フィレンツェ革工房「Bruscoli」、老舗5代目を継ぐ日本人革職人の美しい製品たち

TVドラマでも取り上げられるほど、職人の町として名高いフィレンツェ。日本はもちろん、イタリア国内、さらにフィレンツェに住んでいても知られていないような、隠れた伝統工芸というのも数多く存在します。その1つが、革製品に施される22カラットの金装飾。1800年代からの繊細なコテを使用し、今も1つ1つ手作業で仕上げてゆくその作業を行えるのは、フィレンツェ、もしかしたらイタリアでも唯一?その工房はオンニサンティ地区にひっそりと・・・その名はブルスコリ。今とは違うサンタクローチェ地区に、エディージオ・ブルスコリが活版印刷と製本・装丁の会社として1881年に創業。その美しい装丁はコンクールでも受賞し、息子のフランチェスコは製本・装丁を専門に事業を拡大していきます。4代目のパオロは、かのラウレンツィアーナ図書館の装丁本の修復、1966年の洪水で被害を受けた国立図書館の装丁本の修復などの事業のほか、家具や小物の一部・全体となる革製品を作り続けてきました。が・・・

問題は後継者。残念ながら、パオロの子供たちや甥っ子姪っ子でもこの工房を引き継ぐ人はおらず・・・しかし工房閉鎖を決めて不動産として賃貸しようとしたところ、借りに来たのは日本人の革職人の女性。この女性こそ、現在のブルスコリ5代目社長の齊藤美菜子さんです。伝統工芸を残したい熱い想いで結ばれた2人は、ただの不動産の貸し手・借り手だけなく、師匠と弟子の関係になり、1年の協働期間を経て、先代と現社長となったのです。とんでもない奇跡の出会い!!

そして現在、斎藤さんは今までのブルスコリの仕事の他に、もともとの彼女の夢であり、先代までは作っていなかったバッグの製作を開始。小さなハンドバッグについているのは、フィレンツェ旧市街のドアに見られる金具で、遊び心が入ってます。そして、今この工房の顔になっているのはこちらの、「フェイクの本棚」シリーズ。

一瞬ほんとに本が並んでいるようですが 、正真正銘のバッグなんです!!このブルスコリ工房の主な仕事であった本の装丁から着想を得て、本の背表紙を並べたデザインに。オーダーメイドで革の色、スタンプする柄や文字も変えられるんですよ。

柄は、1800年代から代々使われてきた1500以上の型が〜廃業した同業者などから引き取り整理できていないものを含めるとその数は2000をくだらないとか!これを組み合わせるのは、職人さんの経験とファンタジー、そう、デザインから製作まで全てを行っているのです。

文字もフォント違いがたくさんあり、それをサイズの合う型に一文字づつはめこんでいきます。それを程よく熱したら

敷いていた金シートにぎゅっと。簡単そうに見えますが、型の温度、かける圧力、時間などが完璧でないと、ちゃんとくっつかなかったり、金が焦げてしまったり。訓練を経て、やっと習得できる技術なのです。

日本でのイタリアンフェアに出展したりオーダー会を開いたりされているので、気になる方は是非ブルスコリのサイトや各SNSをフォローしてくださいね。お問い合わせは直接 → bruscoli@bruscoli.it

ギャラリー(クリックすると拡大します)

 

 

愛すべき、美しい30の村
飾らない、ありのままのイタリアへ!

人口や景観など、「イタリアの最も美しい村」協会が設けた厳しい基準を満たした村だけが加盟を認められる「イタリアの最も美しい村」。その中から、イタリア在住20年以上、トスカーナ州の田舎町に暮らす著者が、“忘れられない”30の村をセレクト。古きよきものが息づく小さな村の魅力を、旅先での出会いやエピソードをちりばめながら綴る。

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