「プレゼーペ」とは、キリストが誕生したシーンを再現したジオラマです。小屋の中にマリア、ヨセフ、キリストだけの小さいものもあれば、町全体を再現した壮大なものまで。また人形でなく、人がそれを演じる「プレゼーペ・ヴィヴェンテ(生きているプレゼーペ)」もおらが村をはじめ、各地で行われています。さて、今回ご紹介するプレゼーペは、クリスマスの夕方、ばーちゃん村から義妹が住む町へ散策に行った時に偶然見つけたもの!同じアミアータ山でも、こちらはグロッセート県、シエナ県側の大きな町がアッバディアなら、このカステル・デル・ピアーノはグロッセート側で一番大きな町になります。
そのプレゼーペは、カステル・デル・ピアーノ旧市街の中心、ドゥオモの横にあるサンタ・マリア・デッレ・グラッツェ教会にあります。今まで前を通り過ぎたことはあれど、入ったことなかった教会。今回も特に入る気はなかったんですが、入り口に「PRESEPE」と書いてあったので、せっかくやから入っとく?と軽い気持ちで入ったら・・・ダンナ、長男、私、一斉に「うわっ!」と口に出してしまう光景が広がっていました。
目の前が全てプレゼーペ。中心であるマリア・ヨセフ・キリストは、この写真の左端で、あとは当時の町の様子が詳細に再現されているのです!1つ1つを丁寧に見ていくと何時間もかかりそうな、壮大なジオラマ!!
これは奥をズームで撮影したものですが、本当にいくつのピースから成り立っているのでしょう?そしてコケは本物で、リアル感をいっそう引き出してくれます。また写真に写ってる風車のように電動で動くものもあちこちにあるんですよ。
どれくらい大きいかわかっていただくために、知らんイタリア人の見物客に入っていただきました(笑)。かなり横から撮ってるので分かりにくいですが、かなり横長で、人もそれなりにいたので私は奥まで入ることができず。
教会は1500年にあった礼拝堂を拡張し、1800年台半ばに完成したそう。ファサードからも見て取れますが、バロック式建築の教会だそうで、今度はプレゼーペがないときに入ってみたいと思います(プレゼーペがある期間は区切られていて教会に入れないようでした)。また、この教会のある道・ドゥオモのある方向へ歩いてすぐにある市役所でも、小さめのプレゼーペがたくさん展示されています。ステンドグラスだったり、アイアンだったり、素材も雰囲気も違うプレゼーペが楽しめます。
カステル・デル・ピアーノ自体は、旧市街の路地も寂れてるし石造りの建物も少ないし、ぶっちゃけあまり見どころはないですが、アミアータ山周辺に来られるなら寄ってもよいかも。昨年「イタリアの美しい村」に入ったサンタ・フィオーラや、シエナ側のアッバディアはあまり知られていませんが、旧市街は趣もあって散策も楽しく、修道院など見どころもありますよ。
基本情報
Chiesa Santa Maria delle Grazie
Via S. Giovanni, 14/2, 58033 Castel del Piano
ドゥオモ向かって左側にある教会です。
【行き方】
シエナ駅から直通電車でチヴィテッラ・ディ・パガーニコ駅まで1時間あるいはTiemme社のバス51G番で50分、そこからTiemme社のバス0VA番に乗り約30分。グロッセート駅からはチヴィテッラ・ディ・パガーニコ駅まで約30分あるいはTiemme社のバス51G番で20分、そこからTiemme社のバス0VA番に乗り約30分。電車の乗り方などについてはこちら、バスの乗り方などについてはこちら。乗り換えも多く本数も多くないので、慣れてない方・時間のない方は、ハイヤーで周りの村なども含めて周る事をおススメします。周辺の村は、「イタリアの美しい村」でもあるサンタ・フィオーラ、アルチドッソ、シエナ側のアッバディア・サン・サルヴァトーレ、ピアンカスタニャイオなど。ハイヤーについてはこちらを参照ください。