アッバディア・サン・サルヴァトーレはアミアータ山にある最大の町。町の標高は829m にあるため、夏は 避暑やトレッキング ・冬はアミアータ山スキーへの玄関口として賑わいます。他の小さな村と同じで、新市街・旧市街が分かれており、には、城壁にいくつかある石のアーチをくぐって旧市街へ入っていきます。
ここの旧市街のいいところは、まず他の小さな村と比べて大きいこと、そしてお土産屋さんなどの商店など近年つくったものが全くなく(あっても昔からある床屋さんとか)、昔からの町を何百年もそのまま今の住民が普通に受け継いできた感じ。洗濯ものがはためいてたり、ちょっとした広場にご近所さんがイスを出して座ってたり。観光地にあるような特別な何かではなく、その生活感、匂いを感じられるところが最大の魅力です。
またイベントも多く、7月は地区対抗の弓矢競技もある中世祭りが行われます。夏に旧市街へ行くと、2地区それぞれの地区に地区カラーである黄色と赤色の旗や紋章が掲げられて、ちょっと華やかな雰囲気。
また田舎町のお約束? 秋の味覚祭りが 通常10月の2~3週末にあります。アミアータ山周辺の町の祭りは皆この期間なので、遠方からやってくる人はどれに行くか迷いますね。あるいは数日このエリアに滞在して、秋祭りをハシゴして楽しむのも一案です。良いと思います。
秋祭り中のお昼や晩には、 路地にオープン食堂がテーブルを並べ、地元の秋の味覚を楽しめます。アミアータ山の一番の秋の味覚は、何と言っても栗 。お祭りでは、こうして歴史的地区のあちこちから、 ガーラガラという音とぷ~んと香ばしい栗を焼く匂いがしてきます。おじいちゃんから孫たちまで家族総出で、女性たちは家の中でひたすら栗に切り目を入れる作業をしていました。また、通常10月の第3日曜の秋祭りへ向け、 トレ―ノ・ナトゥーラのプログラム が組まれます。
私が一番好きなイベントは12月24日・クリスマスイブのフィアッコレ 。町のあちこちに薪のやぐらが建てられ、火を灯してクリスマスを迎えます。この時期はイルミネーションや飾りが旧市街に施され、いっそう童話の中にまぎれこんだような気分にさせてくれます。
そして、この町の名前にもなっているサン・サルヴァトーレ修道院は8世紀起源の古いもので、地下の礼拝堂が素晴らしいです。
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基本情報
【観光協会】
Citta’ delle Fiaccole
【行き方】
フィレンツェから Tiemme 社 の直通バスで、2時間半(月金のみ)。時刻表: フィレンツェ発アッバディア行き 、 アッバディア発フィレンツェ行き 。シエナからは直通バスで1時間25分~2時間、時刻表: シエナ発アッバディア行き 、 アッバディア発シエナ行き 。この路線では、 ブォンコンヴェントやサン・クイーリコ・ドルチャも通ります。バスの乗り方については、こちらをご覧ください。
バスは限りなく本数が少ないので、オルチャ渓谷やマレンマの他の村と組み合わせて、 ハイヤー周遊がおススメです。ハイヤー については、こちら をご覧ください。
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