地域社会協同組合「Parco Vivo」、アミアータ山の源泉所見学とトレッキングへ行こう!

オルチャ渓谷の南西部、トスカーナ第二の山であるアミアータ山の中腹にある小さな村、ヴィーヴォ・ドルチャ。ダンナばーちゃんの村で、年に4~5回の滞在をこの19年繰り返していますが・・・典型的な過疎の村でもあります。初めて行った19年前は、ホテルは2軒、夏は毎日のように広場で催しがあり、老いも若きも一緒になって、踊ったり歌ったり、とても活気があったのですが、今はホテルも廃業し、若い人は移住し、近年この村で生まれる新生児は0かよくて1人。老人か、彼らを世話する外国人ヘルパーさんだらけになっています。

古の集落は静寂の癒しスポット、ヴィーヴォ・ドルチャ

とはいえ、村を愛する若い世代もいます。そして昨年、この危機的な状況を危惧したダンナの幼馴染たちが一念発起し、「地域社会協同組合・Parco Vivo」を結成したのです。

地域社会協同組合については、こちらでも詳しく紹介しています。
「地域社会協同組合」で資産を守り発展する、トスカーナ地方集落の挑戦

オルチャ渓谷内にありながら、戦中の爆撃で石造りの旧市街もなく、歴史的モニュメントもない(あるのですが、私有)。その中で「宝」ともいえるのが、アミアータ山の自然、そしてそこから湧き出る水!このエリアの飲食店やグルメの方には「ヴィーヴォの水」として有名なほど、美味しい水の産地。そして、シエナの命により森の中に建てられた源泉所が、今もなおシエナ、オルチャ渓谷、キアーナ渓谷に水を供給し続けています。源泉所は今まで夏の夜のイベントでのみ公開されていましたが、現在はこの地域社会協同組合が許可を得、予約の上、いつでも見学ができるように!・・・ということで、私はすでに夜に2回行っていますが、ヴィーヴォが田舎のフィレンツェ・ローマの幼馴染家族14名でプログラムに参加しました。

私たちは一番近くの駐車場から。このエリアには「水のトレッキングコース」「源泉のトレッキングコース」があり、どこからでもアクセスできるのですが、いずれにしてもほとんどがご覧のように整備されていて歩きやすい道。一部に急な坂道もありますが、私たちのグループでも7才の女の子、またすれ違う別のグループでも70才くらいのお年寄りがいましたので、よほど歩けない方でない限り、問題ないと思います。ほとんどが木陰になっているので涼しいですが、水とタオル、歩きやすい靴と上着(源泉所内は18度前後で寒いです)が必要です。

歩いて約20分で、源泉所に到着。コース脇に柵と小屋があり、ここでガイドさんが待っていますので、間違うことはありません。この源泉所の建設はなんと1931年。鉄筋コンクリート製で、100年ほどたった今もオリジナルのまま残っており、今も休まず立派にその役割を果たしています。

そんな歴史は、10人いる創設者&会員であり、親愛なる友人であるキアーラが語ってくれました。TOP写真は、キアーラと同じくダンナの幼馴染であるディエゴ、協同組合の会長さんです!夫婦ともにヴィーヴォ生まれのヴォ―ヴォ育ち。ディエーゴはヴィーヴォに事務所を構える土地測量士、キアーラは隣町のアッバディアで働きながら、お父さんの材木所も手伝うキャリアウーマン。会員はみな仕事を持つ人たちばかりですが、地元への愛着とこれからを危惧してこの協同組合を立ち上げ、現在はトスカーナ州の助成金を受けてプロジェクトを遂行し、軌道に乗るまではほぼ無償で活動を行っています。

一通りの話を外で聞いたら、いよいよ中へ入ります!全長約70m、左側が水が流れ出ている岩そのまんまになっているのです。

中でも少しは話せますが、動画の通り音がすごい&寒い(笑)。

一番奥の岩場はとにかく水量がすごくて本当に圧倒されます。しかし、なんでこんなに水が出てくるのか?アミアータ山は実は火山で、上半分が水を通す岩なのですが、真ん中あたりから水を通さない粘土質と地質が変わるのです。そのため、その境にいくつもの小さな湖が自然発生していたとか。さらに詳しい説明は、ぜひ現地でガイドさんから聞いてくださいね。

源泉所前の広場のカウンターには、ガジェット販売とヴィーヴォの水の歴史がつづられた本が。建設時には最大250人の労働者が従事していたという、この歴史的な写真にジーンときてしまいますね。

そして源泉所の他にも、もう1つの見どころが・・・それは、森の中にたたずむロマネスク様式の教会・エルミッチョーロ。

正式名称はサン・ベネデット教会、カマルドリ派の教会です。現在はチェルヴィーニ家の私有となっているので、地元民でさえも中を見たことがないそうなのですが、ヴィーヴォの人にはおなじみの場所。木々からこぼれる光は神々しく、簡素な石造りの教会がどんな金銀細工よりも輝いてみえます。

そして、教会の向かいにある2つの小屋はかつての栗乾燥庫。アミアータ山は栗の木が多く、栗はここで乾燥・粉ひきされ、栗粉によるパンやお菓子は大事な栄養源でした。現在は閉鎖されていますが、ここも協同組合で管理し、乾燥庫を再現したミュージアムやラボラトリーにするプロジェクトがひそかに進んでいるそう。

他、同じアミアータ山にあるサンタ・フィオーラの源泉所も彼らが管理していますが、こちらは中が細長くて狭いため、コロナ禍下の今は距離が保てないため見学停止。プログラム化されたものは、現在はヴィーヴォの源泉所見学と+ガイド付きトレッキングですが、これからいろんなプログラムを増やしていく予定。私も全面的に、応援+日本からのお客様のサポート&提案をさせて頂きます!ヴィーヴォ以外のオルチャ渓谷周遊やアクティビティと組み合わせ、他ではできない希少な体験でこのエリアをより深く知って頂きたいです。

ギャラリー(クリックすると拡大します)
基本情報

PARCO VIVO
※まだ事務所はありませんので、サイトの会員電話番号がメールがコンタクト先です。日本語で問い合わせは私が行いますので、下記のボタンよりご連絡ください。

【行き方】
ヴィーヴォ・ドルチャへは1日に数本バスが出ていますが、不便なのでレンタカーかハイヤーが必須です。オルチャ渓谷・アミアータ山(シエナ側グロッセート側)・マレンマなどの観光と組み合わせてお越しください。行きたい場所、やりたいことなどご希望をお伺いし、トータルでコーディネイト&必要であれば通訳アテンドいたします。

【プログラム(いずれも英語ガイド可能、日時は要相談)】

◎源泉所ガイド付き見学=無料
源泉所現地集合、現地解散。下記のParco Vivoの印の手前に駐車場あり(散策路に車進入禁止のバーがあります)、そこから徒歩で約20分+源泉所ガイド見学約20分+駐車場まで下りで約10分、合計1時間弱です。

◎トレッキング+源泉所ガイド付き見学=1人5ユーロ
下記のParco Vivoの印の手前に駐車場に集合、最短ルートでなく、森のガイド聞きながらトレッキング約1時間しながら源泉所へ+源泉所ガイド見学約20分+駐車場まで下りで約10分、合計1時間30分、2時間みておけば大丈夫です。

イベントとして立てている日時以外でも、2人以上で希望に合わせて催行できるよう調整します。

お問合せ&お申し込みは、こちら

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