イタリア語では「Acqua di San Giovanni」(イタリア語でヨハネはジョヴァンニ)。数年前にマルケ州の野草や薬草に詳しい友人・YukikoさんがSNSで投稿していて知ったもの。これはフィレンツェの守護聖人でもある聖人ヨハネの日=6月24日の前日の晩、に仕込むものなので、今までは日本にいてできずにいたのです。幸か不幸か今年は日本帰省はなくなったので、念願の聖ヨハネの水にチャレンジすることができました!
そもそも「聖ヨハネの水」とは、いったい何でしょう?
夏至が過ぎた後の聖人ヨハネの日(6月24日)を迎える夜は、かつてより「魔法の夜」とされ、神の怒りを鎮める儀式や、浄化の儀式が行われていました。この夜は新しい美しい季節の始まりであり、自然には最大のエネルギーが満ち溢れます。その一方で、干ばつや激しい嵐、植物の病気などで、収穫が危ぶまれる季節でもあるのです・・・その魔よけのために、太陽を意味する火を使った祭りを行い、また月を意味する水、つまり聖ヨハネの水を準備します・・・この魔法の水は、幸運、健康、愛をもたらし、また病気・天災を遠ざけ収穫を守るとされています。
花は毒性がなければ何でも良いのですが、必須とされているのがこの黄色い「西洋オトギリソウ」、別名・聖ヨハネの花。あるかなーと裏山に行くと、ありました、ありました!その他、ラベンダー、ジャスミン、バラは家の庭から、それ以外は野の花で。ハーブは家にあるミント、セージ、タイム、そして庭にボーボー生えてるフェンネルを。そしてドキドキしながら水を入れ、裏庭のテーブルに置いておきました。
ほんとにマジックナイトだったのか?いつもより朝は早くに目覚め、まだ涼しいうちに裏庭へ・・・手を入れると、香りがプンプン!そして冷たくて、とにかく気持ちいい・・・で、どこで顔を洗おうか迷いましたが、あまりに気持ちいいのでそのまま庭で。古代から伝わる慣習だそうですが、これはタダの言い伝え・伝説でなく、ホントに効用がありそうな気持よさ。肌もつるっつるでいい香り!手、いや、腕にも水をくぐらせ、最後は櫛を入れて髪をとかし、前身に良い香りとエネルギーが宿りました。
ロックダウン中から野の花を摘みだし、スワッグを吊るす嫁に、「今度はコレかー!」とからかってきたダンナでしたが、私が顔を洗って恍惚としていると、「・・・オレもやりたい!」やって(笑)。最初は手を浸していただけなのに、顔にもバシャバシャ、「これはいい!」とご満悦。ね、言うたやんか。
浸しておいた花を水から出して並べてみると、なんと20種!あとからバジルやローズマリーもあったな!?あ、公園にあるピンクの花も入れ忘れた!と気づいたので、来年はもっと豊かなものができそう。この花とハーブ、あまりに美しくて捨てるのがもったいないので、ドライにして瓶に入れて飾りたいと思います。
という訳で、我が家初の「聖ヨハネの水」。予想通り、いや予想以上に素晴らしいものでした。日本でも近所に野の花やハーブのある方は、ぜひお試しくださいね。
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