トスカーナだけでなく、イタリア全土に多くあるのが「丘の上にある小さな村」。かつて、人々が自分たちの身を守るために集まった集落や、防衛目的で作った要塞から発展した村が多いからでしょう。その多くが村の中もアップダウンが多く、それが面白みであると同時にご年配の方や足腰が弱い方、ひいては車いすの方などの観光は難しい・・・とはいえ、探せば平たんな場所にある村、丘の上だけれど村の中にアップダウンがほとんどない村もあります。最近は60代以上の方でも皆さんお元気ですが、負担少なく楽しめる、小さな村をご紹介します。
スカルペリーア
スカルペリーアはフィレンツェ県北部・ムジェッロ地方の小さな村。モータースポーツ好きの方は、きっとその「ムジェッロ・サーキット」が頭に浮かぶのではないでしょうか?本数は少ないですがフィレンツェからもバス1本で行け、ヴィカーリ宮と特産であるナイフの博物館も見ごたえがあります。食事はもちろん、この地域の郷土パスタ「トルテッリ・ムジェッラーニ」をどうぞ!
チェルタルド
こちらも比較的フィレンツェから行きやすいチェルタルド。村は丘の上にありますが、新市街からケーブルカーであっという間に旧市街、旧市街はメインストリート中心に散策されるとアップダウンはありません。ハイシーズンは割合観光客もいるので、宿やレストランも充実。フィレンツェ・シエナ間なので、観光都市に宿泊したくない方で、このゾーンを電車で周りたい方は宿泊も良いですね。特産品の赤玉ねぎは甘くて美味しいので、レストランでぜひスープを賞味してみて下さい。
サンセポルクロ
こちらはアレッツォからバスで1本で行ける、サンセポルクロ。タイトルにもあるように、初期ルネサンスの画家、ピエロ・デッラ・フランチェスカの故郷としても有名で、代表作の「キリストの復活」が市立美術館に展示してあります。他、有名な自然派薬品や基礎化粧品を展開するABOCAの本社があり、ABOCAミュージアムはとても見ごたえがあります。同じ路線にあるアンギアーリも魅力的なので(ただし、ここは結構アップダウンあり)、一緒におススメします!バスに乗るのが不安な方は、通訳アテンド付き1日ツアーもありますよ。
ピエンツァ
オルチャー渓谷のゾーンとして、また単独でも世界遺産になっているピエンツァ。南側は少し坂がありますが、主な場所は全て平たんな場所なので歩きやすい村です。村自体はそこそこ高い場所にあるので、城壁上の道からはこのようなパノラマも楽しめます。シエナからバス112番で行けますが、同じ路線でアップダウンが少ない、いや皆無な村はブォンコンヴェント、少な目の村はサン・クイーリコ、逆に人気ですがアップダウンありまくりの村はモンテプルチャーノです。
オルチャ渓谷よりさらに南、トスカーナ第二の山・アミアータ山の中心的な村が、このアッバディア・サン・サルヴァトーレ。ここの旧市街はすごく大きいのですが、観光客向けのお店とかは全くなく、石造りの古い建物ばかりなのにそのほとんどが住居というのが最大のポイント!旧市街すぐ外の修道院は地下礼拝堂がとても美しく必見、そしてこのゾーンの食材や雑貨が山積みのマルチェッリーナのお店も超おススメです。
ソヴァーナ
マレンマ地方の凝灰岩の村の中で、一番小さく、そしてアップダウンのないのがソヴァーナ。とても可愛らしくて散策だけでもとても楽しいのですが、旧市街一番奥にあるロマネスク様式のドゥオモは必見です!修道院にむかう石畳が、昔の巡礼者のような気分にさせてくれますよ。
オルベテッロ
海沿いの村でおススメの平坦な村が、オルベテッロ。海沿いだったらアップダウンないんじゃないの?と思われるかもしれませんが、小さな村だと港は海沿いにあっても、旧市街は岩の上、みたいなところが多いんですよね。このオルベテッロは、本土とモンテ・アルジェンタリオという離れた土地を3本の道の真ん中、両サイドを潟に囲まれた変わった立地になっています。鉄道駅からバスも比較的頻繁に出ているので行きやすく、同じバスでその先のポルト・サント・ステファノやポルト・エルコレに行くことができます。食事はこの地の漁師組合の直営店で、潟でとれた海産物をお楽しみください!
:::::
いかがでしたか?この村だけピンポイントで行くのは難しい&効率が悪いですが、ご希望を聞きながら無理のない行程や移動方法を提案することができますので、足腰に自信がないんだけど・・・身体障害があるんだけど・・・1つの村は頑張って歩くけどもう1つは無理!・・・などなど、具体的な要望をお聞かせくださいね。
【AMAZON KINDLEより、2冊のトスカーナ本を発売】
「フィレンツェから日帰りで行ける!トスカーナの小さな村10選」はこちらから
「トスカーナのおうちごはん 春夏編20レシピ」はこちらから