フィレンツェ県在住者がフィレンツェ市立博物館1年間入り放題パス、フィレンツェ圏カードを購入してから、時間を潰すのはいつも博物館。今回は、ヴェッキオ宮殿に行ってきました。ドゥオモやウフィッツィも好きだけど、その町の歴史を一番感じられる政治の場、フィレンツェの場合はこのヴェッキオ宮殿が一番好きなのです。今回は、ちょうど期間限定の展示会があった、という事もあって。
こういった展示会は、いつも決まってこの百合の間で行われます。壁の一面はギルランダイオによって描かれていますが、本来は、ヴァチカンの大仕事が終わった芸術家たちを総動員して依頼していたそう。結局、仕上げたのはギルランダイオだけで、残りの壁は金でフィレンツェの紋章が埋めつくされ・・・もし依頼どおり芸術家たちが作品を仕上げていたら、百合の間でなく別の名前になっていたでしょうね。
この間には、ドナテッロ作の「ジュディスとホロフェルネス」もあります。この展示会のため全体の照明が暗く、作品だけライトアップされていたので、浮かび上がる彫刻はますますドラマチック。
さて今回の展示会は、ニューヨーク在住のイラン人アーティスト、アリ・バニーサドルのもの。この百合の間に大型作品4点と小型2点が展示されていました。展示会のテーマは「Beautiful lies」。うち3点は、ダンテ没後700周年を記念して、フィレンツェ市からバニーサドルに神曲をテーマに依頼されたものだそうです。
薄暗い中に浮かび上がる作品は、カラフルでありながら、なんとなく「不気味」な雰囲気も。近づいてみると、人間だか動物だか分からないようなキャラクターが無数に描かれています。バニーサドルの作品の源泉は、全て故郷であるイランでの幼少の思い出から。戦争が日常であったころの、音、閃光、空気などがフラッシュバックし、その「秩序ある混乱」をキャンバスに表現しているのだそう。「美しき嘘」という全体のテーマや、各作品の「アンダーワールド」「デビル」「SOS」などを見ていると、まさに今のコロナ禍の状況と重ね合わさずにはいられません。
ここで作品を見ていて・・・これ、どっかで見たような・・・と思ったら
バルディーニ博物館でも同時開催でした。バルディーニ博物館は常設展示物にも1つ1つの説明パネルがなく、アリの作品もすっかり溶け込んでいたこともあって、すっかりバルディーニのコレクションの一部だと思っていたのです。
あとで調べようと思って、一枚写真を撮っておいてよかった(笑)。
日本からイタリアに渡航が出来るかわかりませんが、フィレンツェ在住の方、欧州在住でフィレンツェにこられる方、8月29日まで展覧会は開かれているので、ぜひ。
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