美しきドゥオモと城壁の村、マレンマ北部「マッサ・マリッティマ」

グロッセート県北部の小さな村、マッサ・マリッティマ。「マレンマの真珠」とも呼ばれるように、同じマレンマ地方の小さな村と比べると、どこか気品がある村です。訪れる前のこの村のイメージは、このドゥオモのみ。それくらいガイドやSNSなどで写真をよく目にする、ドゥオモはマッサ・マリッティマのシンボル的存在なのです。ドゥオモの正式名称はサン・チェルボーネ大聖堂。11世紀~13世紀にかけて建立されたのでピサ・ロマネスク様式とシエナ・ゴシック様式が混じっています。残念ながら内部は撮影不可だったので写真はありませんが、立派な大理石の聖人チェルボーネの石棺や洗礼盤、ドゥッチョ・ブオニンセーニャの聖母子像など、様々な芸術作品も見ごたえあり。昼休みは閉まるので、見学時間に注意! ⇒ 毎日8:00-12:00&15:00-17:00、6月1日~9月31日は19:00まで、土曜夕方・日曜朝のミサの時間はミサ参加者のみ)ドゥオモのあるガリバルディ広場には、他に市庁舎や考古学博物館などがあります。

ガリバルディ広場から北方向に走るのが、目抜き通りのリベルタ通り。その左右にはアーチや階段、味のある路地がたくさん出ているので、そちらもお見逃しなく。写真は、リベルタ通り入ってほぼすぐ右にあるチャンベッラ―ノ小通り、今回は機会がなかったですが、友人おススメのレストラン・La Tana dei Brilli もここにあります~次は絶対、ここで食事してみたいです。

小さな村あるある、が、こんな小さな村なのに!と思わず思ってしまうような、オシャレな服屋さんや雑貨屋さんがあること。これはリベルタ通りのある雑貨屋さんですが、この通りや、もう1つの目抜き通り=ガリバルディ広場から北東に伸びる坂道・モンチーニ通りにも、覗くだけでも楽しいお店やバールがたくさんあります。

リベルタ通りから道なりに上っていくと、旧市街の北の端に出ます。古の小さな村にはかならずある、村の門を抜け、写真を撮って折り返し旧市街へ向かおうとすると・・・ちょうどこの建物に住むおじさんが、坂を上って上も見るべきだ、と教えてくれました。こういういい意味でおせっかいなおじさんに出会うのも、小さな村を訪問する醍醐味(笑)。そしてそのおじさんの助言は、ごもっともだったことがすぐに分かりました。

マッサ・マリッティマの旧市街北側には、今でも中世の城壁がしっかりと残っているのです。しかもこんなに高く立派な城壁が・・・元々マッサ・マリッティマの城壁が建設されたの11世紀からですが、現在残っているのは一度シエナに一部を損壊され、再建設された13世紀以降の城壁です。その後、マッサ・マリッティマはシエナの統治下に置かれたため、今も門の上には白黒のシエナ共和国の紋章が掲げられています。とはいえ、他のトスカーナの町と同様に16世紀にはトスカーナ公国に併合されるので、旧市街の中にメディチ家の紋章を見ることもできます。そういった当地の歴史が見られるのも、面白いですね。

城壁の中に入ると、また趣のあるエリアに・・・ここは1300年代、マッサ・マリッティマの町が拡張された時にできたCitta’ Nuova(新市街)。新市街、と言っても元々の町から比べて、なので、今の私たちからすれば立派な「旧市街」です(笑)。そして右側には時計台が~その名も、ろうそくの塔。というのは、ちょうど自由自治を獲得したばかりの1228年に建設され、塔のてっぺんには絶えず火が灯されていたために、こう呼ばれているそうです。城壁&塔に上れる見学時間に注意! ⇒ 土・火・祝のみ10:00-13:00&15:00-17:00。もし開いている日に来られるのであれば、絶対上って頂きたい・・・というのも、こんな素晴らしいパノラマが見られるから!

ろうそくの上からは旧市街に行く門がある別の塔、そして城壁、更に旧市街の街並みと美しいマレンマの大自然!城壁の上も歩けますので、ここからは更に街並みが近く見られます。

↓ 動画も撮ってみました!

このエリアに来るのは上り坂が結構きつかったので、ハイヤーで来る方はろうそくの塔ある広場で降ろしてもらい、時間があればこのエリアの街並みを散策して塔を上り、下りながら観光をしてドゥオモ見学、ドゥオモ裏の広場で拾ってもらう、というのが時間的にも体力的にもベスト!かと思います。

塔から降りて門を抜け、坂を下ると、そこはもう1つの目抜き通りのモンチーニ通り。ここにも絵の工房や雑貨屋さんなどたくさんお店があるので、覗きながらの散策が楽しいです。この通りを下りきると、そこは再びガリバルディ広場。再度ドゥオモを違う角度から眺めてみましょう。そして見逃してほしくないのが、ドゥオモを正面にして左奥にある駐車場の一角にある、こちら。

1265年に建設された、「豊かさの泉」。当時ここを統治していたピサの執政官によって建設されたもので、当時の町の水の供給源だったところです。前面の壁に描かれた「豊穣の木」も当時のオリジナルが残っています。

こんな風に、小さな中にも見所たっぷりのマッサ・マリッティマ。旧市街エリアだけなら1時間で、城壁など上のエリアも含めゆっくりなら半日で周れます。ハイヤーでなく公共機関で来られる方は、次の目的地に行く前に、ここでゆったり宿泊されるのも良いですね~おススメはこちらの邸宅アパートです!

マレンマ北部の拠点にも最適!マッサ・マリッティマの貴族邸宅アパート

ギャラリー(クリックすると拡大します)
基本情報

【観光協会】
Turismo Massa Marittima

【行き方】
最寄の鉄道駅はフォッロ―二カ:フィレンツェから直通またはピサ経由で約2時間半、フォッロ―二カ駅からはTiemme社のバス・37F番のバスで直通約40分(フォッロ―二カ駅→マッサ・マリッティママッサ・マリッティマ→フォッロ―二カ駅)。あるいはグロッセート駅:ローマから直通電車で約1時間40分、グロッセート駅からTiemme社のバス・43F番のバスで直通約1時間半(グロッセート駅→マッサ・マリッティママッサ・マリッティマ→グロッセート駅)、1日1本ですがシエナからTiemme社のバス・59F番のバスで直通約1時間40分(シエナ→マッサ・マリッティママッサ・マリッティマ→シエナ)でも行けます。電車の乗り方などについてはこちらを、バスについてはこちらを参照ください。

滞在日数が長い方、バスなどに乗り慣れている方は上記の方法でも行けますが、やはり楽で効率がよいのがハイヤーです。フィレンツェからだと、ヴォルテッラサンガルガーノ修道院スヴェレートカンピリア・マリッティマポプローニアなどと組み合わせて1日ツアーが組めます。また、ボルゲリのワイナリーや、同エリアのこのワイナリーと組み合わせることも出来ますよ。

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