ローマはフィレンツェ以上に悪い意味での「ザ・観光客向け」レストランが多すぎて、なかなか苦労します(ローマ人の友人もいますが、地元民はあまり中心地で食べないんですよねぇ)。そんな中、ローマ在住の日本人友に教えてもらったのがこのお店。あまさに超観光地=スペイン広場の至近なのですが、裏側なのでハイシーズンだったにも関わらず落ち着いていました。このお店があるマルグッタ通りは、かつてバブイーノ通りにある屋敷の裏側というだけで、馬車を置く場所であり、馬舎や倉庫などがあっただけだそうです。そこからそれに係る職人、そして芸術家が出入りするようになり、時を経た今もギャラリーやシックなお店が並んでいるのです。そしてこのお店も例にもれず、なんだか映画にでも出てきそうな趣のある外観・・・もう着いた瞬間からテンション爆上がり⤴です!!
お店は1965年にオープンしたオステリアを、1974年にピエトロ・ガブリエッリ氏が買い取ったもの。元イタリアチームのラグビー選手でありながら、音楽や劇場の事業を行っていました。なのでこのお店の内装も、まさに劇場のよう。そして、劇場や芸術関係者が集まる店になり、イタロ・カルヴィーノやピエールパオロ・パゾリーニ、映画監督のフェッリーニなどが集まっていたそうです。それらの歴史は、所狭しと壁に並ぶ写真で見ることができます。そんなお店なので、こういうVIPなお店に慣れていない小市民の私は「スタッフがツンツンしてたら嫌やな」・・・とちょっとビビってたんですが、ただの取り越し苦労に終わりました。カウンターのお兄さんはスマートな感じではあったけど嫌みはなく、ウェイトレスのお姉さんなんて超気さく!
さてお料理は、とってもシンプルなローマ料理。かといって、いわゆる食堂的な感じはなく、とても洗練された印象と味わいです。きっと素材にめちゃめちゃこだわっているはず!例えば、前菜の生ハムとブーファラのモッツァレッラ・・・生ハムはとっても薄くスライスされたマイルドなタイプで、口に入れたら溶けてゆくよう。モッツァレッラも同じく、口の中でじゅわ~っ旨味が広がります。
そして焼いただけの肉、なのに、肉の品質と説妙の焼き加減、そしてたっぷりレモン・・・とにかく柔らかくって美味しい!何なんでしょう?ほかにもローマでは欠かせないカルボナーラやアマトリチャーナ、ローマ風トリッパなど。基本メニューはありますが、旬に合わせて半年ごとにメニューの見直しがあるそうです。
食べながらよく周りを見てみると、2階席にテラスのように取り囲まれた1階席はまさに劇場の中にいるよう。そして私たちの後ろにピアノがあり、イベントなども行われるそうです。2色のシェードを使った照明は柔らかい光を醸し出し、壁にかかるたくさんの絵画を楽しむ・・・おりょりも絶品ですが、この雰囲気を味わうだけでも来る価値があるかも! ってくらい胸が高揚しました。お値段もこの雰囲気の割には高くなく、プリモは10ユーロ前後、セコンドも10ユーロ台前半がほとんど。少しおしゃれして、記念日やローマ滞在最後の夜におススメしたいお店です!
ギャラリー(クリックすると拡大します)
基本情報
Osteria Margutta
Via Margutta 82,Roma
Tel : +39-06-3231025
営業時間:12:30-15:00&19:30- 24:00、月曜ランチと日曜ディナーは休み
予約がベター
※2021年2月現在、コロナ規制で休業中です。
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