モンタルチーノから車で15分程度、、山々とチプレッソ(糸杉)そしてオリーブが点在する緑の平野にひっそりと佇むのが、このサンタンティモ修道院。TOPの写真は教会の後ろ= 後陣と鐘楼の後ろ側ですが、どこから来てもまずは後ろ側から教会を見ることになります。ここから道はぐるっと教会の左側を回りますが、目の前に広がる草原に駆けたくなったら草原から入って後ろから眺めるも良し、まずはやっぱり正面に回って中に入ってみるのも良し。
一般的には、 カール大帝が自軍とともにアミアータ山近くでペストに感染した時、その治癒と願い、その願いが叶った事を感謝して、この修道院を建設したと言われていますが、実際の歴史はもっともっと古いそうで・・・元々あった建物の歴史は、352年に死去したアレッツォの聖人アンティモ まで遡ります:信者たちは殉死した場所に小さな礼拝堂を建設。770年頃、 ロンバルド族 は、同じ場所にタオ神父にベネディクト修道士会の修道院を建設するよう命じます~これが現在の修道院の始まりです。その後781年、カール大帝はローマからの帰り道に建設中のこの修道院に印を与え、息子である ルドヴィーゴディピオ による814年12月29日の公文書から分かるように、この修道院はたくさんの貢物と特権が与えられ、“皇帝の修道院”となったサンタンティモ修道院は発展を続けます。
外から自然光だけの(夜は分かりませんが昼間は自然光だけでした)内部に入ると、最初は暗くてよく分かりませんが、目が慣れてくると、後陣から放たれる光に浮かび上がる簡素な十字架、柱・・・ なんともいえない荘厳な美しさ。以前、ミサなどで修道士によって歌われる グレゴリオ聖歌 が低いボリュームで流され、信者でなくとも神聖な気持ちにさせられます。入って右側の身廊奥(祭壇手前)にある小さな階段を下りて クリプト(地下礼拝堂) を、そしてトスカーナでは数少ない 2重後陣 (祭壇の後ろも通行できる)を周って教会内を一周できます。
中も素敵ですが、個人的にツボだったのは、外のあちこちに隠れている動物たちの像。
体は2つ顔が1つの猫?やら羽の生えた羊人間?牛に半漁どん?キュートなキャラクターがいっぱい。周辺を周りながら彼らの姿を探すのも面白いです。
またファサード向かって右側の庭にハーブ薬局があります。ただし10年ほど前に修道士さんはいなくなったため、民間の会社が経営しているもの。サンタンティモ修道院の商標を持っている製品、というだけで、ここの修道士さんが作ったものではありません。とはいえ、自然原料を使ったハーブソープやクリームなどのスキンケア、飴やハーブティーなどの品ぞろえが良いので、興味のある方はぜひ寄ってみてください。
そして、目の前に広がる原っぱで休むのがまた格別!。天気が良い時は、大人も原っぱでごろごろ&カップルはいちゃいちゃ(笑)、子供たちはおっかけっこやサッカー、ピクニックをしている人もいましたよ。
そして周りには、樹齢何百年もあるオリーブの木が何本もあって圧巻!
後陣に向かって左上の丘に見える小さな村は、Castelnuovo dell’Abate(カステルヌォーヴォ・デッラバーテ) 。
なにがどうという村ではないですが、路地や一般家屋の窓&玄関周りが可愛らしい。ボルゴの大きさに見合った小さな教会もありました。
そして見て頂きたいのが、この村から見下ろす修道院の姿。
ぱぁっと開けたそのパノラマにまたうっとり・・・上から見ると、 修道院が雄大な緑の自然に抱かれて、周りと調和しているのがよく分かります。
ギャラリー(写真をクリックすると拡大します)
基本情報
【公式サイト】
Abbadia di Sant’Antimo
現在は修道女さんによるミサがあります。ミサの時は参列される人の邪魔にならないよう、リスペクトを持って見学して下さい。
【行き方】
シエナから114番のバスでモンタルチーノ乗り換え、0P1番でカステルヌオーヴォ・デッラバーテ下車、そこから徒歩15分ほど。ただし本数が少ないので、モンタルチーノに滞在していればバスでも行けるかな、という程度。あとは車がおススメです。
バス114番の時刻表や路線図はこちら
バス0P1番の時刻表や路線図はこちら
「Download line timetable and map」をクリックすると時刻表がダウンロードできます。
バスの乗り方などはこちら 👇 👇 👇
バスの本数は本当に少ないので、オルチャ渓谷の他の村などとハイヤーで効率よく周るのがおススメです。ハイヤーについてはこちらをご覧ください。
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