イタリア全土がイエローゾーン、一部ホワイトゾーンになり、コロナ規制もかなり緩和されてきました。昨年は様子見の感じがありましたが、今年は昨年の経験もあり、規制緩和とともに「待ってました!」ばかりに一気に動き出した感じです。そうなると、時期的にもやはり、話題は夏のバカンス。都市バカンスもありますが、イタリア人はやはり海、または山のアウトドアバカンスがメインです。近年は海メインのバカンスの我が家ですが、10年ほど前は海も山も両方楽しむバカンスを楽しみました。その第一弾が、ちょうど1年前に書いたアブルッツォ州バカンスです。
そして、アブルッツォが楽しすぎ、翌年2011年も同じように海山両方楽しめる州・・・として、白羽が立ったのが、フリウリ=ヴェネツィア=ジュリア州。イタリアの北東の端、オーストリアとスロヴェニアに国境を接しています。こちらはアブルッツォよりも更に進化して?海→都会→山の三本立て+スロヴェニア遠征も。海外の人からすると比較的マイナーな州なので宿泊施設や食事代も安く、特に山は最高に美しく・・・すっかり気に入ってしまい、その後、冬に2回スキー旅行に来たほどです。このサイトを訪れる方はトスカーナ好きの方が大半と思いますが、フリウリもめちゃくちゃいいですっ!興味を持たれた方は、下記の回顧録をぜひ参考にしてみて下さいね。
ビーチはグラード、旧市街も素敵
海の滞在は、ヴェネト州からフリウリに入ってすぐのグラード。ここは行きの道中が長いので、できるだけ近い西の方ということで、リニャーノ・サッビアドーロと迷ったのですが、旧市街の写真が素敵だったのでグラードを選びました。そして遠浅の砂浜、という条件で選んだのですが・・・なんだか砂というよりも泥(笑)。というのも、ここはかつてリニャーノとくっついて潟を形成していたようで、下の地図のように、今も間にいくつもの小島が浮かんでいます。
海はただ子供たちとビーチで遊ぶだけ&ホテルは3食付きだったので外食もなく・・・グラードに滞在の決め手となった、旧市街の様子をどうぞ!
建物の石が白くて、トスカーナの石造りの街並みとはまた違う&オサレ感あり!で感動!散策は夕食後だけだったのですが、街並みを見たり、小さなヨットハーバーがあったり。
グラードはあとで紹介するアクイレイアの外港で、ローマ時代から栄えていたそう。こんな風に旧市街の中に遺跡がどどん!と残っていたりもします。
都市は世界遺産のアクイレイア、州都のトリエステ、そしてゴリツィア
海の滞在が終わった後は、都市観光パーツへ。まずは、グラードより10キロ北上した世界遺産の町・アクイレイア。なんと紀元前181年に建設の古代国家で、その繁栄の様子が今も見られます。メインはこの大聖堂で、とにもかくにもモザイクに圧倒されます。大聖堂以外にも、運河やその港、墓地など、わりあい広範囲に広がっているので、ゆっくり見ると半日はかかります。詳しくはこちらで。
そしてアクイレイアから東へ、州都トリエステに向かう途中に寄ったのが、このミラマーレ城。
トスカーナで「城」というと、要塞のことが多いのですが、これはまさに一般的なお城!ミラマーレとは海を臨む、という意味で、その名前通り、海に面して建てられています。この城の主は(残念ながらイタリア人ではなく)オーストリア大公のマクシミリアン。この地がオーストリア領であった1856年~60年の間に建てられました。詳しくはこちらで。
トリエステには3泊したのですが、トリエステ自体の観光は2日したかな?という程度でした。しかし、海に面した巨大なウニタ広場や運河、その周りの建物は、オーストリアの香り漂う優美なものばかり。丘の上にあるサン・ジュスト教会やサン・ジュスト城、またローマ劇場遺跡などもあります。私たちは子連れだったので、港近くにある(しょぼい・失礼!)水族館と、有名なトラムに乗りました。
なので、トリエステ満喫!という訳でもなかったのですが、とにかく一番感動したのがこちら・・・歴史的カフェのサン・マルコ。
本当に偶然ですが、この上にあるアパート、サン・マルコに宿泊しており、あれ、素敵そうなカフェ・・・と除くと「歴史的カフェ」のステッカーが。調べると、トリエステは文化人が通った歴史的カフェが多くあり、また日本でもおなじみの「illy」やエスプレッソの見本市も開かれる、カフェの町。ああ、今度行く時は歴史的カフェ巡りしたい・・・と思うほど、本当に素敵な空間で、そしてスタッフの方もとても気さくで、子連れでも夢見心地の時間を過ごすことができました。
