シエナからオルチャ渓谷に向かって州道2号線を走っていると、右側に見える城壁のある村、それが「イタリアの美しい村」にも選ばれている、ブオンコンヴェントです。村の名前はラテン語で「幸せな地」。この村を訪れると、穏やな時が流れ、ほっこりする・・・村の名前の通り、幸せな気分になれる場所です。小さな村の多くは車でしか行けない、公共機関では行きにくいですが、ここはなんとシエナから直通で電車でもバスでも行けるのが嬉しい!しかも、駅もバス停も旧市街の前!とアクセスの良い所。そして、小さな村にありがちなアップダウンも全くない平地にあるので、体力のない方(笑)や、例えば車いすの方でも行きやすい村になります。
先日再訪したときがザザ降りの雨だったので(号泣)写真がちょっと残念ですが・・・村の歴史は中世に遡り、1100年頃から存在していたそう。この村の名が大きく歴史に刻まれたのが、神聖ローマ帝国のルクセンブルク家・ハインリヒ7世がこの地を訪れた時の伝説~この地の牧師に毒をもられ、暗殺されたそうなのです。ハインリヒ7世は皇帝の戴冠を授かる為にローマに向かっていたそうですが、中世の小都市乱立時代、皇帝派と教皇派との争いも絶えなかったイタリアでは、神聖ローマ帝国皇帝の来訪は大きな混乱をもたらしたようですね。現在でも、1371年から建設された城壁のほとんどが残っており、南北にちゃんと門が残っています。村はシエナ共和国の一都市でしたが、1559年以降はトスカーナ公国に併合されました。
さて、村の中に入ってみましょう。南北の門に通じるのが、メインストリートのソッチ―二通り。市役所、教会、ミュージアム、レストランやバールなど、ほとんどがこの通りに集まっています。一際目を引く、そして村のシンボルにもなっているのが、この時計の塔。建物は現在、市庁舎として使用されています。
この塔と建物の外に掲げられているのは、かつての執政長官の紋章。1270年までこの地を治めていた、執政長官の家紋が25つ残っています。歴史と共に統治が変わっても、そして1000年近い年を経てもそれが存在し続けるところに、イタリアの凄さを感じずにはいられません。
小さな村あるある、ですが、こんなに田舎の小さな村でも、おしゃれなお店が多いこと!そして門構えやウィンドウのディスプレイなんかもとっても洒落ていること!こういう美意識と言うかセンスのレベルが高い所も、イタリアの凄い所ですね。メインストリートと言ってもとても短い通りですが、こうして建物1つ1つ、お店を1つ1つ覗いていると結構時間が経ってしまいます。
メインストリートを見終わったら、あちこちにあるアーチを潜り抜けて、路地に入ってみましょう。これはソッチ―二通りからアーチをくぐり、並行して走る小さな路地。もう、ここがめちゃめちゃ素敵で、雨の中何枚も写真を撮りました~今度は晴れの日に来て撮影したい!と思うくらい、素敵な通りでした。
他の見所は、聖芸術博物館と小作制度農業博物館(両博物館とも、水・9-13、金&土・9-13&15-18、日・10-13&15-18)。前者はこの地域の教会にあった14世紀から19世紀の芸術作品を集めたもので、後者はこの地域の農業や農民の生活を展示したもの。各博物館とも3ユーロですが、コンビネーションチケットは5ユーロ。ゆったりとこの村に滞在する方は、ぜひ訪れてみて下さい。通りすがりやランチなどで寄る方は、30分あれば旧市街の散策はできます。ハイヤープランでは、サンガルガーノとモンテ・オルヴィエートの2つの修道院を巡るプランで、ランチで立ち寄る村になっています。このプランでなくても、クレーテ・セネージやオルチャ渓谷のエリアに至近なので、ぜひ30分でも立ち寄って頂きたい美しい村。シエナからはアクセス良好&バス112番でオルチャエリアに行くこともできるので、車を使わずにこのエリアを周りたい方の拠点にもぴったりですよ。
ギャラリー(クリックすると拡大します)
基本情報
【観光協会】
Proloco Buonconvento
【行き方】
フィレンツェ駅よりシエナ乗り換えで2時間~2時間半、シエナからだと直通電車で30分弱。旧市街は道を挟んで駅から右斜め向こうに見え、徒歩3分の距離!電車の乗り方については、こちらをご覧ください。
また、シエナよりバス114番か112番で直通で約40分。114番はモンタルチーノが終点。112番は、ピエンツァやサン・クイーリコ・ドルチャ、モンテプルチャーノを通る、オルチャ渓谷を公共機関で行く方には大変便利な路線となっています。車でフィレンツェからシエナ経由でオルチャ渓谷へ向かう方は必ず通るので、トイレ休憩やお茶のついでに寄ってみるのも。旧市街をさらっと散策するだけなら、30分ほどで十分です。
バス112番の時刻表や路線図はこちら
バス114番の時刻表や路線図はこちら
「Download line timetable and map」をクリックすると時刻表がダウンロードできます。
バスの乗り方などはこちら 👇 👇 👇
ハイヤーでフィレンツェから、またはその他の場所から、ご希望に応じてピエンツァなど他の村を含めた オルチャ渓谷 周遊も可能 です。ハイヤーについては、こちらをご覧ください。見所をうまく組み合わせた、ハイヤープランもあります。モンティッキエッロ地域社会協同組合が運営するE-BIKE(電動アシスト付き自転車)ツアーもおススメです!
愛すべき、美しい30の村
飾らない、ありのままのイタリアへ!人口や景観など、「イタリアの最も美しい村」協会が設けた厳しい基準を満たした村だけが加盟を認められる「イタリアの最も美しい村」。その中から、イタリア在住20年以上、トスカーナ州の田舎町に暮らす著者が、“忘れられない”30の村をセレクト。古きよきものが息づく小さな村の魅力を、旅先での出会いやエピソードをちりばめながら綴る。
本の詳細はこちら
【AMAZON KINDLEより、5冊の電子書籍を発行】
「フィレンツェから日帰りで行ける!トスカーナの小さな村10選」
「トスカーナのおうちごはん春夏編20レシピ」
「コロナ・ロックダウン緩和直後のイタリア・フィレンツェ記録写真集(モノクロ版)」
「コロナ・ロックダウン緩和直後のイタリア・フィレンツェ記録写真集(カラー版)」
「トスカーナのおうちごはん秋冬編20レシピ」
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