バスはフィレンツェなど都市の各市バス autobus と、都市間、または都市と田舎町を結ぶ各社長距離バス Pullman と大きく2種類に分かれます。今までは各都市の市バス、長距離バス会社がエリアごとにありましたが、2021年秋より、トスカーナ州の全てのバス会社が AUTOLINEE TOSCANE (英語バージョン)という1つの会社に統合されました。ルート検索アプリ MOOVIT や切符購入アプリ TABNET も1つに統合されて楽になりましたが、公式サイトや切符購入アプリはイタリア語しかないので、この記事の最後で日本語で解説しますね。
※一部の写真は、旧バス会社のものです(デザインやロゴが変わるだけで大きな違いはありません)
※2022年9月現在、公式ルートアプリは不具合あり~グーグルマップやサイトの時刻表を合わせて参照するほうが間違いないです!(実際にAutolinee Toscaneの問い合わせで言われた言葉・笑)
市バス:autobus(アウトブス)
トスカーナで観光目的であれば、市バスを使うのは フィレンツェかピサ。 フィレンツェは歴史的地区に見所がギュッと固まっているので、ほとんどが徒歩で回れます。市バスに乗れば便利な場所はミケランジェロ広場 、ピサだと斜塔のあるドゥオモ広場くらいですが、歴史的地区の端から端に移動する時など、バスをうまく使いえば体力を温存できます。
フィレンツェの市バスは番号で表示された通常のバスと、近年は歴史的地区を走るC1~4・Dの小型電気バスがあります。バスの路線図は、サイトからダウンロードすることも可能。参考までに、フィレンツェ観光で市バスを使う路線
- フィレンツェの町並みを見下ろす ミケランジェロ広場 へは駅前から12番&帰りは13番
- フィレーゾレへも駅前のマクドナルド角から7番(終点)
切符の買い方、使い方
①紙の切符
切符購入はバス停近くのタバッキやバールでの販売で、販売のマークがドアなどに貼ってあります(運転手からも買えますが値段が高い!)。近年は駅前やサンマルコ広場、トラムの駅に自動販売機もあります~しかも日本語もあります!(ただし、90分の切符のみ)切符購入アプリ TABNET については、この記事に最後に詳しく紹介しますね。
値段は1回券1.7 0ユーロで90分有効(運転手から買うと3ユーロ!です)、10回回数券は15.50ユーロ。ただし、10回の回数券は一緒に乗る複数の人で使いまわせませんので注意!また、フィレンツェ市バスチケットはトラムと共通ですので、90分内にバスとトラム両方使う場合は、1枚の切符でOKです(トラム路線図はこちらからダウンロードできます、トラムは観光に使うことは少ないですが、T2線は空港と鉄道駅を結んでいます)。トラムについて詳しくはこちら
切符の場合は、バス車内にある 刻印機で刻印 しましょう(切符は運転手さんから買うこともできますが、割高の3ユーロになります)電車と同じくバスでも抜き打ちで検札係りが乗り込んでくるので、切符は正しく購入し正しく刻印して使いましょう。
②クレジットカードのコンタクトレスを使用
この春から、Autolinee Toscaneの全ての車両、ドライバー横と中央ドアの2か所(バス車両に寄って異なるかも)にクレジットカードのコンタクトレスで決済できるシステムが完備されました。使えるカードはVISA、MASTER、アメリカン・エキスプレスです(2024年5月現在)。ただし、1枚のクレジットカードで複数人は使用できないため、1人1枚クレジットカードを持っていないといけません。
やり方はとっても簡単で、黒いパネルの青い〇の中にカードをかざすだけ。しっかり読み取りができれば、上のモニターが全面緑+OKとでます。
Tip Tapシステムの詳細ページ(英語)
紙なども出てこないので、検札が周ってきたらどうするの?と運転手に聞くと、支払いをしたクレジットカードを読み取ってもらうだけでOKだそうです。また乗車してから何分たったか分からない場合は、もう一度クレジットカードを通せばOK。もし90分が過ぎていなければ引き落としされません。
ちなみにどれだけ切符を使ったかを見るには、こちらのページ(英語)からクレジットカード情報を入れると過去履歴が見られます。
③アプリTABINET
この記事の最後に使い方をまとめています。
乗車・降車の注意事項