では残りの2日は何してたん?というと、1日は私たち夫婦が一番見て見たかった、戦争の悲しい遺跡「リジエラ・ディ・サン・サッバ」。第二次世界大戦中、政治犯の拘留と殺害のためのナチス強制収容所、およびユダヤ人のためのトランジットキャンプとして使用された場所で、ベニーニの映画「ライフ・イズ・ビューティフル」の撮影にも使われました。
その後は南下して、ムッジャという港町へ。旧市街のこの広場がとにかくかわいい!そして食事は漁業組合の直営である La Terrazza で、新鮮なシーフードを~💛
もう1日は国境を越えて、スロヴェニアもピランへ。旧市街の中も美しいですが、何よりもこの景色が見たくて・・・どこからの景色か?と観光案内所のヘタレ英語でなんとか聞き出し、やっとたどり着くことができました。
そしてトリエステからの移動日も、またしてもスロヴェニア遠征で、トロッコ列車+徒歩で訪れる大型の鍾乳洞ポストイナと岩に埋もれたお城を訪問・・・ここは鍾乳洞、お城の他、両生類博物館とかアドベンチャーパークなどいろんな施設が立ち並んでおり、一大観光地になっています。
その後は北西に移動し、まさにスロヴェニアとの国境の町・ゴリツィアへ。ここはまさに泊まるだけだったのですが、国境が通る新ゴリツィア駅前広場で国境をまたいだり、これまた優美で雰囲気のあるヴィラが並ぶ街並みを散策して楽しみました。宿泊のB&Bもよかったですよ。
中も外も美しかった聖イニャツィオ教会ですが・・・私の記憶では「玉ねぎ教会」になっています(笑)
山はタルヴィージオを拠点に、湖はスロヴェニアにも
長い旅行だったので、思い出はいろいろあるのですが、大ヒットは山滞在のこの宿です。タルヴィージオの町から5キロのド田舎にあるのですが、何と言っても安い!(2011年当時、広いアパートが朝食付きで1泊50ユーロ)、オーナー夫婦が最高!ヤギなどもいて子供たち大喜び!そしてほぼノープランの私たちだったのですが、タルヴィージオの観光館内所がめちゃめちゃ優秀で、アッと言う間に子連れで楽しむ山滞在プランが完成したのです!
まずはフジーネ湖。上下2つの湖があるのですが、趣が違って2つとも楽しめます。もう絶景に癒されまくり。そしてギャラリーに写真掲載のルッサリ山、ここはのちに冬にスキーでも訪れましたが、山頂に教会と集落があります。
ちょっと調子に乗って、山トレッキング・・・でしたが、次男をおんぶリュックで背負うダンナに、長男に肩車をせがまれた私・・・炎天下の中、死にそうでした・・・そんな辛い思い出もありながら、モンタージオ平原の美しさ、ふもとにある乳製品工房、牛の放牧など、まさにザ・山の3日間を大いに楽しみました。
そして最後のスロヴェニア遠征は、風光明媚なブレッド湖。スロヴェニア屈指の観光地らしいですが、それも納得の美しい景観、そしておじさん大丈夫?と心配になるほどの、手漕ぎ遊覧船で、島を訪問できます。写真は湖畔にあるお城からの眺め。
更に食では、あ、あのサン・ダニエレの生ハム祭りへ!私たちは友人家族と合流したのもあり、作っと散策して食べただけですが、生ハム生産者訪問や、ワークショップなど多彩なプログラムがあるんです!!ああ、これは本当にリベンジしないと・・・詳しくはこちらで。
食べ物もいろいろ美味しいものがありますっ!
そんなこんなで大満喫のフリウリ=ヴェネツィア・ジュリアの周遊。余談ですが・・・実際には世界遺産の町チヴィダーレ・ディ・フリウリにも行ったのですが、カメラ不調で写真が一枚もないという!!ここへのリベンジを含め、未踏のウーディネ、パルマノーヴァなど、他にも行きたい場所もたくさんあります。
長い回顧録になりましたが、皆さんのフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア旅の参考になれば幸いです。
ギャラリー(クリックすると拡大します)
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