1月17日から始まったウフィツィ美術館の新しいプロジェクト、その名も「Uffizi da mangiare(食べるウフィツィ)」。ウフィツィ美術館所蔵の名画(多くは静物画)を、トスカーナが代表する名シェフが料理で表現すると言うものです。以前に FRAZE CRAZEさんに寄稿の「著名建築家が設計!景観やエコにも配慮したデザイナーズ・ワイナリー」のようにワイン×建築、そして今回は料理×絵画、と、ガストロノミーとアートは切っても切れない仲なのです。
さて、登場する絵画とシェフですが、1月17日のトップバッターは、言わずと知れたフィレンツェ・チブレオ王国のボス、ファビオ・ピッキ。絵画はジャコモ・チェルーティの1735年の作品「Ragazzo con cesto di pesce (魚と少年)」。
時に「イセエビ」と間違われる甲殻類は、Granseola =ワタリガニの一種。そしてスズキと舌平目。動画では、このトスカーナの沿岸沿いではよく捕れる、このワタリガニをどうやって食べるか?茹でて、手を汚しながら、汁をすすりながら食べる様子を語ってくれています。彼からの提案は(動画内ではなく説明欄)、手作りマヨネーズ!しかし、「詩人」と呼ばれ、TVなんかにもよく出ているだけあって、語り口がもうシェフではなく俳優!レストランでは厨房にいるのでなかなか会えませんが、彼のオーガニック食材店C-BIOに行くと会えることもあります(一緒に写真も撮ってもらえますよ)。
その他、パンツァーノ・イン・キアンティの肉屋&レストラン経営のダリオ・チェッキーニは
ヤコポ・キメンティ(通称エンポリ)の1624年の作品「Dispensa con botte, selvaggina, carni e vasellame(ワイン樽、ジビエ、肉、陶磁器のある食糧庫」から、彼の専門である肉=絵に描かれている骨付きのリブロースを豪快にグリルにしてくれます。焼くのはもちろん炭火、オイルも塩も使わず、片面8分づつ、立てて数分。これがもう、さすがプロ!の完璧な焼き具合で、画面に手を入れて食べたくなるほどの誘惑!!スライスした後に、塩を雨のように降らせ、トスカーナのオリーブオイルを回しかける「儀式」、合わせるのはもちろん、トスカーナの赤ワイン・・・ああ、こうやって書いてるだけで、いますぐ肉屋で同じ肉を買って焼きたくなります。
現在はこの2本が公開されていますが、今週末~は、モンテメラーノのミシュラン星付きの有名店ダ・カイーノのシェフ、ヴァレリア・ピッチ―ニは、同じくエンポリの「静物画」。同じくミシュラン星付きのローラ・ダーリアのシェフ、マルコ・スタービレはジョルジョ・デ・キリコの「Peperoni e uva(パプリカとブドウ)」を。他にも、カラヴァッジョやフェリーチェ・カゾラーニ、ジョヴァンナ・ガルツォーニなどが登場するそう!発表は、ウフィツィ美術館のフェイスブック公式ページ。動画アーカイブにも残るのでいつでも見られますよ。
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