世界遺産・オルチャ渓谷の中でも、やはり一番人気なのが村そのものも世界遺産となっているピエンツァ。ドゥオモなどの見所の他に、小さな旧市街の中にはレストランやお店も充実しているからでしょう。いわゆるお土産屋さんの他に、職人さんの技やアイディアの光る工房も多く、それを訪ね歩くのも1つの楽しみ。それを教えてくれたのが、この陶芸工房のリンダさんです。今までも幾度も前を通り、中にも数回入ったことはあるのですが、先日、店の奥まで入って中をよく見たり、オーナーご夫婦ともお話しすることができました。
リンダさんの職人歴はもう30年以上前から、そして1998年にはご主人のジャンマリオさんと自身の工房をオープン。お2人とも造形から絵付けまで両方行いますが、ジャンマリオさんは主に造形を、リンダさんが主に絵付けを行うことが多いそうです。ご覧のように、入ってすぐのスペースはたくさんの作品で埋め尽くされています~昔の薬壺の伝統的画柄から、貴族の紋章や神話の世界のような優美なもの、そして、風景やオリーブ、ブドウなどの典型的なトスカーナの柄も数多くあり、家のタイルのオーダーメイドからワインの栓まで、大きさや価格帯もさまざまです。
すでにいろんなスタイルを模索している、とリンダさんがおっしゃるように、絵付け作業場の前にはこんなモノクロの可愛らしいシリーズもあります。
そしてお店の奥には、こんな空間が!
なんと、かつて凝灰岩を掘って作られた空間は古の井戸、そして中世以降はピッコロ―ミニ家から直通する秘密の地下道があった場所。その後、オリーブオイルの搾油所となったのですが、その当時の石臼なども見事にインテリアにしてしまっているところがお見事。
お店は、旧市街西側のムレッロ門から入ってすぐ右折、坂と階段を下りて行った左側にあります。かつてはこのお店以外にもたくさん工房があったのですが、現在は残念ながらそのほとんどが閉店しています。ピエンツァ観光の超王道であるメインストリートからははずれますが、ぜひ立ち寄ってみて下さいね。
ギャラリー(クリックすると拡大します)
基本情報
Ceramiche D’Arte
Via Gozzante 33, Pienza
毎日営業(不定期に火曜クローズの場合があります)
※店内の作品は撮影禁止です。私は記事のために許可をもらって撮影・掲載しています。