フィレンツェとラヴェンナの間、ファエンティーナ街道。それはローマ時代、チェルビアの塩を運ぶ商人のために建設されたそう。そんなファエンティーナ街道沿いにあるのがブリジゲッラ、友人が近くに住んでいること、他州なのにおらが村からも行きやすいことから、前々から行ってみたい村の1つでした。私の誕生日が週末だったこと、その友人のお子さんが「お母さん以外の日本人と日本語しゃべりたい」と言っていたこともあり、ついに行くことができました。
まずは旧市街の少しはずれにある、サン・ジョヴァンニ・イン・オッタ―ヴォ教会。
建設は7世紀~10世紀の間とはっきりと特定されていませんが、このラモーネ渓谷エリアでは最古のロマネスク様式の教会だそう。現在はコロナの影響か?週末に観光協会のスタッフ同行でのみ見学ができるそうですが、私たちが行った日は午後に結婚式を控えており、その準備や消毒の関係で中に入ることはできませんでした。これはリベンジ要!
そして旧市街へ入ると、「3つの丘」の真ん中にある要塞がすでに存在感いっぱいに姿を見せてくれました。
要塞オタクは走ってでも行きたいほどでしたが(笑)、腹が減っては戦ができぬ?いや、友人が予約してくれたレストランでまず誕生日ランチを堪能。場所はアルベルゴ・ラ・ロッカのレストランで、素敵な柱廊の下で日伊2家族でテーブルを囲みました。すべてが美味しかったのですが、他州に行けば必ずそこの郷土料理を・・・ということで
Spoja Lorda (スポヤ・ロルダ)!これはトルテッリ―ニを作る時間がない時に、同じチーズの中身を塗って切っただけの主婦の時短パスタ。以前にダニエーラに教えてもらったクアドルッチとほぼ同じですが、ここで食べたのはほんとに具はなく、ただチーズを塗っただけのもの。しかしチーズの味がすごく濃くて、サルシッチャ・ルーコラとの相性も最高!
こうしてお腹いっぱいになった後はその消費に(笑)、この村出身のご主人の案内でまずは要塞に向かいます。要塞は1310年にこの地を支配していたマンフレーテディ家により建設されました。その後ブリジゲッラは3年間チェーザレ・ボルジアの管理下となり、1503年~1509年まではヴェネツィア共和国の支配下に治められます。ヴェネツィア支配時代にこの一番大きな塔と2辺の壁が建設され、ローマ教皇領になった1500年代末頃に小塔の屋根もつけられます。現在の美しい姿は、近年の修復とメンテナンスのたまものだそうです。
そこからもう1つの丘にある時計の塔までは、村に降りずにそのまま行ける散策路があります。このように糸杉が並んだ一本道で、迷うこともありませんし、時計の塔に行く手前まではアップダウンも大きくなく、10分程度。
時計の塔への上り坂からは、要塞と赤レンガの旧市街のパノラマが・・・この日は昼過ぎまで雨が降っていたおかげで、空気が澄んで本当に美しい景観をプレゼントしてくれました!
時計の塔は1290年の建設。1500年までは要塞と同じくブリジゲッラの防衛の要として機能してきましたが、その後は崩壊と再建設を繰り返し、現在は1850年に再建されたもの。要塞は入場できますが、この時計の塔は外観だけ。でも間近で見る迫力と美しいパノラマも見られますので、3つの丘を制覇するためにもぜひハシゴしてみてくださいね。
時計の塔を下ると、もう1つの見どころである「ロバ通り」へ。通りというから地上にあるのかと思いきや、なんと建物の中!もともとは14世紀の建設でまだ屋根はなく、村の防衛のための巡回を上から見まわせるようにしたものだそう。のちに居住のために増築が行われ、ここには石灰石を運ぶ荷馬車商人が多く住むようになり、ロバを飼っていたことから今の名前になったそうです。現在もアパートの廊下のようなものなのですが、観光客は必ず訪れるスポットとなっています。
ロバ通りの下は、いわばブリジゲッラのメインストリート。カラフルな外壁にたくさん植物が飾られていて、歩くだけでも幸せな気分に。レストラン、ファッション雑貨店なども軒を連ねています。一番奥に見える白い建物は市役所。歴史と町歩き、パノラマにグルメと、小さいながら多くのことが楽しめ、さらに駅から近いので車のない人でも簡単にアクセスできます。フィレンツェからは1回乗り換えで1時間40分、ボローニャからは1回乗り換えで1時間。隣町は陶器で有名なファエンツァ、さらにラヴェンナからも遠くないので、このエリアだけでも見どころがたくさんありますよ。
ギャラリー(クリックすると拡大します)
基本情報
Welcome to Brisighella(ブリジゲッラ地域プロモーション協会サイト)
【行き方】
フィレンツェより直通電車で1時間40分、ボローニャからはファエンツァ乗り換えで約1時間。おらが村からもボルゴ・サン・ロレンツォ乗り換えで1時間40分で行くことができます。旧市街は駅から徒歩5分。電車の乗り方などについては、こちらをご覧ください。
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