イタリアに住んでいると、すごい田舎なのにとんでもない建築や芸術作品があったりします。それは教会だったり、統治していた国(この辺だとフィレンツェ共和国、トスカ―ナ公国)にもよるのでしょうが・・・今回紹介するのは、フィレンツェから直通電車で30分の田舎町、サン・ピエーロ・ア・シエーヴェ。町中はこれと言って何もなく、私は息子のサッカーの試合と、近年はこのエリアに住む田舎暮らし日本人女子会のランチのここに行くくらい。
この町、数年前から北側のスカルぺリアと統合して1つの市になったため、5月のライブ前にスカルぺリアについて調べていて、たまたま今回のお宝の存在を知りました。そのお宝があるのは、このサン・ピエトロ教会。この町の一番の教会ですが、幹線道路沿いにちょこっとある感じです。この日はバスの乗り換えが30分以上あったので、そのお宝を見に入ってみました。
この教会は前はもっと良い意味でふるーい感じだったのですが、ここ数年をかけて内外を修復しているそうで、ピッカピカになっています(笑)。1018年にメディチ家の命により建設された記録があるそうですが、歴史の中で改築や修復があったのか?あまり際立った装飾などはありません。ちょっと気になったのは、天井にほんのちょっとだけ残るフレスコ画のかけらくらい?
あとは何と言っても、このお宝です!
色彩テラコッタで知られるロッビア工房、ジョヴァンニ・デッラ・ロッビアの1518年作の洗礼盤です。祭壇を向いて、左身廊の一番入り口側にありますが、オーラで?輝いているのですぐに分かります。6角形になっており、洗礼のヨハネの生涯が6枚のパネルで描かれています。角の上にはメディチ家の紋章も。
残念なのが、前にロープが張られていて入れないので、後ろの3枚は見られないこと。ヴィンチ村のレオナルドが洗礼を受けた洗礼盤にみたいに、360度見られるようにしてくれたらいいのに・・・もったいない!
この洗礼盤は見ごたえありますが、さすがにこれだけを見にフィレンツェから来るのも・・・とはいえ、前述のスカルぺリアはサン・ピエーロ・ア・シエーヴェ駅からバスが頻繁に出ているし、次の駅のボルゴ・サン・ロレンツォにもジョットのお宝もあるし、Garden Caffe’ のランチは美味しいし(しかも99%地元民だし)、それらの道中に寄ってもらうのが良いと思います!ロッビア工房のファンの方なら、もちろんこの洗礼盤の見学だけでも~なんてったって、フィレンツェから電車で30分ですからね。
基本情報
Pieve di San Pietro
Via Provinciale
【行き方】
フィレンツェから直通電車で約30分、San Piero a Sieve 駅下車。サン・ピエトロ教会は駅から徒歩6分。駅前や道路沿いのバス停より、近郊の村スカルペリアにも直通バスで15分、その先のサンターガタにも20分で行けるので、乗り換え次いでに見に行くのが良いと思います。ここのバーガーランチは食べる価値あり!
また、フィレンツェから来て次の駅、Borgo San Lorenzo はこのムジェッロ地方の中心的な町で、ジョットの聖母像が残る教会や、この地で工房を構えたキーニ家の作品などを展示した博物館もあります。
【トスカーナより生中継のライブ&トスカーナ好きコミュティ】
「トスカーナ自由自在チャンネル★小さな村・生産者・職人・料理を現地から発信」
上記リンクより、詳細とお申し込みをお願いしますm(__)m
【AMAZON KINDLEより、5冊の電子書籍を発行】
「フィレンツェから日帰りで行ける!トスカーナの小さな村10選」
「トスカーナのおうちごはん春夏編20レシピ」
「コロナ・ロックダウン緩和直後のイタリア・フィレンツェ記録写真集(モノクロ版)」
「コロナ・ロックダウン緩和直後のイタリア・フィレンツェ記録写真集(カラー版)」
「トスカーナのおうちごはん秋冬編20レシピ」
いずれも読み放題に入っています!