ピサ近郊・ポンテデーラ「PIAGGIO博物館」で、ヴェスパとアぺに恋をする💛

ピアッジョ、と聞いても「何それ?」だと思いますが、「ヴェスパ」と聞けばきっと誰もがピン!と来る有名なスクーター。イタリアのシンボル的なものはたくさんありますが、少なくともモーター産業界ではイタリアを代表する名モデルであることは間違いありません。その証拠に、先日RAI1(国営放送メインチャンネル)でヴェスパ誕生物語のドラマが放映されたばかり。

そんなヴェスパを生産するモーターメーカー=ピアッジョは、ピサ県のポンテデーラに本社があります。創業は1884年、現在はなんとヨーロッパいち、世界でも第4位のオートバイ製造メーカー!博物館は2000年にオープン、かつてピアッジョの一大工場だった場所の一角にあります。

このエリアは1920年初頭に設立された、ピアッジョの一番古い工場施設の1つ。かつて従業員が行き来していた入口から入り、奥の博物館に進みましょう。

累計で70万人が訪れ、2018年にリニューアルされたばかりの博物館は、5000㎡、展示はなんと250台!二輪の博物館ではイタリアいちの規模を誇っています。しかし、門をくぐってすぐにはプロペラ機、そしてエントランスには電車?というのも、ピアッジョ創業はジェノヴァ、オートバイでなく船舶・鉄道関係から始まったのですが、第一次世界大戦頃から航空機分野にも参入しピサ近郊に拠点を置いたのです。それが現在のピアッジョの始まりで、第二次世界大戦後にエンリーコ・ピアッジョのもと、かのヴェスパが誕生するのです。

エントランスに入ると大きく2つに分かれ、左側入ってすぐは特別展。私たちが訪問した時には、FUORI PORTAというヴェスパとイタリアの食を絡めた展示が行われていました。

写真左手前、生まれたばかりのヴェスパが世界的に有名になるのが、映画「ローマの休日」。主人公がヴェスパに乗ってローマの町を巡るそのシーンは、誰もが思い出すものですね。いかにしてヴェスパを世の中の人に知ってもらうか?エンリーコと女性従業員がローマの撮影現場に乗りこみ、売り込みをした逸話も上記のドラマで再現していました。

第二次大戦後、エンリーコ・ピアッジョはドイツ軍に占拠され被弾した工場を立て直し、戦後のイタリアで「1人乗りで安く動ける車両」を模索します。その第一段が1944年に誕生した、この「パペリーノ=あひる」。しかし、これではスカート女性はまたぐことはできない・・・その問題を解決したのが、1930~40年代に活躍したエンジニア、レンツォ・スポルティ。座席前にあったモーターを後輪脇に着けることによって、座席前に空間を設けたのです~これが、あのヴェスパの誕生につながります。

そしてこちらが、パペリーノを改良したヴェスパ=蜂。レトロな雰囲気がたまらない・・・

ヴェスパ、という1機種をとっても現在まで70年以上の歴史があり、様々なモデルが誕生しました。そんな変遷を追っていくのも楽しく、そしてカラフルでキュートなモデルにはもう、メロメロ~!で、写真を撮りまくってしまいます(笑)。

そしてヴェスパは一般車だけにはとどまらず、武器を積んだフランス軍からの特注仕様や、スピードコンテスト仕様、そして写真のプロペラ付き?・・・なんとこれは1967年、映画「007」のための特別モデル!ヴェスパ180モデルを改良し、陸海空で使えるものになっています。

その他にもアーティストとコラボした変わり種ヴェスパもたくさん!そして・・・

なんと車!?1957年に製造されたヴェスパ400はフランスの工場で約3万台生産され、イタリアでは100台程度しか流通しなかったそう。結局、車製造は早すぎたということで打ち切られ、もはや伝説の車に・・・しかしこの車、今も世界中に愛好者がいる、かのフィアット500が生まれる4か月前に発表されたんですって・・・もっとちゃんと売ってれば(笑)、500ではなく、この4輪ヴェスパが今も名声を誇っていたのかもしれません。

ヴェスパコレクションの横には、史料室が。ガラスケースには過去の資料や品々、そしてパネルには当時の会社や工場の写真が掲げられています。写真はヴェスパ生みの親・エンリーコ・ビアッジョ。ヴェスパの、ピアッジョの歴史と言うよりも、戦後イタリア産業史にまつわる貴重なものばかり。工場内に従業員の子供が通う学校を創設するなど、家族まるごと面倒を見るこの地域一番の企業であり、かなり進んだ会社経営だったことも分かります。

そしてエントランスから右側に行くと、ピアッジョのもう1つの顔である自動三輪・アぺ=ミツバチ、のコレクションが・・・今でもイタリアの田舎には欠かせない可愛い奴!元々は貨物用にヴェスパの後ろに籠を載せたことが始まりなんですって。これはなんと、消防車仕様のヴェスパ!この他にも、海外特別仕様ヴェスパなどこちらも胸キュンモデルがズラリ・・・インスタなどで写真をUPしてもかなり人気のアぺ、ここに来たら皆さん卒倒間違いなしです(笑)。

その他にも、ペダルを踏んでモーターを稼働させる「チャオ」や、

現在ピアッジョ傘下に入った重量バイクのアプリリア、こちらはバイクレースでも有名ですね。46は1998年ヴァレンティーノ・ロッシが乗って優勝したもの!

アプリリアと同様、ピアッジョ傘下に入ったモト・グッツィや

ジレラなど、バイクファンにはヨダレ物のコレクションとなっています。

そして最後は、ブックショップへ!キーホルダー3ユーロから、革ジャンなどの高価なものまで。もちろんヴェスパのミニチュアモデル、Tシャツなどいろいろあって、何を買うかめちゃくちゃ迷います。長男はヴェスパ型のキーホルダー、私は冷蔵庫に貼るマグネットセットを購入しました。

予想以上に楽しくて興奮しまくったピアッジョ博物館。じっくり見れば2時間以上かかりそうな充実っぷり。2003年にはイタリアの最優秀産業博物館に選ばれています。

ギャラリー(クリックすると拡大します)
基本情報

Museo Piaggio
Viale R. Piaggio, 7  Pontedera (PI)
Tel : +39-0587-27171

火~日・10:00–18:00(日曜日は第二・四のみ、7~8月は毎週日曜オープン)
祝日特別開館日:2019年12月8日、26日、31日(31日は10:00–13:00)・2020年1月1日(11:00–18:00)、4月13日、4月25日、5月1日、6月2日
※ブックショップは17:30クローズ
月曜定休

入場無料(喜捨)

【行き方】
フィレンツェから直通電車で約50分、ピサから直通電車で約20分、Pontedera-Casciana.T駅下車、徒歩5分。電車の乗り方などはこちらを参考ください。ピサ観光の前後にぜひ!

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