新型車種ではアナウンスと掲示がありますが、心配な人は、運転手さんの横に立って、降りたい場所を言って降りる時が近づくと教えてもらうようにお願いするのも手です(Vorrei andare a ○○=○○に行きたいのですが、と言えば、いくつ先のバス停だとか、また相手が外国人で詳しくなさそうな場合は、だいたいの運転手さんが“着いたら教えてやる”というサインをしてくれます。文章で言えない場合は、「〇〇(行きたい場所の名前)??」と聞けば大丈夫!)。
小型バスはドアが乗り降り共通のドア1つのものが大半ですが、 通常のバスは乗るのが前のドアで、真ん中のドアは降車専用(新しい車両にはドアに大きく印がついています)。特に人が多いバス停で真ん中から乗ろうとすると、大ひんしゅくをかうので注意!一方、満員で降りる時に降車扉に近づけないくらいであれば、乗るほうから降りてもさほど嫌な顔はされませんが、停車駅の1つ前くらいから、少しずつ降り口に近づいて降りる準備をしましょう。
長距離バス:通称Pullman(プルマン)
切符の買い方、使い方
①紙の切符
大きな都市ではバスターミナルがあり、そこに切符売り場もありますが、それがない小さな町だとバス停近くのタバッキ、バールなどで切符を購入しましょう。長距離バスですので目的地ごとに値段が違いますが、目的地を言えば該当の切符を売ってくれます。
②クレジットカードのコンタクトレスを使用
こちらも市バスと同様、ドライバー横と中央ドアの2か所(バス車両に寄って異なるかも)にクレジットカードのコンタクトレスで決済できるシステムが完備されました。やり方はとっても簡単で、黒いパネルの青い〇の中にカードをかざすだけ。しっかり読み取りができれば、上のモニターが全面緑+OKとでます。
しかし、区間によって料金が違うのにどうなるの?ですが、時間料金制でない長距離の場合は、必ず降りる前にも同じ機会にクレジットカードをかざす必要があります!!降りた時の区間で料金精算が行われ、もし降車の際に読み取り忘れたら、そのバスの終点までの料金が引き落とされますので要注意です!
Tip Tapシステムの詳細ページ(英語)
ちなみにどれだけ切符を使ったかを見るには、こちらのページ(英語)からクレジットカード情報を入れると過去履歴が見られます。
③アプリTABINET
この記事の最後に使い方をまとめています。
乗車・降車の注意事項
長距離バスの場合は 前方に扉があり、乗り降り共用 の場合が多いです(真ん中にも扉があるバスが多いですが、よほど人が多くなければ閉まっています)。また、スーツケースなど大きな荷物があれば運転手さんに言うと、大きさによっては専用の場所に入れてくれます。
刻印機は大きなバスターミナルだと乗車エリアに、それはなくても車内の運転手さんの横にある場合がほとんどなので、乗る時に刻印を忘れずにしましょう。クレジットカードのコンタクトレス仕様の場合は、乗る時はもちろん、降りる時も必ずカードを読み取らせる必要があります。
また、アナウンス、掲示がない場合がほとんどですので、時刻表などで目的地停留所への時間をチェックしたりして注意すること。あるいは市バスと同じように、運転手さんに目的地を告げておくと安心です。
大きなバスターミナルの場合は、待合室などに時刻表と
電光表示板もあります。
目的地に着いたら、帰りのバス停(降り場と乗り場が違う場合があります)と、そのバス停で帰りの時刻も再度確認しておきましょう。
観光客が使う大きなバスターミナルはフィレンツェとシエナで、それぞれ2つづつターミナルがあります。
フィレンツェでは、今まであった南側ターミナルからシエナやグロッセート方面のバスが発着。
鉄道駅の北側には、新ターミナルのモンテルンゴがあり、フィレンツェ北側のシエーヴェ渓谷、ムジェッロ地方、キアンティのバスが発着します。
鉄道駅からバスに乗る、あるいはバスから下りて電車に乗る方は、市バスのバス停近くの坂道を使用して、駅構内(16番線から17~18番線へ行く通路途中)に入ることができます。駅の改札外からホームを使って早く行きたい場合は、係員によって入れてくれたり入れてくれなかったりするので、言葉で説明できない場合は無難に駅の外から周っていく必要があります。
シエナはシエナ―フィレンツェの直通快速が発着するグラムシ広場か
鉄道駅の北側すぐ。
シエナ鉄道駅から旧市街は離れている(市バスに乗る必要あり)ので、フィレンツェからシエナ観光に行く方は鉄道でなく、旧市街すぐそばのグラムシ広場発着のバス使用をお勧めします。
