オルチャ渓谷の小さな村・ ヴィーヴォ・ドルチャ が一番賑やかになるのが、秋の「きのこと栗の祭り」。通常 10月の第二・三週末に行われます。トスカーナ南部の春と秋のイベントに合わせて運行される蒸気機関車・ TRENO NATURAのプログラムにも入っており、地元民はもちろん、フィレンツェやローマから、近年は外国人観光客もちらほら見かけるようになりました。
この村があるアミアータ山の森では、栗とキノコがたくさん収穫されます。祭りの日には町の広場にて栗・キノコや地元の特産物が買える屋台や屋外食堂がオープンし、 栗とキノコづくしのメニューが味わえます(予約なしでは席がないほどの人気です)。
こんな立派な生のポルチーニは、町のスーパーや八百屋ではなかなか見られません!観光でいらっしゃる方は食堂でポルチーニメニューを堪能するか、乾燥ものをお土産にするといいと思います。
祭りの最終日・10月第三日曜のみ、住民による “木こりのパリオ” が行われます。パリオ=優勝旗のことですが、イタリア各地で行われる町の地区対抗競技自体を指して使われることが多いです(有名なのは シエナの競馬のパリオ ですね)ここは村なので、地区は2つ、赤の “Pian delle Mura” と、黄色の “Caselle” 。
パリオが始まる17時の前になると、広場で入場準備を始めるオーケストラや選手たち、そしてかつての農民の恰好をした老若男女が集まってきます。そうなってくると、会場に移動して場所とりをしないといけない時間! 会場は古の教会の前なので、皆ぞろぞろと広場から徒歩で教会へ下っていきます。
石橋を渡ると右側にチェルビーニ家の門、ブラスバンドや選手の入場に使うため、この日だけは開いています。基本的にパリオ参加者のみなので入れないのですが、たまに開放している時は、ちょうど美しい紅葉を見ることが出来ますよ。
チェルビーニ家の庭が入れない時は、地区の旗が高々と掲げられた正面の石の門から入ります。しっかりと観戦したい人は教会前の場所取りへ、雰囲気を味わえればよい人は、周辺にある屋台などを見ながらパリオの開始を待ちましょう。
時間になると、司会者のルカ君がパリオの歴史やルール、今までの勝敗の説明をしてくれます。そして、まずはブラスバンドの入場!
それに続いて、選手入場!
地区のノコギリを掲げて、士気を鼓舞するリーダー。
今まで何回かルールの改正がありましたが、現在のレース内容は、第一レース:太い丸太を5cmに5枚切る、第二レース:細い丸太を40cmに5本切る。それぞれのレースで早かった方に有利なポイントが与えられます。
しかし、早いだけではなく正確さも重要!第一レースは±2cmまで、第二レース板は±3cmまで、それ以上誤差あったらマイナスポイントがつけられ、タイムと正確さでの合計ポイントで勝負が決定するので、最後の最後まで結果は分かりません。
過去の戦績は、8割ちかく赤の “Pian delle Mura” が勝利していますが、今後、どうなるでしょうか?地元民が楽しむパリオですが、田舎ならではのこんなお祭りを体験・観戦に来てくれる方をお待ちしています!住民にまぎれてエキサイトしてください!
ギャラリー(写真をクリックすると拡大します)
基本情報
【開催日時】
例年10月第二・三週目の土・日 ※TRENO NATURAのプログラムは例年第二日曜で組まれているので、その場合はパリオはありません(通常第三日曜に開催)。
【行き方】
シエナよりTiemme社のバスで直通あるいはSan Quirico d’Orcia 乗り換え。本数も少ない&日曜日は便がないので、オルチャ渓谷の他の村などと合わせてハイヤーで周ることをおススメします。ハイヤー手配についてはこちらをご覧ください。