フィレンツェの丘の上「フィエーゾレ」へ、市バスに揺られて行ってみよう

フィレンツェのパノラマを見渡す絶景ポイントは、言わずもがな「ミケランジェロ広場」、そしてその上にある「サン・ミニアート・アル・モンテ教会」が有名ですが、旧市街だけでなく、もっと広くフィレンツェの町の全体像を見るなら、このフィエーゾレに行ってみましょう。ここはフィレンツェの市バスATAFで行けますが、行政区画的には別の「フィエーゾレ市」。近年始発のバス停がサンマルコ広場から駅前に変わりましたが、同じ7番のバスで終点まで行くと、フィエーゾレの中心の広場・ミーノ広場に到着します。行きたい場所の開いている時間にもよりますが、まずはバスを降車して斜め左にある坂を上っていきましょう。

坂を上り始めて振り返ってみた、ミーノ広場。左の大きな教会がフィエーゾレのドゥオモ、奥の建物が市役所になります。坂の入り口はゆるやかですが、そこを左折すると結構急な長い坂になり、えええ!?と一瞬上るのを躊躇してしまうかも・・・それでも、ここを上れば待っている美しいパノラマを楽しみに、運動がてら上ってくださいね。

その絶景がこちら!スマホカメラ&良いお天気過ぎて綺麗には撮影できてませんが・・・真ん中より右側に、ドゥオモのクーポラと鐘楼がひときわ大きく見えるのが分かると思います。フィレンツェはドゥオモの正式名称(花の聖マリア大聖堂)から「花の都」とも呼ばれていますが、ここから見ると町全体がトスカーナの緑の大地に咲いた大輪の花のようです。

動画も撮ってみました。

ここでしばしフィレンツェのパノラマを楽しんだら、更に少し上ったサンフランチェスコ修道院に行ってみましょう。

ここはフィレーゾレでも一番高い場所で、元々はエトルリア人のアクロポリスがあったところ。その後ローマ人の要塞ができますがフィレンツェ共和国によって破壊され、現在の修道院は1225年に建設された小さな修道院が起源。1390年ころから拡張し、フランチェスコ会の修道士用の修道院として活動しています。開いている時間が少ないようで、なかなか教会や奥まで入ることができませんが、教会入り口上にあるフレスコ画や、右の入り口からかわいらしい中庭を見ることができます。

上りではフィレンツェを見下ろすことに集中してしまいますが、今度は下り、坂道の下に見えるフィエーゾレの町もとっても素敵。ひときわ目立つのがミーノ広場にあるドゥオモの鐘楼です。坂を下りきったら、そのままドゥオモに入ってみましょう。ドゥオモの正式名称は「聖ローモロ大聖堂」で、フィレーゾレの大司教座であり、元々のフィエーゾレにあった修道院を移設する形で1026年に建設されました。大聖堂はそのあと13世紀には鐘楼が、そして13世紀の拡張工事、19世紀には現在の形のファザートが完成し、今に至ります。ロマネスク様式で内部は質素ですが、主祭壇のある半ドーム天井のフレスコ画(聖ローモロの生涯)、向かって右にあるサルターティ礼拝堂(1466年に亡くなったフィエーゾレ大司教のレオナルド・サルターティのお墓)のフレスコ画がとても立派です。

フィーゾレのもう1つの顔は、エトルリア遺跡。「フィレンツェの母」とも呼ばれるフィエーゾレは、フィレンツェの町ができる前に栄えた場所で、今もエトルリア時代の城壁や、半円型のローマ劇場が残っています。フィレンツェやおらが村のような、県下の小中学校の遠足の定番スポットでもあるんですよ。場所は前述のミーノ広場からほんの少し入った場所、ドゥオモの後ろ側すぐにあるのですが、入った後にいきなる広がる遺跡にびっくりすると思います。チケットは屋外の遺跡エリアだけのものと、各美術館との共通パスなど何種類かあります&オープン日時もまちまちですので、こちらのページを参照ください

入ってすぐにあるのが、紀元前1世紀~1世紀のものとされるローマ劇場。これだけ立派なものでありながら、発見されたのは1800年の末のことだそう!エリア内には同時期の温泉跡や神殿が緑の中に浮かび上がるように存在しています。遊歩道となっているので、ゆっくりと散歩しながら遺跡を堪能できますよ。ちなみに、階段のある箇所にはエレベーターが設置されているので、車いすの方も見学できるようです(ただし使用は限られているようで、必要な場合はスタッフに声かけが必要です)。また、ツーリスト・インフォメーションが閉まっている日時ではここが代役を行っているようで、ここのチケット売り場のスタッフが地図をくれたり見どころを教えてくれますよ。

遺跡エリアから再びミーノ広場へ戻り、ドゥオモのある反対側へ行くと、紋章がたくさんついた市役所やサンタ・マリア・プリメラーナ教会があります。この教会から右側の広場の角から始まるヴェルディ通りをゆくと、もう1つのパノラマスポットに出ます。ただし、パノラマ自体はサンフランチェスコ聖堂近くのテラスと変わらないですし、ここでも坂も上りますので、まだ時間がある方・健脚派の方・もう1回あのパノラマが見たい!という方におススメですよ。ここは遺跡のチケット売り場のスタッフに教えてもらったものでマイナーなので、ハイシーズンにゆっくりとパノラマを眺めたい方はこちらの方が良いかもしれません、道中のヴィラもなかなな素敵です。

フィレーゾレ散策中、ちょっとだけ気にしていただきたいのが、ガス点検パネル!こんな風に、フィエーゾレのモニュメントや路地の絵が描かれているのです。上記の散策で私が見つけただけでも5つくらいあったかな?どれも作風が似てるので、同じ作家さんだと思われますが、ほっこりと地元愛を感じるかわいらしい絵ばかりでした。これは、最後に紹介したもう1つのパノラマポイントの壁にあったもので、まさにその道の風景(左側がフィレンツェを見下ろすパノラマポイント)となっています。

フィレンツェだけでも見どころが多すぎて日が足りないかもしれませんが、観光地の喧騒に疲れたら、市バスに乗ってふらりとフィエーゾレに出かけてみて下さい。ほんの少し外に出るだけで実感するトスカーナの豊かな自然に癒され、絶景・教会・遺跡も見られる貴重な時間となること、間違いなし!です。

ギャラリー(クリックすると拡大します)

基本情報

フィエーゾレ観光サイト

【行き方】
フィレンツェSMN駅前(マクドナルド前)から、7番のATAFフィレンツェ市バスで終点下車、約30分。バスの乗り方などについては、こちらを参照ください。半日もあれば主要な観光ができます。

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