ラ・ヴェルナのサントゥアーリオは、アレッツォ県北のカゼンティーノ地方、国立公園にもなっている自然に囲まれた中にあります。サントゥアーリオは直訳すると「聖域」、キリスト教の中で聖人が修行をした場所や伝説が残る礼拝堂などにつけられていますが、ここはあの聖フランチェスコが聖痕を受けたゆかりの地。なので、ローマ法王や世界中から巡礼に訪れる人もい多い場所なのですが、信者でなくとも、修道院や美術鑑賞をしたり、トレッキングをしたり、いろいろ楽しめる場所となっています。
車で到着すると、標識が出ている森の方へ、そして聖フランチェスコの像が迎える門を入ります。
先を進むと、左側に受付(Portineria)、右側に食堂(Refettoio)がありますが、食事をしない方はまず先へ進みましょう。アーチをくぐった後、まずあるのがブックショップ。クロスのペンダントやフランチェスコの絵画などの宗教的ものから、ここの修道院で作られるリキュールなどの製品、絵葉書やラ・ヴェルナの名が入った陶器などもあるのでお土産探しにも良いです。
その先は教会や礼拝堂が並ぶ一連の複合施設。右側は聖痕の回廊と名付けられた長い廊下で、右は一面に聖フランチェスコの生涯を描いた絵が並んでいます。フランチェスコは1215年頃からこの地に通い出し、ここで1224年に聖痕を受けたそう。絵を追っていくとその場面も出てきますので、じっくり鑑賞してみてくださいね。一方、左の上は全て窓になっています。私たちが行った時は曇りでしたが、ここから入ってくる光や、それに照らされる廊下はさぞかし美しいでしょう。
一番奥は、ロッビア工房の色彩テラコッタも見事な「聖痕の礼拝堂」や、数々の小さな礼拝堂や祈祷所が並んでいます。
回廊から出て広がるのは大きな広場、テラスと反対側にあるのが大聖堂。
行った日は祝日だったこともあり、1日に何度もあるミサなのに入れ替わる人の波がすごかったです。大聖堂内部にもロッビア工房の色彩テラコッタや、奥の部屋には聖フランチェスコが着用していた僧服も展示されているので、ミサの合間にぜひ見学して下さいね。
大聖堂の右奥にあるのが、サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会で、ここにもロッビア工房の作品が。フィレンツェやピストイア、アンギアーリなどにもロッビア工房の作品はたくさん残っていますが、これだけ狭い区画にこれだけの大きな作品が多数残っているのが驚きです。その奥は小さなミュージアムとなっており、ここで使用されていた典礼用具や絵画などが展示されているほか、使用されていた食器、更に薬草使用の生産で使われた用具なども展示されています。※ミュージアムの開館は日曜・祝日のみ、10時~12時、14時~17時になります。詳しくは下記の公式サイトでご確認下さい。
冒頭に書いたように、ここは訪問者が誰でも利用できる食堂があります。料金はプリモ・メイン・付け合わせのフルコースに250mlワインと水入れて、一律で大人1人18ユーロ・子供半額で、なんとお代わりも自由!!案内されて席に着くと、まずパスタのソースの種類(トマト、ミート、オリーブオイルかバター)を聞かれます。パスタの後は、セコンドの肉のグリルを持ったおばちゃんが周ってくるので、欲しいものとその個数を言うとお皿にサーブしてくれますよ。私たちが行った時には、鶏肉、鴨肉、豚肉、腸詰ソーセージと4種類もありました!
付け合わせはシンプルなサラダかポテトフライ。これは各テーブルに一皿持ってきてくれました。ここでカッフェが欲しい人はバールカウンターで別途、そしてここまでがっつり食べなくても良い、という人は同カウンターでパニーノも頼めて座って食べることもできます。その後にトレッキングに行く人は、トレッキング途中で食べても良いですね。他にも水などの飲料と簡単なお菓子やお土産も売っています。
そして、時間のある方にぜひおススメしたいのが、修道院裏手にあるペンナ山のトレッキング。トレッキングと言っても、上り下りで1時間あれば楽しめる気軽なものです。トレッキングコースの入り口は、大聖堂のある広場に行く手前右に標識がでています。あとは、岩や木に記されている赤白のマークを辿って行けばOK。
下に2軒、そして頂上にも1軒小さな礼拝堂があり、いろんな僧がここで祈りをささげていたことを想像すると、信者でなくとも信仰の尊さを感じてしまいます。特に頂上からは雄大な自然が眺められ、それを見ながら自然と神とのかかわりも感じていたのかもしれません。
秋にはイタリアで一番美しいとも言われる紅葉や、各季節の野の花や木の実なども目を楽しませてくれますよ。
こんな風にいろんな楽しみ方ができるラ・ヴェルナですが、公共機関は乏しいので、ハイヤーで1日かけて、あるいはポッピや同エリアの別の修道院・カマルドリと一緒に周ってみてくださいね。
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基本情報
La Verna – Santuario Francescano
【行き方】
ラ・ヴェルナのふもとの町キウージ・デッラ・ヴェルナへは、アレッツォからビッビエーナまでTFT鉄道で45分(時刻表)ビッビエーナからはTiemme社のバスH11番(時刻表:ビッビエーナ→キウージ・デッラ・ヴェルナ、キウージ・デッラ・ヴェルナ→ビッビエーナ)かH12番(時刻表:ビッビエーナ→キウージ・デッラ・ヴェルナ、キウージ・デッラ・ヴェルナ→ビッビエーナ)で約45分。バス停があるので修道院まで行くバスも夏はあるかもしれませんが、いずれにしても不便なので、ハイヤーで行くのがおススメ。ハイヤーについてはこちらをご覧ください。