フィレンツェ共和国のシンボル、Marzocco マルゾッコ

フィレンツェに来たことのある方から、そしてシニョリーア広場を訪れたことのある方なら、見たことがあると思います。そう、マルゾッコとは、シニョーリア広場・ヴェッキオ宮殿にあるライオンの像のこと。フィレンツェのシンボルがライオン?ヴェネツィアじゃないの?と思われるかもしれませんが、このマルゾッコは中世後期からすでにフィレンツェ共和国のシンボルであり、その権力と政治的独立を表すものでした。マルゾッコはかのドナテッロも製作し、オリジナルは現在バルジェッロ美術館にありますが、今もヴェッキオ宮殿前にそのコピーが置かれています。

マルゾッコという名前の起源は諸説があります。1つは「martius」=ラテン語で戦いの神・マルスから、もう1つは「martocus」=小さい神、のこの単語を短縮したもの。もう1つは、フィレンツェ共和国ができる前のロンゴバルド族の支配下で、「marh(=馬)+zuccòn(守る)」のランゴバルド語であったという説。これはライオンではなくて馬なのですが、当時の町の守護動物ではすでにアレッツォが馬を採用しており、同じものを避けるためにライオンに変えたけれど名前はそのまま残った、というものです。なぜライオンか?ですが、これはスコットランドと大きな関係~フィレンツェ共和国建設すぐ後、イングランドからもローマ教会からも独立した政治を貫いていたスコットランド王ウィリアム(ライオンを紋章に用いたため、獅子王とも呼ばれる)と思想を共有し、敬意を持っていたからだそう。また、フィレンツェの市章とスコットランドの王冠のモチーフが同じ百合であることからも、その深い信頼関係が伺えますね。驚くべきことに、フィレンツェでは実際にアフリカから取り寄せたライオンを30頭ほど買っていた時期があり、ヴェッキオ宮殿裏の通りが「Via dei Leoniが(ライオン通り)」というのも、そこにライオンが飼われていたからだそうです。

ということで、ヴェッキオ宮殿内外では、マルゾッコがあちらこちらに。写真上は地上階の像。また、ランツィのロッジア、そしてサンタクローチェ教会前のダンテ像も、マルゾッコに守られるようにして立っています。さらに、ヴェッキオ宮殿のアルノルフォの塔てっぺんをよーく見てみると、ここには前足を上げて旗を支える「風見マルゾッコ」があります。これは現在はコピーですが、オリジナルは現在200人の間の入口近くに置かれていますので、ヴェッキオ宮殿訪問の際はぜひお忘れなく。

この風見マルゾッコには面白い言われがあります。

“quando il leone piscia in Arno, o piove o fa danno”

ライオンがアルノ川におしっこすると、雨が降るか災害が起こる

ライオンがアルノ川におしっこする、というのは、北側から風が吹いて風見マルゾッコが南のアルノ川を向くことです。つまり、北風が吹くと雨が降る、という天気予報。おしっこをする、っていうのがまぁなんとも下品な言い方ですが、面白いですね。次回フィレンツェに来られる方は、あちらこちらで見られるマルゾッコ像と、アルノルフォの塔の風見マルゾッコで天気を予想してみてくださいね!
ちなみにコーヒー関係者の方なら、マルゾッコはこれかもしれません・・・

プロ仕様のエスプレッソマシーンメーカー La Marzocco。私も今回初めて知ったのですが、なんとフィレンツェ、厳密に言うとフィレンツェ圏北部の私の生活圏の田舎町にあります!ほんとにイタリアってば、世界的メーカーが田舎にあるのでびっくりすることが多いです(笑)。

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