廃墟となった屋根のない修道院、サンガルガーノ修道院

シエナから南西に約30キロ、何にもない田舎の県道から少し入ったところにぽつんと立っているのが、このサンガルガーノ修道院。ぽつん、と見えるのは最後の直線に入る前だけで、近づくにつれ、その大きさが分かるようになります。

修道院は、フロジノーネ(ローマ南)からやってきたシャトー会修道士により、1218年~1288年の間に建設されました。現在も残る司教座聖堂参事会の部屋や側廊の天井からも分かるように、トスカーナで最初に建てられたゴシック教会です。

修道士たちがここを選んだのは、川に近い自然の中で、かつ重要地であるマレンマに通ずる道に近いことから。重要な修道院として発展を続けますが、1329年の飢饉、1348年のペスト、更にいろんな軍隊からの略奪などにより、徐々に衰退。更に外国人傭兵の通過により破壊され、15世紀には修道士たちもシエナのサンガルガーノ宮に移動します。修道院は臨時の修道院長に託されますが、その状況は悪くなっていくばかり。

そこから200年近く放置されたのち、1786年に落雷にあった鐘楼が倒れて屋根が崩壊。その3年後には教会の地位も解かれ、完全に放棄されます。

その後、その特殊な状態が逆に注目を浴び、1800年代には修復が始まります。その後、歴史家の研究対象や写真コンテストのテーマとなったり、1900年代後半からは「ノスタルジア」などの映画、有名アーチストのビデオクリップにも使用されています。

中に入ると、何とも不思議な空間。上にはあるはずの屋根がなく、下には床はなく砂利と雑草があるだけ。ハトやカラスも自由に出入りしています。最盛期だった1300年前半はどんなだっただろう?修道士はどんな生活を送っていたのだろう?略奪の時は?ここを去るとき、修道士たちはどんな気持ちだったのだろう?700年以上前の出来事に思いを馳せます。そして静寂の中でここにいるだけで、何だか自分のことも落ち着いて考えられるから不思議。

現在は、キウズディーノ市のリーガルウェディングもできるそうですよ。

ギャラリー
基本情報

Confraterita di San Galgano
キウズディーノ市サンガルガーノぺ―ジ

【オープン日時】
11月~3月は、9:00~17:30
4~5月、10月は、9:00~18:00
6月、9月は、9:00~19:00
7~8月は、9:00~20:00

【入場料】
3.5ユーロ、7~18才・65才以上・学生証持参の大学生・20人以上のグループ・4人以上の家族は3ユーロ、6才以下は無料

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