「コッレ・ヴァル・デルザ」、フィレンツェ&シエナから行きやすい穴場の小さな村

団体ツアーではなかなか行かない小さな村、このサイトでもたくさん紹介していますが、行きにくいのところが多いのも事実です。しかし、探せば行きやすい小さな村というのも結構あるんです。そのうちの1つがコッレ・ヴァル・デルザで、ちょうど路線バスのフィレンツェ⇔シエナ路線内にあるので、どちらの町からも直通1本。どちらかの町発着でも良いですし、フィレンツェ⇔シエナの移動中にふらっと寄るのにもちょうど良い村です。何より観光客はほとんどいないので、イタリア人の普段の生活も垣間見えて楽しいですよ。

町自体は大きく、バスが到着するのは新市街の大きな広場の前(TOP写真)。そこから5分ほど歩き、丘の上の旧市街へは、なんとエレベーターを使って!エレベーターは旧市街の東端に着きます。ちょうど広場のそばに幼稚園があるので、エレベーターはここに通うご家族や、旧市街に住むお年寄りの足となっています。

エレベーターは、ちょうど旧市街の城塞の堡塁に当たる所で、ここから新市街の様子もよく見ることができます。上りはキツイですが、帰りはここから出ている道を下って新市街に戻るのもいいですよ。この村はフランチジェ―ナ街道を通っており、サン・ジミニャーノなど他のエルザ渓谷の村と同様、中世から繁栄していたそうです。

そこから東西に長く伸びる旧市街を、カステッロ通りから東に向かって歩いて行きましょう。エレベーターから半分くらいまでは、ドゥオモやツーリストインフォメーションもある旧市街の中でも古い建物が残っている部分。写真は13世紀のプリオーリ宮。数々の修復の後、現在はツーリスト・インフォメーションや市民博物館が入っています。

そこからすぐ先、右側に並ぶのは16世紀建設のドゥオモに、13世紀建設のポデスタ宮。ポデスタ宮の外側にはこの地を治めた執政長官の家紋が並び、現在は考古学博物館が入っています。

その先は、可愛い雑貨やさんやバールが固まっていて、お土産を買ったり、パノラマを見ながら一休みしても。

その先のカンパーナ宮のアーチを抜けると、残り半分。そこからは市役所や市民が使う商店に混じって、歴史的な建物も点在しています。この道をまっすぐ、旧市街の西の端まで出ると、立派な要塞に出ます。

この門は1479年に破壊された門の跡にできたので「新門」と呼ばれますが、ご覧のように決して新しいものではありません(笑)。この門で旧市街が終わります。時間のある方は、この要塞に出る手前のサン・フランチェスコ通りを右に行き、サン・フランチェスコ修道院に行かれるのも良いでしょう。帰りは違う路地を選んでゆくと、可愛いおうちやアーチなど、小さな村らしい素敵な一角に出会えますよ。

更にお時間のある方、ガラス工芸に興味ある方は、新市街にあるクリスタル博物館(火~日・10時~18時、月曜休館。2020年2月現在は改築中で、旧市街のVia del Castello 33にて展示中、入場無料)へ。このコッレ・ヴァル・デルザは、イタリア有数のクリスタルの生産地でもあるのです。エレベーターへ行く地下道や、広場などにも、クリスタルのオブジェクトが飾られています。

このように、マイナーながらもなかなか見ごたえのあるコッレ・ヴァル・エルザ。フィレンツェかシエナからゆっくり1日、あるいはサン・ジミニャーノとも近く直通バスもあるので、2カ所を1日で周ることもできます。バスに何回も乗るのが不安な方は、フィレンツェ発着・通訳アテンド付きツアーもあります。

通訳アテンド同行で安心!電車&バスで行くワンディトリップ

ギャラリー(クリックすると拡大します)
基本情報

Pro Loco Colle Val’Elsa
Via del Castello, 33 Colle di Val d’Elsa
Tel :+39-0577-922791
毎日会館、4月1日~10月31日は10.00-18.00、11月1日~1月6日は11.00-16.00
1月7日~3月31日は休館

【行き方】
フィレンツェから直通131番バスで約65分、シエナから同じく131番バスで約30分。コッレ・ヴァル・デルザから直通130番でサン・ジミニャーノも約30~40分で行けるので、1日でこの2カ所行くのも可能。この2カ所をセットにしたフィレンツェ発着・通訳アテンド付きツアーもあります。

バス131番の時刻表や路線図はこちら
バス130番の時刻表や路線図はこちら
「Download line timetable and map」をクリックすると時刻表がダウンロードできます。

バスの乗り方などについては、こちらを参照ください。

バス(市バス&長距離バス)を乗りこなそう!

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人口や景観など、「イタリアの最も美しい村」協会が設けた厳しい基準を満たした村だけが加盟を認められる「イタリアの最も美しい村」。その中から、イタリア在住20年以上、トスカーナ州の田舎町に暮らす著者が、“忘れられない”30の村をセレクト。古きよきものが息づく小さな村の魅力を、旅先での出会いやエピソードをちりばめながら綴る。

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