イタリアの現代科学の父、さよならピエロ・アンジェロ

もう1か月以上前になりますが、イタリアでは著名なピエロ・アンジェロ氏が93歳でこの世を去りました。著名な・・・と言っても、職業を一言では表せないのですが、元々はRAI(国営放送)のラジオ記者。それからTVの方へ移り、外国特派員などジャーナリストとして活躍しますが、1980年代から科学を中心にした教養番組の司会および制作に関わり、イタリアでは「現代科学の父」?彼本人が科学者ではないのですが、科学を分かりやすく興味を持ってもらえるように解説する彼の番組により、科学をより一般人に身近に感じることができるようになったのです。

私が移住してきた20年以上前からあった番組 Superquark、なんとこれの前身となるQuarkは1981年の開始=40年の超長寿番組。一般人の追悼のコメントでは、「この番組で科学に興味を持てた」「科学って面白いと思えた」、という感謝の言葉が続々と。私はゴリゴリの文系なので正直この番組は見てませんでしたが、それでも番組自体は知っているくらい、とても有名な人気番組だったのです。そして彼が亡くなってからも、まだSuperquarkは放映中・・・というのも、死期を間近に感じながらピエロは最後までこのシーズンの録画をやりきったというのですから、身体の衰えはあったとしても魂は本当に強靭だったのだな、と思います。

そして彼自身が逝った後、彼と同じく文化の伝道者として執筆やTV番組の制作・出演を続ける息子アルベルトから、彼のメッセージが公開されました。こんなものまで周到に準備していたとは・・・なんだか、自分が亡くなった時に見てくれと何ページもの遺言(お金の分け方、墓石のデザインまで!)を書き、14年前に他界した舅を思い出しました。

親愛なる皆さん、70年を共にしてきた皆さんともう一緒にいられないことを、とても残念に思います。でもそれは、自然の営みなのです。これまでの人生は世界や人類の本質を知ることができた、私にとってとても刺激的なものでした。とりわけ私の幸運は、知り合った方々が私を助けてくれたおかげで、人間が発見したいことを発信することができたことです。科学、そして合理的でかつ人間的な方法で問題に対峙するメソッドの恩恵もあります。長く病に侵されながらも、私の全ての番組とプロジェクト(ピアノのジャズアルバムという個人的でささやかな満足まで)を終えることができました。環境とエネルギー問題に関する学校向けの16回のシリーズも。濃厚で素晴らしい冒険は、偉大なる俳優、協働パートナー、技術者、科学者たちのおかげで実現することができました。私のパートでは、私が学んだことを語るように努めました。親愛なる皆さん、私は私のパートを果たしたと思います。皆さんも、この私達の困難な国のために、それぞれのパートが果たすよう努めて下さい。大きなハグを。

長い、そして濃厚な93年を全うされたことか・・・現在の問題が山積なイタリアを「私たちの困難な国」と表現したことに、ハッとさせられます。私はイタリア人でもないし、国籍も持ってないけれど、家族はみなイタリア人。私のパートって何だろう?もちろんこの人のような大それたことはできないけれど、自分の生き方を考えされられます。

ちなみに上の動画は、上述の息子・アルベルトのコメントです。親子であり、同じ仕事をする同僚として数々のコラボレーションもしてきた彼。まさに公私を共に歩んできただけに、その辛さや寂しさは計り知れないものがあるでしょう。しかし、それ以上に、この最後の時期にやりたい事、やるべき事を全部やり遂げた姿にはとても感銘を受けたそうで、その彼の子であることを誇りに思っていることがよく伝わりました。

【イタリアのTV】土曜夜・ゴールデンタイムのお楽しみ~「RAI1 ULISSE」

こちらにも書いていますが、アルベルトはピエロとは違って科学よりも歴史や文化系のドキュメンタリーが専門。ピエロと同じく、とても分かりやすい口調なので、イタリア語を学習している方はお葬式のコメントの動画や、上記シェアの記事にリンクの動画などを見てみると、勉強になると思います!

イタリアTV界のアイコン、ラッファエッラ・カッラが逝く

ほぼ1年前、ピエロ・アンジェロと同様に国民的スターだったラッファエッラも亡くなりました。私もイタリア生活が長くなり、それほどTVを見ていなくとも昔から知ってたり好きな芸能人の訃報を聞くと、やっぱり寂しくなりますね・・・。

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