トスカーナ南部・マレンマ地方の海沿いを走っていると、あれは何だろう?と気になっていたのが、このタラモーネ。突き出た半島の少しだけ高い場所にそびえる塔。あそこからの眺めはさぞかし美しいだろう・・・と思っていましたが、それはまさに想像通りでした。フェイスブックなどで流れてくるタラモーネの写真は、この要塞と、そこから見える、この美しいビーチ。あとで隣村が故郷のダンナ親戚に聞いたところ、このビーチは通称「女性のビーチ」。戦後すぐの頃は海水浴も男女分けられていたらしく、この美しいビーチは女性専用だったのです。
一方、要塞を挟んで裏側が、男性用ビーチ。こちらは今は、こんな感じでまったりとしたフリービーチとなっています。
さて、話をタラモーネの村に戻しますと・・・名前の由来は、ギリシャ神話のヒーローの名前。映画「トロイ」でも有名なアキッレのお父さんの兄弟・タラモーネからきています。伝説では、タラモーネはカラブリア遠征の後にここに寄り、その死後はこの要塞の下に埋葬されたそう!このようにタラモーネの歴史は古く新石器時代から、エトルリア時代そしてローマ時代には、有名なガリア人との闘いの場所となったそうです。その後は廃墟となりますが中世にはシエナのアルドブランデスキ家の支配下に。その後も荒廃した状態が続いていましたが、1700年代のトスカーナ大公のマレンマ開拓により、息を吹き返し、今に至ります。
旧市街の入り口は、ガリバルディ門。イタリア統一を目指したガリバルディが、1860年、武器調達の為にタラモーネに寄ったことから、この門や広場の名前にもガリバルディの名前がつけられています。残念ながら、旧市街と言っても古さを感じさせ要素は、この城壁と要塞くらい。
ガリバルディ門を上がったすぐは、今はレストランになっています。それでは、さっそく要塞に上ってみましょう。
堅牢な四角の要塞は、村に見合った大きささ。しかし、海から、そして海沿いの道の交通を監視する重要な役割を果てしていたのでしょう。
中はこの辺りで出土した土器などの展示、そして階段もしっかり整備されているので上りやすい。高さもそれほどでもないので、お子さんや体力に自信のない方もチャレンジしやすいです。
塔の上までは上れませんが、要塞の周辺4辺を歩くことができます。
振り向くと真下に旧市街、そして港。
南にはモンテ・アルジェンタリオの半島、そこから西に目をやると、遠くにジリオ島も見えます。そして下に目を移すと、Top 写真のビーチが。
ああ、ここから飛び込みたい・・・
要塞を後にしたら、村の散策を。と言ってもモニュメントはガリバルディ広場の教会くらい。
あとは、海の村らしい雰囲気を感じながらお茶したり、アペリティーヴォを楽しんでくださいね。イタリア人のバカンス地でもあるので 、イタリアン・バカンス気分で海に飛び込むのも!海沿いの村ならではの過ごし方で、楽しんでくださいね。
ギャラリー(クリックすると拡大します)
基本情報
【要塞】
土・日・祝は9:30-12:30&15:30-19:00
7月・8月のみ月~金もオープン、16:00-19:30
料金は喜捨
【行き方】
フィレンツェSMN駅から直通またはピサ乗り換えで約3時間、ローマ・テルミニ駅より直通電車で約2時間、Albinia下車。AlbiniaよりTiemme社のバス39O番にてTalamone Portoまで約20分(時刻表:アルビニア→タラモーネ港、タラモーネ港→アルビニア)。バスによってはポルト・サント・ステーファノやオルベテッロ、グロッセ―トも通ります。電車の乗り方などについてはこちら、バスの乗り方などについてはこちら。本数はそれほど多くないので、慣れてない方・時間のない方は、ハイヤーで周りの村なども含めて囘ことをおススメします。ハイヤーについてはこちらを参照ください。