イタリアでは夏、モンテリッジョーニを始め小さな村を中心に中世祭りが行われます。こういったお祭りは行きにくい場所も多いのですが、ここヴィッキオはフィレンツェから直通電車で約1時間、簡単にアクセスができるのが嬉しいお祭り。イベントのサブタイトルは、 Rievocazione Storica=歴史の追憶 、そう 1529という数字は1529年 、この年にこの町で起こった事件に由来しています~1529年、フィレンツェ共和国の忠誠町だったヴィッキオは、攻めてきたスペイン王国軍を前に、数か月も城を守り抜いたとのこと。最後は、大軍のスペイン・砲兵隊の前にたった500名の火縄砲兵はなすすべもなかったようですが、 彼らの精神と強さは今もこの町の誇りとなっているようです。
お祭りは駅から10分ほど離れた旧市街。中心にあるジョット広場ではいろんな屋台が出たり、大道芸人のショーが繰り広げられています。そこから更に大きいヴィットーリア広場に移動中、ここにも道を阻む大道芸人がおり、子供も大人もキャッキャと喜び芸人とのやりとりを楽しむ場面も。外国人観光客はほとんど(いや皆無?)おらず、地元や近郊の家族連れでにぎわう雰囲気も楽しいですよ。
広場から町に目をやると、 中世の塔が見えます。これが1529年に籠城した城の一部かと思うと感慨深いものがありますね。この広場では17時過ぎからパレードがあるので、この時間になると、パレードに参加する人が続々と広場に集まってきます。
老若男女、みな中世の装束を身にまとい、完全になりきっているのが素晴らしいです。
パレードは男爵と貴婦人、兵隊、農民、ブラスバンドなどなど・・・中世祭りはどこも似たり寄ったりだったりしますが、やはりタイムスリップしたみたいでいつ見ても楽しいです。よく見ていると、子供の参加も多く、おそらく家族で丸ごと参加?赤ちゃんもたくさんいてパレードの最中に寝ちゃってたり、ほのぼの感が満載です。その様子は、下のギャラリーでたっぷりご覧くださいね。
パレードが終わった後、イタリアのお祭りでは定番の旗のショーがちょうど始まったところ。バンドの演奏の後は、大人4人のショー、それから少年2人のショー(まだ上手じゃないので、見ている人も親の気持ちでハラハラしながら見てしまいます)、それから大人のワンマンショー、見事に2本の旗を使ってのショーは素晴らしいです。最後は大人8人のショーがあり、パレードをした皆で挨拶、で終了!だったのですが、この挨拶の時に人ごみから2人の子供が駆け寄って・・・この子たちのお父さんはショーの騎手で、きっとお父さんのスゴイ所を見て感動しんでしょうね。
お祭りは夜もまだまだ続くので、小さな村でのお祭りを存分に楽しんで下さい!
ヴィッキオはジョット、そしてベアート・アンジェリコの故郷としても有名な町で、その名がついたジョット広場にはどどん!とジョットの像がそびえています。この銅像の下に書いてある 出生地・ヴェスピニャーノ(Vespignano) はヴィッキオの分離集落で、ここにはジョットの生家もあり、小さな博物館となっています。
ギャラリー(写真をクリックすると拡大します)
基本情報
Vicchio 1529
例年8月の最終週の土・日。プログラムは毎年微妙に変わります。
【行き方】
フィレンツェ駅から直通電車で約1時間 (Borgo S.Lorenzo 行き・Pontassieve 経由)、Vicchio 下車。中心地からは少し離れていて、徒歩10分くらい。電車については、こちら をご覧ください。
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