レッジョ・エミリアに続く「エミリア街道」の都市2つ目は、モデナ。私は旧市街全体が世界遺産だと思っていたのですが
イタリアにあるモデナの大聖堂、市民の塔、グランデ広場は、中世イタリアの自由都市の発展の様子を伝えるとともに、中世キリスト教都市における信仰と市民生活の結びつきを伝える優れた例証として、1997年に世界遺産に登録されました。
もちろんこのドゥオモも素晴らしいのですが、街全体もとても素敵なので半日はゆっくり楽しめます。
駅は旧市街の北側なのですが(駅から旧市街まで徒歩約12分)なのですが、私たちは車で来たため、駐車した場所から一番違い西から旧市街へ。今回は時間なく見送りましたが、右側にあるのは「Palazzo dei musei」という複数の博物館が入った建物です。中世にこのモデナ、そしてレッジョ・エミリア、フェッラーラを統治していたエステ家のギャラリー、図書館、宝石の書、そして市立博物館が入っています。
上の地図のように、モデナ旧市街は不規則な5角形になっているのですが、真ん中に東西を走るメインストリート・エミリア通りが走っています。エミリア通りのほぼ真ん中あたりにドゥオモがあるのですが、道に面していないため、気を付けていないと通り過ぎてしまうのでご注意を!Palazzo dei museiのある西側から来るとちょうど右側、少し開けたな、と思ったらそれがドゥオモ広場。
真っ白な大理石に、大きなバラ窓が美しいドゥオモ!こじんまりしてるのに、なんだかずっしりどっしりしているのも、私のツボです(笑)。中も白い大理石化と思いきや、一転、ブラウンのレンガできています。
建設は12世紀、3身廊のロンバルディア・ロマネスク様式の教会です。身廊をアーチのある壁で分けてあるだけでなく、同じ身廊内でもアーチがあるごとに壁があるせいなのか、重厚感があります。そして、どこから見てもアーチだらけ!全体的に地味な色調ですが、内陣部分だけはきらびやか・・・
説教壇やファサードの彫刻もとても見事なので、じっくり見てみて下さい。この下に地下礼拝堂もありますが、訪問した時はミサの最中で入ることができませんでした。
さて、ドゥオモ向かって右側をゆくと、ドゥオモの脇、メインの広場であるグランデ広場に出ます。私たちは訪れた12月28日は偶然アンティーク市は開かれており、すごい活気!
ここからはドゥオモの横にある鐘楼~88mもある市民の塔、通称ギルランディーナの塔もよく見えます。上の写真、正面に見えるのはモデナ市庁舎で、大きな時計を擁する塔が目を引きます。なんとこの市庁舎、モデナの名品であるバルサミコ酢の醸造所もあるのだそう!クリスマスやイースターなどを除く金・土・日・祝日にガイド付き見学可能なので、詳しくはこちらをご覧ください。建物の右から向こう側の道は狭いですが、渋めのバールやお店が並んでいて楽しいですよ。そして更にこのエリアから北東に向かうと、オペラファンにはたまらないスポットがあります。
1814年に開場した由緒正しい劇場、ルチャーノ・パバロッティ市民劇場。モデナの英雄と言っても過言でない、世界的テノール歌手だったパバロッティの名前がついています(モデナ出身~2007年に亡くなった時の葬儀は、なんとモデナのドゥオモで!)。オペラを始めとしてコンサートやミュージカルが定期的に行われていますので、イタリアで観劇したい方は、ぜひ!
そして旧市街の北側にある、ひときわ大きな建物がドゥカーレ宮殿。もともとは1291年、当時フェッラーラを収めていたエステ家のオビッツォが建設を始めたものでしたが、その後エステ家がモデナ公となると、当時のヨーロッパの宮廷風に改築を加えていきます。現在はイタリアの陸軍士官学校となっており、ここからイタリア陸軍の軍士官が誕生するのです・・・それゆえ通常は見学できませんが、クリスマスやイースターなどを除く土・日にガイド付きでのみ見学可能(その週の水曜までに予約必須)なので、詳しくはこちらをご覧ください。
レッジョ・エミリアと同じく、モデナも旧市街の建物ほとんどに柱廊がついてるので、散策もとても楽しいです。その他、周りにはエステ公園やフェッラーリ公園など緑も豊か。じっくり見れば1日でもいられそうなくらい、充実した旧市街ですので、ぜひゆっくり時間をとって訪問してみて下さいね。
ギャラリー(クリックすると拡大します)
基本情報
フィレンツェからボローニャ乗り換えで約1時間半、ボローニャからは直通電車で約25~30分。駅から旧市街までは徒歩約12分。電車の乗り方などについては、こちらを参照ください。