島が見えてきますが・・・え、あれれ?
ご覧のように、超~まったいら!!それもそのはず、ピアノ―ザの名前は平(ピアーナ)から来ており、一番高い所の海抜はたった29mなんです。ちなみに面積は、たったの10,3 km²。現在は一般人が自由に歩けるのは東側海沿いにある港、町、カーラ・ジョヴァンナのビーチだけで、それ以外は立ち入り禁止の保護区域となっています。
港から出て、右側の道を進むとビジターセンター、そこから海沿いに歩ける遊歩道でビーチへ。
そしてこんな看板も見つけました。エルバ島、特にピアノ―ザ周辺はイルカに出会えることでも知られていますが、なんとウミガメも!イルカに比べてさらに確率は低いそうですが、「もしこんな跡を見つけたら24時間体制の1530に電話を!」=ウミガメの産卵の印なので、ツーリスト・海の家・清掃車などが卵をつぶさないために、ビーチ所有者と電話先の国立公園や環境保護団体のスタッフを呼び、速やかに保護の措置が取られるようにするためのものです。
さてこの美しいビーチ、遠浅のこともありますが更に透明度が半端なく、ここはカリブか南太平洋か?というような異国の雰囲気満点です。カーラ・ジョヴァンナビーチの奥(北側)は、浅いながら岩場も多く、スノーケリングにぴったり!浅いからお子さんでも大丈夫だし、ただの水中眼鏡でも十分魚が楽しめます。岩場に囲まれた空間は、まさに自然の水槽と言う感じで、たくさんの様々な魚が見られました。ただ、浅いゆえにお腹を岩でこすったりしがちなので、気を付けて泳いでくださいね。
フェリーの乗客しかいないとはいえ、1つしかないレストランが混むのが心配でしたが、全く大丈夫でした。レストラン前には大きな空間にテーブルやベンチも数席、または敷物を敷いてピクニックも可能~こんなパノラマを見ながらだと、何を食べても美味しく感じるに違いありません。
持ってこなかった人も、レストランでテイクアウトのパニーノや四角のピッツァもあります。店内、そして裏側の外にもテーブルがあり、楽々で座って食事ができました。食後は、消化のためにも町をブラブラ・・・まずは、有名な刑務所から。
ピアノ―ザ島は1856年から流刑の場所として、そして1977年~2011年は政治犯やマフィアのボスなどが収容された刑務所でした。この刑務所のおかげ?で、ピアノーザ島とその周辺には刑務所関係以外の人は立ち入り禁止の孤立した島だったため、その自然がほぼ手つかずのまま残りました。現在はガイド付きツアーも行われているようですが、私たちが行った時は閉まっていました。
かつての郵便局は現在ピアノ―ザ保護協会となり、かつてのピアノ―ザ島の様子を写真パネルなどで紹介しています。面白かったのは、太古の昔、モンテクリスト島以外のトスカーナ群島は本土とくっついていたこと、そして刑務所に収容されていた有名に人物の紹介~後の大統領サンドロ・ペルティーニや、弁護士・警察官を殺害したマフィアのボスなどなど。
この元郵便局とたった1軒のレストラン、カラビニエーリ(国防警察官)以外の建物は、全て廃墟。かつては刑務所に勤務していた人?や、囚人の農業研修にあたっていた人など、囚人以外の住民がいたようですが、刑務所の閉鎖と共にみんな移住したのでしょう。クリスタルブルーの海と、この廃墟のコントラストがとても印象的でした~ギャラリーに廃墟写真を掲載していますので、廃墟好きの方はぜひご覧ください(笑)。
町を抜けると、カーラ・ディ・トゥルキと呼ばれる入り江があります。この洞窟の入り口は3つあり、うち1つは人工的に開けられたものですが、残り2つは長い歴史の中で自然に開口したもの。立ち入り禁止なので肉眼では見られませんが、この周りではピアノ―ザ島が形成されたころに存在した動物の化石が見られるそうですよ。
フェリーが付いた港の横には、スペーコラ宮と壁に囲まれた旧港が。ともにピアノ―ザが流刑地となった、1800年後半の建築です。アラブの雰囲気も漂うちょっと異国風建築ですが、残念ながら大きな修復もされぬまま、現在は見学なども行われていません。
私たちは町歩きの後、最後の海水浴を楽しみ、17時の帰りのフェリーへ乗船。マリーナ・ディ・カンポ発着の場合、10時30分着で17時発なので、滞在時間は6時間半・・・まだ日も長いのに、もうちょっと遅い便だともっと楽しめるのにー!と思いましたが、マリーナ・ディ・カンポから宿に帰ったら結局19時になっていたので、これくらいでちょうどよかったかも。
エルバ島だけでも見どころがいっぱいありますが、この独特の雰囲気と海を堪能したい方はぜひ!時間とフェリーコストもかかりますが、特別な1日が過ごせますよ。
ギャラリー(クリックすると拡大します)
基本情報
【行き方】
エルバ島から:毎火曜日にリオ・マリーナからToremar 社、毎木曜日にマリーナ・ディ・カンポからAquavision社のフェリーが運航。夏季は毎日、マリーナ・ディ・カンポからAquavision社のフェリーが出ています。
ピオンビーノから:毎火曜日にToremar 社(リオ・マリーナ経由)、土・日・月にAquavision社のフェリーが出ています。
マリーナ・ディ・カンポからは30~40分、リオ・マリーナからは1時間50分、ピオンビーノからはAquavision社・約2時間、Toremar 社・約2時間50分(リオ・マリーナ経由)。
【エクスケーション】
自由に行けるのは、港と港降りて右側にあるカーラ・ジョヴァンナビーチ、左側にある町のみ。あとはガイド付き有料の各エクスケーションになります。1時間半の町散歩から2時間~の古生物学トレッキング、遺跡トレッキング、バスやロバでの島観光、マウンテンバイクツアー、カヤックツアーなど。詳細はトスカーナ群島国立公園ピアノ―ザ島ページから、Look at the program of the guided tripsをクリックすると英語のプログラムPDFがダウンロードできます(現在のリンクは2020年がリンクされていますので、2021年度以降はピアノ―ザ島ページを参照ください)。
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