アリオーネという野菜をご存じですか?イタリア語を知ってる方なら、あるいはパスタ好きの方なら、アーリオ・オーリオ・ぺペロンチーノ、でご存じかも?「アーリオ=にんにく」に拡大辞 -one が付いた単語なので、大きなにんにく?と想像していただけると思います。または、南トスカーナを旅したことのある方なら、Pici all’agione というパスタの名前をご覧になったことがあるかもしれません~ピチはシエナ県を中心とした南トスカーナの郷土パスタで、これに絡めるソースの定番ですが、おそらく大半の人が、アリオーネ=にんにくがたくさん入っているソース、と思っているのでは?かくいう私もその1人で、以前に手打ちピチを習うここの料理教室で、
「アリオーネという巨大にんにくがあるんだよ」と教えてもらったのでした。そして「とても希少なものなので一般には手に入りにくい」とも言われていたし、実際に見たこともなかったのですが・・・この春、コロナ禍の今結成されたフェイスブック・コミュニティ「io compro toscano!」で、アリオーネの生産者さんを知り、今回、直接訪問して購入することができたのです!
アリオーネの生産地は、アレッツォ県南部~シエナ県東部にまたがるキアーナ渓谷。そう、フィレンツェ風ビステッカで有名な高級牛・キアニーナ牛の産地。その陰に隠れて?のもう1つの特産品なのですが、それはただ大きなにんにく、ではなく、にんにくにはない特徴があります。
- デリケートな味
- 臭みがない
- 胃にもたれない
いくつか生産者さんを見つけたのですが、ばーちゃん村に行くほぼ道中にある、モンテプルチャーノの農家さんへ。アポを入れ、更に直前に電話を入れ、自宅にある倉庫に連れて行ってもらいました(というのも、オーナー女性は10日前に出産したから!)
チャットで聞いたのは、1つ200g~で、キロ18ユーロ。なので、だいたい4~5個で1キロになります。しかしこれは標準サイズで、小さい150gくらい(直径6㎝)のものから、なんと特大サイズでは800g(直径10㎝!)にまで成長するそう!ってことで、その一番デッカイのを見せてもらったのですが・・・
で、でかっ!!!!
私も手のひらに乗せてもらいましたが、ずしっと重い。笑えるくらいデカくて重い。アリオーネはキアーナ渓谷以外でも生産はしていますが、キアーナ渓谷エリアの土壌が一番適しているようで、他の地域のものはここまでは大きくならないそうですよ。興味ありそうな友人にも声をかけて、全部で標準サイズを3キロ購入して、自宅で早速調理してみることにしました。
1かけ、がこんなにデカい(笑)。
皮をむくと、なんかつるん&テカテカ。収穫してすぐの新鮮な状態だからなのか?それともこういうものなのか?
そしてスライスしてみると、じゅわっとみずみずしさ満点!スライスしても(当たり前ですが)デカい。にんにく大好きなダンナがこれを生のままパクっと食べましたが、「・・・うまい!にんにくとは全然違う旨さ!!」・・・私は生はちょっと勇気なかったので、ボンゴレのパスタに。いつもはみじん切りですが、味が分かりやすいようにスライスで入れてみました。確かに、刺激的な味はなく、とってもまろやかでほのかな甘みさえ感じられます。「一度アリオーネを食べ慣れたら、普通のにんにくには戻れない人もいる」というのに、なんとなく納得。
そして左のお皿+上の瓶ですが・・・にんにくの芽!生のはなかったのですが、こうしてオイル漬けにして販売しているので、こちらも購入してみました。もらったパンフレットにあったレシピ通りに、パンにペコリーノチーズ(羊乳チーズ)のスライスをのせてチーズがとろっとなるまで焼き、にんにくの芽をのせて・・・オイル漬けというより甘酢漬けに近い感じで、これが濃厚なチーズにとっても良く合う!!
ということで、しばらくはアリオーネ続きの我が家です。野菜なので、日本に持って帰ることができないのが残念!
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