イタリア料理と言えばパスタ。スーパーで市販されている種類だけでも十何種類、そして現地でしか食べられないような郷土パスタもいれると、数百もの種類があると言われています。
そしてトスカーナの郷土パスタもいろいろありますが、その筆頭ともいえるのが、この「ピチ」。シエナ県を中心とした、トスカーナ南部のパスタです。歴史は古く、エトルリア時代から記述があるそうですが、エリアによって呼び名が異なります。ピチの呼び名にも諸説ありますが、手だけで伸ばして成型して、生地が手にくっつく=appiccicare(トスカーナ方言でくっつく)からきているそう。同じような太目の長麺でも、ロンバルディア・ヴェネトのパスタ・ビーゴリとの違いはまさに作り方で、手だけで作るピチと違い、ビーゴリは型から出して作られます。
モンティキエッロの料理教室でピチ作りを見ましたが、やはりこのダニエーレの手付きは素晴らしい!イタリアのレストランでも、パスタ工房から仕入れることがほとんどだとか・・・コックさん自ら大量に打つには、ちょっと手間がかかるパスタです。
さて、こうしてできたピチのソースは?昔は玉ねぎとオリーブオイルだけを和えていたそうですが、今の食べ方は
- アリオーネを使ったトマトソース
- パン粉をまぶしたブリーチョラ
- チーズと胡椒のカーチョ・エ・ぺーぺ
- または各種肉のラグーソース
今回、私はアリオーネが手に入ったので、
一念発起して、ダニエーレの教えを思い出して作ってみました。初回にしてはまずまず、思ったよりは時間はかかりませんでした。トマトソースは、フレッシュトマト、ホールトマト、トマトピューレ、またアリオーネも半分に切る、まるごと入れる、みじん切り、そして砂糖、酢などを入れるもの、ミキサーにかけるもの、トマトの形を残すもの・・・本当にいろいろありましたが、私はシンプルにアリオーネを存分に楽しめるかな、と、まずは下記の方法でやってみました。共通点は、アリオーネに色がつかないようにじっくり火を通すことです。
手打ちピチは大変でも、やはり手打ちの美味しさは格別!今度はカーチョ・エ・ぺーぺも食べてみたい!・・・てことで、食い気には敵わず、また作りたいと思います。
材料(4人分)
【ピチ】
◎小麦粉(イタリア00、日本だと中~薄力粉)・250g ◎水・200㎖ ◎塩・ひとつまみ ◎オリーブオイル・適量
【アリオーネトマトソース】
◎アリオーネ・4かけ ◎トマト・8個 ◎オリーブオイル、白ワイン、塩・適量
作り方
1.ボウルに小麦粉、水、塩を入れてよく混ぜ、まとまったら台でこねる。
2.4等分にして丸め、麺棒で1㎝ぐらいの厚みに伸ばし、表面にオリーブオイルを塗ってラップで覆い、30分~1時間寝かす
3.生地を寝かしている間にソース作りとお湯を沸騰せておく
4.アリオーネの皮をむき、半分に切り、オリーブオイルをひいたフライパンで弱火で炒める
5.両面に火が通ったら、白ワインを入れる
6.白ワインがなくなったら、少量の水(分量外)を入れて蓋をし、じっくり火を通す
7.6.に櫛切りをしたトマトを入れ、蓋をして弱火で煮る
8.7.が煮えたら、ハンドミキサーで滑らかなソースにし、フライパンに戻す
9.8.を塩で味調整、ソースがゆるければ煮詰め、かたければ後でピチのゆで汁を加えて調整
10.4.の生地を1㎝くらいの幅に切り、台の上で両手でこすって伸ばしながら、うどんのような麺にしてゆく。(上のビデオのダニエーレさんのやり方は、私には難しかったです)
注意!!は、くっつかなければ、台に粉はひかないこと。粉がついたり、生地が乾いていると、うまく伸ばせません。麺には少し粉を振って、台や他の麺とくっつかないように。
11.10.を茹でて、ソースに絡めて、出来上がり!ゆで時間は出来上がった麺の太さによるので、味見しながら調整して下さいね。
また、お子さんなどにんにくの味が苦手な方がいる場合は、7.でアリオーネを入れずに、その方の分だけトマトだけでソースを作ってください。うちは子供2人なので、まずはトマトの半分をソースにして別のフライパンに入れ、残り全てをソースにして元のフライパンに戻しました。
アリオーネを存分に楽しみたい方は、粉チーズもNGです!
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