バス切符購入アプリ TABINET の使い方
フィレンツェ市内だけでなく、トスカーナ全土のバスがAUTOLINEE TOSCANEとなったので、バスの切符も1つのアプリ TABNET で全て購入できるようになりました。クレジットカードのコンタクトレスが全車両完備になったので、アプリを使わないと行けない人は減ったかもしれませんが、TABNET はトスカーナのバスだけでなく、ローマやカンパーニャ州などバス会社、各地の駐車場などの切符購入も可能です。また長期滞在で10回以上市バスを使う方などは回数券がお得になりますが、売っているタバッキは少ないので、このアプリで買うと良いでしょう。
- TABNETのトップページでTOSCANA →AUTOLINEE TOSCANEをクリック
(下の写真の一番左、そこから右の写真へ順番に進んでください)
※切符購入前に下の写真の一番左の写真の、右下にあるクレジットカード登録をしておきましょう - カテゴリー(フィレンツェ市バス、県庁所在地の市バス、その他都市の市バス、市外間便、島や特別便、高速便・・・)
(下の写真の一番右)
3.市内バスであれば均一料金なので、1回券と回数券が出てくるので選ぶ
4.市をまたぐ便などは、出発地・到着地をAーZ順のリストから選ぶか、検索して選んで、1回券か4回の回数券を選ぶ
5.購入
しかし、ネット上で切符を購入したら刻印はどうなるんだろう?と思いきや・・・
- 購入したチケットをクリックすると下に CONVALIDA 刻印 のボタンが出てくる
- クリックすると、タイムキーパーが作動!!
フィレンツェ市バスの場合は90分、長距離バスは4時間以内は有効。 - 検察が来れば、その画面を見せるだけ
と、全てデジタルで完結してしまいます。
もし刻印せず使用しなかった場合は、有効期限1年は使用が可能です。アクティブ(刻印した)な切符、アクティブでない(まだ刻印していない)切符、使用済みの切符も、AUTOLINEE TOSCANEをクリックした次の画面に出てくるので、随時チェック可能です。
現在サイトで紹介している小さな村の「行き方」では、まだ過去のバス会社のリンクが入っているため、時刻表が表示されません。時間を見つけて1つ1つリンクを挿入していきますので、もう少々お待ちください!
急ぎの方は、上記のAUTOLINEE TOSCANEサイトより、
TRAVEL PLANNER(英語バージョン) → 発着地、出発日時(ただし直近1か月)
を入れると検索ができます。私の経験では、グーグルマップでもこのAUTOLINEE TOSCANEの時刻表が全て入っていますが、心配な方は上記の TRIP PLANNER あるいは時刻表ページ(ORARI)で確認しておきましょう。
それでもやっぱり不安な方は?
基本的にこれらの情報や、グーグルマップなどを使って問題なく行けるはずですが、やはり自分たちだけでは不安・・・また行く場所によっては本数が少なかったり、乗り換えが多かったりもする。遅延などがもしあったら?・・・という方には、アテンドサービスあるいは ハイヤー を頼みましょう!フィレンツェ発着の通訳アテンド付きツアー、ハイヤーツアーは下記にいろんなプランがありますので、参考にしてみて下さい。もちろん、これらからアレンジまたは1からプランニングもOKです!
通訳アテンド同行で安心!電車&バスで行くワンディトリップ
世界遺産・オルチャ渓谷を巡る、ハイヤー1日周遊プラン
アレッツォ県の見所を巡る、ハイヤー1日周遊プラン
愛すべき、美しい30の村
飾らない、ありのままのイタリアへ!人口や景観など、「イタリアの最も美しい村」協会が設けた厳しい基準を満たした村だけが加盟を認められる「イタリアの最も美しい村」。その中から、イタリア在住20年以上、トスカーナ州の田舎町に暮らす著者が、“忘れられない”30の村をセレクト。古きよきものが息づく小さな村の魅力を、旅先での出会いやエピソードをちりばめながら綴る。
本の詳細はこちら
「フィレンツェから日帰りで行ける!トスカーナの小さな村10選」
「トスカーナのおうちごはん春夏編20レシピ」
「コロナ・ロックダウン緩和直後のイタリア・フィレンツェ記録写真集(モノクロ版)」
「コロナ・ロックダウン緩和直後のイタリア・フィレンツェ記録写真集(カラー版)」
「トスカーナのおうちごはん秋冬編20レシピ」
いずれも読み放題に入っています!、