※こちらの記事は2018年までのもので記録として残しています。2019年秋よりの新機器でのご案内はこちらをご覧ください。
フィレンツェ北部の私の住む村では、11月になると町の中心地はゴトゴトゴトゴト、と低い振音が響きます。それは、オリーブオイルの搾油所。昔ながらの製法を用いる搾油所は近年だんだんと減っていますが、ここは何百年と続く地元の貴族家系が伝統的な製法を保持してきた搾油所なんです。近代的施設の搾油所だと、行程が全て機械の中で行われるため、オリーブを投入するところとオイルが出てくるところしか見られないような所もありますが、この搾油所では投入から洗浄、潰し、絞り、オイルとなって出てくるまで、全ての行程を見学することができます。
このあたりでは、一般家庭でも数十本、数百本もオリーブの木を持っていて自分たちのオリーブオイルを作るのが結構普通。農家の人でなくとも収穫が終われば、オリーブオイルの搾油所に持っていきます。まずは収穫したオリーブの実を投入し、オリーブの重さをはかります。こんな風にオリーブが葉っぱごと入れられ、中央にある穴から中に吸い込まれ・・・それにしてもすごい量!
そして中に入ると長い四角い筒があり、さっきオリーブが放り込まれていた場所からオリーブを吸い上げていきます。そして、そこから先はオートマチック?にゴトゴトゴト、と水で洗われ、実と葉が分けられて いきます。水から出てきたオリーブの実、ご覧の通りもう葉っぱがありません。そこからまた下の通路に吸い込まれていくのですが、今度はその隣の隣の部屋に移動し、見学の目玉が登場します。
ゴロゴロゴロゴロとすごい音 とともに目に飛び込んできたのはこんな光景。おそらく、さっきのここへオリーブが到着して石でつぶされていきます。なんかただの作業場にも見えますが、ここの 油っぽい重い空気、そして充満するオリーブの匂い、石臼の音・・・圧巻です!
石でつぶされたオリーブペーストは、作業員によってディスクに塗って積み上げられていきます。そのディスクの重なった円柱を機械に入れ、圧縮するとペーストの部分からじゅ~っと実汁が! それはどこに流れていくのかというと、真ん中の部屋。狭い搾油所ですが、部屋の高低差を利用してうまくつくられています。実汁をうけるタンクからこ遠心分離機にかけられ、水分と油分に分けられます。
円柱の機械から搾り出された実汁はまだ赤茶色のに、オリーブオイルとして分けられたものの 緑の鮮やかなこと!! 流れ出てくるところに直接パンを出してつけて食べたかったくらいです。最後は、おそらくオリーブの実を納品した人の個人のタンク(半透明のプラスチック容器だったり、ステンレスの牛乳を入れるような容器だったり様々)に流れていきます。
エキストラ・ヴァ―ジン・オリーブオイルになるのは実の約16%(オリーブの出来などによって上下します)、つまり実100キロでオイル16キロができる換算。そう考えると、とっても貴重な「オリーブのジュース」。この搾油所でもオリーブをオーガニック農法で生産しており、見学の後はテイスティングと購入もできます!この時期だけしかできない、搾油所の見学、そして新オイルを味わいに、ぜひお越し下さいね。
ギャラリー(写真をクリックすると拡大します)
基本情報
【見学期間・料金】
オリーブの収穫時期以降になりますので、 一般的に10月末~12月頭くらい まで(搾油所が稼動しているか確認が必要 )。搾油所の予約状況にもよりますが、月~土はフル稼働、日曜は休み。
通訳付き見学 は、お1人40ユーロ 、お2人の場合は 1人30ユーロ、 3~5人の場合は 1人25ユーロ となります。 ワイナリーと合わせて見学の場合、合計金額より1人あたり10ユーロの割引 となります。
【行き方】
フィレンツェ駅から直通電車で約45分 (Borgo S.Lorenzo 行き・Pontassieve 経由)、 Contea-Londa 下車。最寄り駅からは3キロありますが、月~土は駅~ロンダまで市バスがあります(基本的に電車の時間と連携していますが、ない便もあります)。また月~金に朝にフィレンツェ発&夕方にロンダ発の直通バス(木曜除く)があり、フィレンツェ駅前 バスターミナルより直通バスで約1時間 20分、 Londa 下車。電車についてはこちらをご覧ください。バスはレプッブリカ広場に着き、ここで私がお待ちしています。バスの時刻表は こちら 。バスについてはこちらをご覧ください。日曜日と祝日は、フィレンツェからの直通バス&最寄り駅からのバスがありませんが、こちら に宿泊いただければ、チェックイン&アウト時、最寄り駅の送迎付きになります。
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